テイカカズラ
   

失業率2%が意味する謎

医師が最高のヤンバンに

朱子学に毒された社会へ

韓国左派の抱える破滅性

 

韓国は、約110年前まで存在した朝鮮李朝の二の舞を演じている。それは、静かな没落への道である。朝鮮がなぜ、日本の植民地になったのか。最大の理由は、独善主義に陥り世界情勢の変化を見落とした結果である。現在の韓国左派は、李朝と同じ排斥主義をとり続けている。 

尹(ユン)政権は、李朝の失敗を繰返さぬように日米韓の協力体制を必死に構築しようとしている。その奮闘ぶりは、高く評価しなければならない。だが、次期政権が左派に移れば、元の木阿弥になろう。現状ですら、韓国国会では左派が絶対多数を握っており、政権の提案する法律は、ほとんど握り潰されている。韓国政治は、頭部は右派であっても胴体は左派(「共に民主党」が占めるねじれ状態だ。 

韓国議会は11月現在、国民生活の安定と経済活力のために必要な規制改革の革新法案146件のうち、わずか6件だけ可決したに過ぎない。規制緩和法案10件のうち9件が、発議から平均333日が過ぎても国会で「審議中」という超スローである。尹大統領は、目玉政策として「規制廃止」にドライブをかけて4ヶ月過ぎたが、国会で足を引っ張られ宙に浮いたままである。 

失業率2%が意味する謎

韓国は、23年9月の失業率が2.3%まで下がっている。数字の上では「超完全雇用」である。この状態は、約20ヶ月も続く。その中身をみると、女性と高齢者が多く短期雇用されている。一方では8月現在、労働参加していない若者が月平均41万人(満15~29歳)にも達するのである。これを含めると失業率は、3.72%へ跳ね上がる。

 

この人たちは、就業者でも、かといって失業者でもない状態にある。いわゆる「ニート」ではなく、就職活動に見切りを付けている人たちだ。中国の若者たちと同じ状態に追込まれている。社会経験を積む重要な時期にあるこの若者たちが、働かず無為な生活を送っていることは、韓国社会の抱える欠陥の表れとみるべきだろう。 

この事態が、なぜ起こっているのか。2つの理由が考えられる。

1)大学進学時に、技術を身につける学部学科を選ばず、単純な公務員志望である。

2)終身雇用・年功序列が支配的なために、企業は不況下で新規採用を抑制している。 

これら要因は、朝鮮李朝の国教的な存在であった「韓国朱子学」の影響が、今なお尾を引いており、韓国の社会構造と深く関わっている結果だ。朱子学は、「反日」の源でもあり、特に韓国左派の行動論理を根本的に支えている。土着思想になっているので、人々はこのことに疑問も持たない「空気」のような存在である。これが、最大の問題点だ。不治の病が全身に回っていても、当人はそれに気づかないことと同じ状況であろう。この問題の深刻さは後で論じるが、とりあえず前記の2点について、簡単なコメントを付けておきたい。

 

1)は、李朝の公務員(両班:ヤンバン)試験である「科挙」(かきょ)は、儒教知識だけを問うもので、実用性とは無関係であった。基本的に、技術職は含まれなかったのである。韓国で公務員人気が一番である背景は、この科挙に遡っている。公務員試験合格では、2~3年の就職浪人が普通という状況である。 

2)は、李朝のヤンバンが終身雇用・年功序列であったことから、現在の労組はこれを金科玉条として守り、左派がこれを強力に支援している。この結果、定年延長(60歳を5年延ばす)ことに企業側が反対している。総人件費の膨張を忌避しているのだ。65歳まで年功序列賃金が適用されたら、生産性に見合わないのは明白である。 

医師が最高のヤンバンに

韓国の24年大学入試の入学能力試験(修能)が終わった。今年の修能は、従来になく浪人生が多く、受験生の35%が高校既卒組であった。この中には、社会人まで混じっており、目的は「医学部受験」である。会社勤めでは安定しないので、「年収3000万円」の医師を目指したものだ。今年の修能から、従来の出題のような「難問奇問」が除かれ、正常化したので社会人でも合格可能性が出てきたという判断が働いている。

 

過去3年間の国立大学医学部入学者は、浪人が81.3%も占めている。医師への道がいかに難関であるかを示している。医師になれば、高所得が保証され定年もない。一生が安泰である点では、李朝のヤンバンと同じ身分と言えよう。韓国医師会は、政府の医学部定員増員案に対して、「絶対反対」である。ストライキを構えて抵抗しているほどだ。医師の数を増やさないことが、生涯の高所得を保証させる道である。ここまで来ると、医は仁術でなく「算術」となろう。 

日本では、田中角栄内閣時代に地方の国立大学へ医学部を増設した。当時、医学部のない14県へ「一県一医大」構想を実現させた。これが、どれだけ日本人の平均寿命の伸びに貢献したか分らない。日本医師会が、反対したという話も聞かれなかった。韓国医師会とは、大きな違いである。 

韓国では、医学部進学が現代における「科挙」とすれば、自動車や半導体の技術を教える学部・学科という技術関連は歯牙にもかけられない存在だ。韓国では、この偏りが極限にまで達している。職業に上下の差があるわけでない。韓国は、李朝時代と同じ職業選択の偏りによって、どれだけ若者の職業選択観を誤らせているか分らないのだ。(つづく)

 

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