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韓国は、日本旅行熱が沸騰している。文政権時代の「反日」がウソのように日本列島を隈なく旅行しているのだ。円安が大きなテコになっている。韓国・済州島旅行者が、減って日本旅行へ切り替わっているほどである。「熱風」どころか「狂風」と、韓国メディアは報じている。

 

『中央日報』(11月30日付)は、「『済州で焼肉? それなら日本で和牛を食べる』 韓国人の日本旅行人気が一気に爆発」と題する記事を掲載した。

 

ポータルサイトの日本旅行関連の掲示板には、「コム・デ・ギャルソンのカーディガン1着買うだけで航空券の元が取れる」、「済州島(チェジュド)に行ってオギョプサルを食べるよりも日本で和牛を食べるほうがいい」。このようなコメントが続々と書き込まれている。この程度なら日本旅行「熱風」ではなく「狂風」と言ってもよいくらいだ。エンデミックにかつてない円安が重なって起きた現象だ。最近韓国人は日本人でもあまり行かないような地方都市や見慣れない離島にまで訪れる。ホットな日本旅行の人気を再検証してみたい。

 

(1)「韓国人の今年1~10月の海外出国者数は1823万人を記録した。2019年(2428万人)の90%水準だった。同じ期間、訪日韓国人数は552万人で、2019年の記録(513万人)をはるかに超えた。2019年下半期の日本不買運動の影響が大きかったとしても驚くような回復傾向だ。今年は歴代最高値を記録した2018年(753万人)ほどでなくても700万人に近い記録が予想される。日本政府観光局(JNTO)は「10月だけで韓国人63万人が訪問し、10月の歴代最高値を記録した」とし「11・12月にもそれぞれ60万人以上の訪問が有力だ」と分析している。汚染水問題も日本旅行の熱気を遮ることはできなかった。汚染水の放流を開始した8月、7月よりも訪問客が10%少なくなって停滞したが、ほどなくして持ち直した」

 

福島処理水放出で8月の韓国人訪日客は1割ほど減ったがすぐに回復している。今年は約700万人が訪日するとみられる。

 

(2)「韓国航空会社は、エンデミックと合わせて日本就航に集中している。11月韓日路線には週1100便が就航した。2019年1月の91%水準だが過去に比べて大型機種が数多く投入され、大都市への就航はむしろ増えたというのがJNTOの説明だ。人気路線トップ3の東京・大阪・福岡の他にも、広島・鹿児島・高松のような地方都市への就航も回復しつつある。航空会社の競争が激しいので航空料も安い。割引行事期間ではないにもかかわらず、12月仁川(インチョン)~大阪航空券を20万ウォン(約2万2775円)台で購入することができる」

 

航空券は、仁川―大阪が12月に約2万3000円である。割引期間でなくても往復5万円で旅行できる。韓国便は、広島・鹿児島・高松の地方都市まで直行している。

 

(3)「ホテル検索の順位も日本が上位を独占している。Booking.comによると、9月18~10月1日に韓国人が宿泊先を検索した都市トップ10のうち日本が半分(東京・大阪・福岡・京都・札幌)を占めた。検索増加率で言えば、上位10位のうち6カ所が日本の都市だった。札幌でも温泉が集まっている「定山渓」、ビーチが有名な沖縄「恩納」など地方の検索量が激増した」

 

韓国での検索は、日本関連が上位を占めている。温泉では「定山渓」、ビーチは「恩納」とツボを心得ている。ただ、日本へ旅行するのでなく、特定地を絞っているのだ。リピーターによる選択は明らかだ。

 

(4)「円安は、過去10年間で最低水準を記録している。11月27日現在で100円876ウォンだ。日本専門旅行会社「テラツアー」のシム・ウォンボ代表は「物価が急騰した韓国と違い、日本は数年間物価が変わらない。100円1000ウォンだったときに比べて、すべての商品が15%安くなったようなもの」としながら「済州島に行って名物の豚の焼肉を食べるよりは日本に行って和牛を食べるほうが安いという話が出るほど」と話した。最近大阪に行ってきたパク・ソンミさん(33)は「2人ですしを食べて5万ウォン(約5700円)だったが、これくらいのクオリティなら韓国で10万ウォン出さなくてはならない」とし「ビールも韓国より10~20%安くて負担ではなかった」と話した」

 

寿司が二人で5700円、ビールが1~2割安。いずれも、円安で起こっている現象であろう。これでは、済州島旅行よりも人気が出るはずだ。

 

(5)「日本は、ショッピング・グルメ・温泉の他にも楽しむテーマがいろいろとあり、地方の小都市ごとに固有の魅力があるという点も強みだ。ハナツアーのチョ・イルサン広報チーム長は「スキー、自転車、ハイキングなどアウトドア市場の潜在力も大きい」と話した。日本航空のキム・ギョンリン韓国支社長は、「日本大都市から42人乗りの小型機に乗って屋久島などのような離島を訪ねる韓国人が急増した」と述べた」

 

日本列島は、南北3000キロもある。北海道と沖縄では気候が全く異なる。そういう意味では、観光スポットに事欠かない。