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韓国地裁は2月5日、サムスングループのサムスン物産と第一毛織の合併(2015年)が、李会長の経営権継承に向けた違法合併とする事件で無罪を言い渡した。このほか、李会長は朴槿恵・前大統領時代の贈賄疑惑以来7年間も被告の身が続いたが、今回の判決で司法リスクは解消した。この間に、世界半導体のサムスンの位置に揺らぎが起っている。 

『朝鮮日報』(2月9日付)は、「7年間続いたサムスン電子の司法リスク、台湾TSMCは1位に 日本も大反撃」と題する記事を掲載した。 

サムスン電子が7年間続いた司法リスクで身動きを取れない間、世界の半導体ライバル企業は素早く動き、世界で影響力を拡大している。台湾積体電路製造(TSMC)は半導体受託生産(ファウンドリー)分野で首位を固め、米インテルや日本のラピダスなど後発メーカーは国家的支援を受け、サムスン電子を激しく追撃している。2030年までにメモリー半導体とファウンドリーを含むシステム半導体の双方で世界首位になることを目標にしているサムスン電子は、より激しい競争に直面することになったと分析されている。

 

(1)「台湾の中央通信はこのほど、投資会社トライオリエントの資料を引用し、「TSMCが創業から36年で世界首位の半導体メーカーになった」と報道した。それによると、TSMCは昨年、半導体を693億ドル売り上げ、米インテル(542億3000万ドル)、サムスン電子(509億9000万ドル)を上回った。2017年にインテルを抜き、首位に立ったサムスン電子が3位に転落したのだ」 

TSMCは、非メモリー型半導体専業である。汎用のメモリー型半導体に比べ、価格が高いメリットがある。受注生産であるから、過剰在庫を抱える懸念もないのだ。TSMCが、世界1の半導体企業に成長したのは当然である。サムスンは、メモリー型半導体であるだけに不利な立場である。 

(2)「TSMCがサムスン電子をリードした背景には、5ナノメートル以下の超微細ファウンドリー工程における圧倒的なシェアがある。スマートフォン、自動運転、人工知能(AI)など最近数年間で需要が急増した最先端製品とサービスに使われる高付加価値の半導体は大半が5ナノメートル以下の工程で作られる。TSMCは、その市場で90%以上のシェアを占める。ファウンドリーの客先が簡単にメーカーを変更しない点を考えれば、TSMCのシェアは今後3ナノメートル、2ナノメートル台の競争でも維持されるとの見方が支配的だ」 

最近、数年間で需要が急増した最先端半導体は、大半が5ナノメートル以下の工程で作られている。TSMCは、この市場で90%以上のシェアを占めるだけに、最も高収益を上げられるポジションだ。

 

(3)「昨年第3四半期のファウンドリーの世界シェアは、TSMC57.9%、サムスン電子12.4%で、差は45ポイント以上に拡大した。業界関係者は「サムスン電子が差を詰めるためには、エヌビディア、AMD、クアルコムなどの大口顧客を誘致しなければならないが、それら企業とTSMCは関係が緊密で、そこに切り込むのは容易ではない。技術力とコストの双方でサムスン電子に十分な競争力があることを示す方法を模索しなければならない」と話した」 

ファウンドリー(受託生産=非メモリー型半導体)のシェアは、TSMCが6割、サムスン1割強と大きく開いている。いったん、受注先が決まれば途中で変わることはない。サムスンの劣勢は定着した。 

(4)「21年にファウンドリー市場への再進出を宣言したインテルも攻撃的な動きを見せている。インテルは米政府の巨額の補助金をバックにアリゾナ、オハイオ、ニューメキシコ、オレゴンの各州にファウンドリー工場を建設している。インテルはドイツにも工場を建設することを決め、日本でも工場建設を検討している。業界関係者は、「インテルは世界で最も半導体ノウハウが豊富な企業だ。25年にサムスン電子とTSMCをリードするというインテルの計画を無視できないのはそのためだ」と話した」 

半導体老舗のインテルが、巻き返しに出ている。海外事務所は50ヵ国以上、製造・研究拠点は8ヵ国17拠点にある。この総合力で、サムスンを追撃する。

(5)「過去にサムスン電子に押され、半導体市場で存在感を失った日本も、大規模な半導体復興計画を実行に移している。読売新聞によると、日本政府はNAND型フラッシュメモリーメーカー、キオクシアの先端工場建設に2400億円を支援する方針だ。サムスン電子と技術格差が小さいNAND型フラッシュメモリーに集中的に力を入れる格好だ。日本の大手企業と政府が共同で設立したにファウンドリー、ラピダスは最近、オランダのASMLと提携し、25年までに2ナノメートル製造プロセスによる試験生産を目指すとした」 

日本も、国策半導体会社ラピダスを立ち上げた。非メモリー型半導体である。汎用品価格の10倍もする半導体(2ナノ)で、27年の量産化で起死回生を期す。こうして、サムスンを取り巻く半導体環境は大きく変わってきた。