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中国は、台湾を威嚇する際に「独立」発言したら、すぐに軍事侵攻すると強圧的姿勢をみせている。だが、現実視点で見た中国の台湾侵攻は、それほど簡単なことでない。ロシアのウクラナ侵攻でさえ、既に2年の歳月がかかっている。ましてや、中国軍は台湾海峡挟んでおり、台湾上陸でさえ困難である。さらに、人民解放軍は汚職が絶えなく規律弛緩が指摘されている中で、鉄の軍紀維持は可能なのか。台湾侵攻して敗北を喫したら、習氏は身の置き所がなくなる。戦争しながら汚職取締りでは、様にならないのだ。

 

これだけではない。台湾は最先端半導体の生産基地である。西側諸国にとっては、台湾が侵攻される事態を黙認できるはずもない。こうみると、習近平氏は、半導体の「護国神山」である台湾侵攻が、「神罰」をもたらしかねない危険性を秘めていることを認識するほかないだろう。

 

『中央日報』(2月10日付)は、「『TSMCの半導体は“護国神山”』中国が台湾に安易に侵攻できない理由」と題する記事を掲載した。

 

台湾内外の専門家は、ひとまず5月20日に予定される総統就任式までの期間に中国の台湾に対する圧迫が強まるとみている。「一つの中国」原則を貫き、新政権の勢いをそごうとするのではないかという見方だ。台湾では2000年から8年ごとに民進党と国民党の間で政権が交代してきたが、民進党の28年にわたる蔡英文総統から親中勢力が政権を譲り受けることを期待した中国は失望が大きかったはずだ。

 

(1)「『フィナンシャル・タイムズ』は、中台関係をロシア・ウクライナ関係と比較したコラムで、「プーチン大統領と習近平主席は、いずれもウクライナと台湾の土地を正当に自国の領土と考えている」とし、「台湾人が自らを『中国人』ではなく中『台湾人』と考える傾向が強まっていることも、北京の懸念が高まる要因だ」と指摘した。ただ、同紙は台湾海峡に戦雲が漂えばロシア・ウクライナ戦争とは異なり、米国が直接参戦する可能性が高く、ロシアの陸上侵攻とは違い、国は台湾という島国に上陸作戦を展開しなければならないと点からみて、台湾とウクライナの運命はそれぞれ異なってくると説明した」

 

中国にとって、ロシアのウクライナ侵攻は、台湾侵攻を思いとどまらせる材料の一つになっている。西側諸国からの経済制裁が、中国を襲うからだ。

 

(2)「経済的側面で中国が「台湾侵攻」のカードを切りにくいとみられる理由に「半導体」がある。台湾も自国企業である世界最大のファウンドリー(半導体委託生産)企業、台湾積体電路製造(TSMC)を「護国神山(国を守る神聖な山)」と呼び、重要事業と位置づけている。半導体は台湾の経済安全保障面で重要との立場だ。頼氏は当選直後、「半導体は世界共通の資産だ」とし、「台湾だけでなく中国と国際社会が共に半導体産業を大切にしてもらいたい」とも述べた」

 

台湾は、世界一の半導体生産基地である。中国は、いかなる理由があってもその台湾を軍事攻撃することの代償を覚悟すべきである。不動産バブル崩壊でふらつく中国経済にとって、さらなる負担には耐えられまい。

 

(3)「中国にとっては、米中対立で半導体需給が困難に直面しており、台湾製半導体は重要にならざるを得ない。世界の半導体サプライチェーンで大きな割合を占める台湾を封鎖したり侵攻したりすれば、中国経済にも被害を与える「両刃の剣」になり、大打撃となるのは避けられないからだ。中国の台湾侵攻は、両国経済に壊滅的な打撃を与えるだけでなく、世界経済にも大きな打撃を与えかねない。ブルームバーグ・エコノミクスは最近、中国が台湾に侵攻した場合、台湾は戦争1年目に国内総生産(GDP)の40%を失い、中国もGDPの16.7%が蒸発しかねないと分析した。両国のGDPへの損害だけでも約4300兆ウォン(約477兆円)に達し、韓国のGDP(約2200兆ウォン)の2倍に相当する」

 

台湾侵攻で、中台双方は1年間で莫大な損害を被る。中国は、その後の長期にわたる経済制裁が重圧となる。

 

(4)「台湾中央研究院の金珍鎬(キム・ジンホ)教授は、「中国はこれまで台湾と片手で握手し、片手で殴るような政策を繰り広げてきたが、台湾に対して強硬策を採るほど台湾の反発をあおり、米国が介入する名分が大きくなるということに気づいている」とし、「中国が自国民のための政治的パフォーマンスとして台湾に対する武力挑発に出る余地は依然としてあるが、経済的利益を考え、融和策を前面に出すと考えている」と話した」

 

中国軍のロケット部隊は、台湾侵攻では先兵になる。その部隊が、汚職の巣になっている。台湾侵攻してもロケット部隊は士気を維持できるのか。戦闘以前の問題(士気維持)を抱えているのだ。