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今年は、朝鮮半島周辺で4月と5月に大きな政治イベントが行われる。4月10日の韓国総選挙と5月20日の台湾総統就任式である。最近の北朝鮮は、韓国へ戦闘的動きを見せているだけに、韓国総選挙の前に、軍事挑発する危険性が強く指摘されている。また、5月20日は台湾総統の就任式である。中国が反対してきた民進党の頼氏が、次期総統であることから、何らかの牽制をする可能性もゼロではない。こうした事態に備えて、米海軍は5隻の空母を西太平洋へ展開させる。

 

『東亜日報』(2月9日付)は、「米空母5隻、4~5月に韓半島周辺に展開」と題する記事を掲載した。

 

米国の軍事力の象徴ともいえる5隻の原子力空母が4~5月ごろ、韓半島付近の西太平洋に集結することが分かった。米国が保有する空母11隻(稼働10隻)のうち5隻がこの地域に集結するのは初めて。4月10日の韓国総選挙と5月20日の台湾総統就任式を前後して緊張が高まる可能性があるとの観測によるものとみられる。

 

(1)「米自由アジア放送(RFA)は7日(現地時間)、米海軍研究所(USNI)を引用し、「5日現在、米空母『ロナルド・レーガン』(横須賀)と『セオドア・ルーズベルト』(グアム)、『カール・ビンソン』(沖縄)の3隻が、韓半島付近の西太平洋に展開された」と明らかにした。また、主に韓半島地域を担当する米第7艦隊所属の「エイブラハム・リンカーン」も5日、カリフォルニア州サンディエゴから出港し、西太平洋に向かった。現在、大西洋にいる「ジョージ・ワシントン」も4、5月ごろ、「ロナルド・レーガン」と交代するために、この地域に移動することが分かった」

 

米国が、保有する空母11隻(稼働10隻)のうち5隻が、西太平洋地域に集結する。これだけで、軍事挑発して圧力を掛けようとする北朝鮮と中国にとっては、身震いする話であろう。強力な米空母の展開を前にしては、中朝の戦力では太刀打ちできないからだ。

 

(2)「RFAによると、5隻以上の米空母が同時に一海域に集結するのは、1990~91年の湾岸戦争以来初めてだという。米海軍報道官は、米空母5隻の同時展開について、「空母の移動は作戦のセキュリティ上の問題であり、今後の作戦については言及しない」と伝えた。米空母の西太平洋集結は、中国と北朝鮮に対する米国の抑止の意思を示すという見方もある。韓国の総選挙と台湾総統就任を前後して、中国と北朝鮮が軍事的挑発を強行する可能性が少なくないためだ。米シンクタンク、ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員は、「5隻の空母が韓半島付近に集結すれば、北朝鮮は恐怖に震えるだろう」とし、「北朝鮮と中国が政治的目的で軍事行動をすることに米韓が相応の対応をする必要がある」と強調した」

 

中国軍が、5月20日の台湾総統就任式後に何を始めるかだ。軍事的威圧を掛ければ、米空母5隻が睨みを効かせるだけに、台湾への影響力は削がれてしまい、とんだ「ピエロ役」に成り下がる。中国としては、なんとも悩ましい事態になりかねないのだ。

 

中国は、横を向いている台湾を統一への話合いでテーブルへ付かせようと必死だ。最近は、中国艦船によって台湾包囲して、「無血勝利」を目指す説まで流れている。

 

『中央日報』(2月11日付)は、「『トランプ氏、ひとつの中国破棄→中国、台湾封鎖』こんなシナリオが流れる」と題する記事を掲載した。

 

中国国防大学の劉明福教授は、習近平主席の軍事ブレーンに分類される。彼の台湾統一戦略が注目される理由だ。2010年の前作『中国の夢』の基本概念は、2012年に発足した習近平政権の核心スローガンに採択されたほどだ。彼は、台湾統一戦争が米国の南北戦争をモデルとしながらも、内戦モデルを跳び超えることを注文する。人類の歴史で前例のない「知能戦」であり「文明戦」、死傷者ゼロの「新型統一戦争」を掲げる。

 

(3)「彼は、「世界の戦争史で上陸作戦は多くの代償を伴った。『中国統一戦争』は上陸モデルと決別する新型作戦で、『戦わずに敵を屈服させる』戦争ではなく、『うまく戦うことにより敵の戦意を喪失させて』『知恵で戦って時の心を壊す』戦争になるだろう」と強調する。「人命死傷がなく、財産の破壊がなく、社会の損害がない大勝利が目標」とも主張した。ただ劉教授の著書には詳しい説明はない。劉教授の「新型統一戦争」を封鎖シナリオと解釈される」

 

中国国防大学の劉教授は、台湾封鎖を「新型統一戦争」と位置づけているという。これは。米空母5隻が、西太平洋へ展開することで威力ゼロとなろう。台湾封鎖の経済的悪影響を受ける関係国が、沈黙しているはずがない。子どもじみた戦術に見えるのだ。

 

(4)「実際に中国は2月1日に行動に入った。中国民航局は台湾海峡で衝突防止の役割をした中間線付近の航路M503の運航を始めた。中間線を無力化し台湾封鎖に一歩進んだ措置と解説される。台湾のある消息筋は「劉教授は情勢や時期が有利ならばいつでも中国が武力行使のタイミングを決めなければならないと主張する」

 

中国が、台湾封鎖をするには事前に動きを察知される。これは、米海軍に対応する時間を与えることでもあり賢明な策ではない。