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春節休暇は例年7日間である。2024年は2月10日から17日の8日間で1日増えている。大晦日にあたる9日は大半の企業や団体が休業としている。国民の多くは、実質9日間の連休が取れる。それだけに、中国政府は「春節景気」での盛り上がりに期待している。

 

しかし、映画興行収入の初期データは、消費者が外出1回当たりの支出を減らしている可能性を示唆している。猫眼娯楽のデータに基づくブルームバーグの算出によると、中国の映画館は休暇期間(8日間)最初の4日間で44億8000万元(約935億円)を稼いだが、昨年との比較では約2%減となった。庶民の財布の紐は、昨年よりも固くなっているのだ。

 

『ブルームバーグ』(2月16日付)は、「中国春節の大型連休旅行活発化ー個人消費持ち直しの兆しも」と題する記事を掲載した。

 

(1)「景況感の低迷とデフレに苦しむ中国で、個人消費が回復する一定の兆しが見えてきた。春節(旧正月)の大型連休中に旅行が活発化し、人出では昨年の水準を大きく上回った。公式発表によると、連休最初の6日間で6100万人余りが鉄道を利用した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータでは2020年以降で最も高い水準で、23年の春節期に比べ61%増となった。HSBCホールディングスのアジア担当チーフエコノミスト、フレデリック・ニューマン氏は、「中国の消費者が動き始めている」と指摘。とはいえ、23年を超えるのは「低いハードル」であることも認識していると説明。昨年の春節期はまだ、新型コロナウイルス感染症の散発的な流行に見舞われていたためだ」

 

中国政府は、春節期間中の国民の国内移動数予測を多めに発表している。コロナに罹って4年目の春節だけに、多めの人出を予想しているのだろう。だが、現実の景気実態は悪く、せいぜい爆竹で鬱憤を晴らす程度だ。

 

(2)「不動産危機の長期化で景況感が悪化し、デフレ圧力が続く中、今年の成長に向け懸念が強まっている経済にとって、この旅行データは歓迎すべきニュースだ。中国の消費者物価は先月、世界金融危機以来最も速いペースで下落。数兆ドル規模に上る中国株売りは、景気の暗さを際立たせている。中国国営メディアは、連休中の道路や空路での旅行に関する幾つかの初期データが昨年よりも改善を示していると報道。商務省を引用したメディアが伝えたところによると、中国の電子商プラットフォームにおけるホテルの売り上げは前年比で60%余り急増した。フードデリバリー大手、美団のオンラインプラットフォームにおける1日の平均消費支出は19年の同じ時期から約36%増えた。同社の報告を引用して上海証券報が伝えたが、実際の消費額は示していない。休暇期の倹約は、昨年の中国祝日に見られたパターンだ。旅行はコロナ禍前の水準を上回ったが、消費者がより安い買い物を求めたため、1人当たりの支出は減少した

 

人出は多くても、消費支出が減少という事態である。雇用不安を抱えて、心から正月を祝う気持ちにならないからだ。春節の大型連休が明けると、公務員の面接試験が本格化する。受験生は、緊張の中で春節を送っている。24年採用で、最も競争率が高い職種の倍率は、3572倍にも達した。宝くじを買うようなものだ。

 

(3)「春節は中国で最も重要な祝日であり、数億人が家族に会うために旅行する。今年は春節の連休が昨年より1日長い。中国は連休明けに比較可能な観光支出データを発表し、消費の伸びを測る最良の指標を提供すると予想される。中国国民の消費マインドは、住宅価格の下落などさまざまな理由で低迷。中国自動車工業協会(CAAM)によれば、1月の乗用車販売台数は前月比26%減少した」

 

1月の乗用車販売台数は、前月比26%減少している。新車に乗って春節を祝おうという人が減っているのだ。