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世界の半導体業界は、AI(人工知能)の実用化にともない、半導体需要が急増している。この好影響を最も受けているのは、エヌピディアとTSMCである。いずれも「台湾系」である。米国ではこれに対抗して、インテルとMS(マイクロソフト)が組んでAI半導体で地盤を築くと宣言。6年以内にサムスンを抜いて、世界2位を奪回するというのだ。 

『東亜日報』(2月23日付)は、「『6年以内に三星を追いつく』インテルの半導体宣戦布告」と題する社説を掲載した。 

米半導体企業のインテルが一昨日、2030年までファウンドリ(半導体受託生産)市場で2位になると公式宣言した。会社名については言及しなかったが、現在2位の三星(サムスン)電子を直接狙ったものだ。直ちにマイクロソフト(MS)と提携し、今年末までに1.8ナノチップの量産に乗り出すと明らかにした。

 

(1)「公言どおりなら、25年に2ナノの量産を計画する三星電子や台湾TSMCより速いスピードだ。1.4ナノの超微細工程も、三星・TSMCと同様に2027年に量産する計画を明らかにした。一昨日、インテルが開催した初のファウンドリ行事は、米国がアジアに奪われたファウンドリの主導権を取り戻すという宣戦布告の場だった。現在、アジアに80%を依存する世界半導体生産の半分を欧米に持ってくるという 

インテルは、半導体草分け企業としてメンツに賭けてもランクアップを図りたいところだ。減産時に、後発のサムスンに振り回されるという屈辱を味わって来た。それだけに、リーディングカンパニーとしての矜持を保ちたいところだろう。下線部には、米国のプライドが現れている。米国経済復活へのテコにしたいのだ。 

(2)「レモンド米商務長官が第2の半導体法を予告し、破格の支援を約束し、MSやオープンAIなど米人工知能(AI)代表企業の最高経営者らも総出動して支援射撃を行った。「半導体は未来の石油」「インテルは米国のチャンピオン」「米国のサプライチェーンの再建」などの発言も出た。2021年3月、ファウンドリ産業に再挑戦した後発走者のインテルが、一気に先頭圏に躍り出ることはできないだろうという見方もある」 

非メモリー半導体(ファウンドリ産業)は、高度の技術を持ちあらゆるユーザーの動向に合わせて技術蓄積している。TSMCは、研究開発部門も24時間3交代制という突貫態勢である。このTSMCを技術でキャッチアップするのは、極めて困難であろう。しかも、日本との連携強化によって設備・素材で最高の供給を受けられる体制を作りあげている。「アメリカンワンチーム」になれば、「日台ワンチーム」もこれに対抗して強化するとみられる。サムスンは、このいずれにも加わらず、どうするのか。

 

(3)「インテルは過去、7ナノ工程でも苦労しており、現在、ファウンドリの市場シェアは1%前後に過ぎない。だが、往年に「半導体帝国」と呼ばれたインテルの底力に、米政府と企業が一丸となった「アメリカワンチーム」の全面的な支援まで考慮すれば、無視できない事態だ。インテルの参戦により、韓国の半導体に赤信号が灯っている。主力メモリー半導体の業況回復がまだ遅い状況で、ファウンドリ市場でややもするとTSMCとインテルの狭間になる危機に直面している」 

サムスンは、国内の「反企業ムード」と戦わねばならない。左派の地方自治体は「反企業ムード」が高く、企業の設備投資へ協力的でない。 

(4)「インテルは、米政府を味方につけている。三星電子の前は茨の道だ。インテルは、米政府から13兆ウォン台の補助金を受け取ることになるという観測が出ているが、三星電子は現在、米国投資に対する補助金の規模などが不透明な状態だ。韓国国内投資に対する税額控除も、やはり競争国に比べて高い法人税率などでその効果は微々たるものだ」 

サムスン電子の監査報告書によると、昨年7~9月期まで保有していたオランダ先端半導体製造設備授業のASML株式158万407株(持ち分比率0.4%)を10~12月期中に全て売却した。ASMLの株価から推計すると、売却により1兆2000億ウォン(約1350億円)前後の資金を手にしたとみられる。サムスン電子は2012年、次世代露光装置の開発協力のためにASMLの持ち分3.0%を約7000億ウォンで取得した経緯がある。それにもかかわらず、ASML株を全株手放したのは設備投資資金調達目的である。『聯合ニュース』(2月21日付)が報じた。できれば、売却したくなかったであろう。苦衷の決断だ。

 

(5)「半導体市場は、急成長が予想されるAI半導体を先取りするための先端技術競争が真っ最中だ。オープンAIを皮切りに投資競争が激しく繰り広げられ、NVIDIAへの依存度を下げようとする多様な合従連衡が進められている。三星電子など国内半導体企業にとって、危機は新たなチャンスになり得る。結局、生きる道は超格差技術の競争力を確保することだけだ。政府も破格の支援と精巧な外交・産業政策で後押ししなければならないだろう。 

エヌピディアが画像処理半導体(GPU)で培った技術は圧倒的である。ライバルが存在しなかったからだ。それだけに、エヌピディアとTSMCの台湾系連合軍を抜くのは困難である。となると、インテルはサムスンを標的にすることになろう。