米EV(電気自動車)大手のテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4月28日、中国の李強(リー・チャン)首相と会談した。マスク氏は、中国との協力関係の深化などについて言及したという。
ロイター通信は、マスク氏が「フルセルフドライビング(FSD)」と呼ぶ運転支援システムを中国で実用化するために、中国の政府高官と会談すると伝えた。マスク氏は4月20日にX(旧ツイッター)に寄せられた質問に答える形で、FSDの中国への導入時期について「すぐに可能になるかもしれない」と投稿していた。
FSDは、車線変更やカーブを曲がる際にスムースに行えるというもので、全自動運転車(レベル5)を意味していない。厳密には、「運転補助役」というところだ。
『ロイター』(4月29日付)は「テスラ、地図情報で百度と提携 中国で自動運転導入可能に」と題する記事を掲載した。
米電気自動車(EV)大手テスラは、中国の公道データ収集で同国インターネット大手、百度(バイドゥ)と提携した。複数の関係者が明らかにした。テスラの運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を中国で導入するための規制上の最後のハードルを克服したことになる。
(1)「イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日から中国を訪問。FSDの導入や海外へのデータ転送の承認について政府当局者らと協議するとされていた。関係者によると、百度は地図関連ライセンスをテスラが利用できるようにすることで合意。百度は車線レベルのナビゲーションシステムも提供する」
テスラは、自動運転実現への過程として中国の地図情報を百度と提携して入手することになった。車線変更やカーブを曲がるときの補助手段である。運転初心者には必要であろうが、ベテランにはどうか。
(2)「中国では、自動運転システムの公道走行を実施するには道路などの地図情報のライセンス取得が義務付けられ、外国企業はライセンスを取得した国内企業と提携する必要がある。百度はライセンスを持つ12社のうちの一つだ。地図関連サービスライセンスによって、テスラはFSDソフトウェアを中国で合法的に運用することが認められる。テスラ車は道路情報、交通標識、近隣の建物など、車両の周辺環境に関するデータを収集できる。収集データの帰属先がテスラか、百度かは現時点で明らかになっていない」
テスラは、FSDソフトウェアを揃えることで、中国ユーザーの関心を引きつけられるとみているのであろう。中国以外の国では、どれだけアピールできるかだ。
(3)「百度とテスラの提携は、2020年初頭にさかのぼる。中国のテスラ車は、スマートフォンで利用可能なものと同様の百度のナビゲーション・マップを搭載している。4月20日、百度は記者会見でテスラを含む複数の企業との提携を発表したが、FSD機能に関する説明はなかった」
テスラは、自動運転に向けて提携を密にするであろう。
『日本経済新聞 電子版』(4月29日付)は、「テスラ、AI開発強化へ1.5兆円投資 自動運転見据え」と題する記事を掲載した。
米テスラは4月28日、2024年に自動運転など向けの人工知能(AI)開発に100億ドル(約1兆5800億円)を投資する方針を明らかにした。同日、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が自身のX(旧ツイッター)で表明した。電気自動車(EV)販売が失速する中、次の柱とするAI関連投資を大幅に増やす。
(4)「マスク氏は、「テスラは今年、トレーニングと推論を組み合わせたAIに約100億ドルを投じる。後者(推論するAI)は主に自動車に投入される」と投稿した。その上で「このレベルの投資をせず、効率的に投資を行っていない企業は(競争に)太刀打ちできない」とコメントしている。テスラは1月に公表した23年12月期の年次報告書で、今後の資本支出計画を明らかにしていた。計画によると24年に100億ドルを超え、25〜26年にはそれぞれ80億〜100億ドルになるとしていた。今回、投資の詳細を具体的に表明した格好だ」
テスラは、完全自動運転車を目指している。アップルが、EVで放棄した夢を追いかけているもの。道路インフラで、全自動運転車走行を可能にする装置を設置しない限り、全自動運転車は不可能とされている。人身事故発生の場合、全自動運転車メーカーの責任となるのだ。テスラは、これほどリスクを伴う事業に立ち向かうとしている。
テスラは、株主に夢を売ってきた企業だ。全自動運転車が、完成するかどうかは二の次である。今後も、夢を売り続ける企業となろう。
(5)「テスラは、EV販売が苦戦する中で自動運転やAIへの投資を増やしている。8月には自動運転タクシー「ロボタクシー」を公表する方針を示している。マスク氏は23日、「監視なしの完全自動運転が可能になれば、(テスラ車の価値が大幅に高まり)すぐに700万台、1000万台、10年で数千万台になる」と表明。開発中の低価格EVを含めた新たな次世代車両をベースにした自動運転サービスの拡大を念頭に置いているとみられる」
マスク氏は、「監視なしの完全自動運転が可能になれば」と夢を語っている。この夢が、多くの熱狂的な株主を引きつけている。マスク氏は、この夢を売るために、AI投資も増やさなければならないのだ。


コメント
国民社会主義労働者党(ナチス)・中国の習近平とテスラのマスクは、非常によく似た関係に見える。
アメリカは第二次世界大戦直前でもギリギリまでナチスと政官財共にズブズブであり、最大貿易国はナチスドイツである。
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