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韓国は、25年から医学部定員を年間2000名増やすという政府の提案に、医学界が猛反発し、17日からソウル大学医学部病院などソウル市内の大型病院5カ所が診療拒否のストライキへ入っていた。だが、世論の猛烈な非難を浴びた結果、ソウル大医学部とソウル大病院の教授らは21日、教授全員を対象に行った投票で、診療を再開することを決めたと発表した。これにより、17日から5日間続いた一斉休診が終了する。医は算術を地で行く醜い姿が世論の反発を買ったもの。自縄自縛という結末である。

 

韓国患者団体連合会、韓国乳がん患者総連合会などの患者団体は21日、医師団体の一斉休診撤回と再発防止法の制定を求める総決起大会を、7月4日にソウル市内で開催すると発表する騒ぎになった。また、公取委までスト調査へ乗り出している。開業医らでつくる医協が18日に一斉休診と総決起大会を主導し、事業者の診療活動を不当に制限する「事業者団体の禁止行為」を行ったと判断による。こうして、医師側もしだいに追い詰められており、ストライキ中止を決めたとみられる。

 

『聯合ニュース』(6月21日付)は、「ソウル大病院の教授らが診療再開へ 一斉休診に非難の世論拡大」と題する記事を掲載した。

 

ソウル大医学部とソウル大病院の教授らは21日、教授全員を対象に投票を行った。投票の結果、回答者の73.6%が休診を中止して「持続可能な方法での抵抗」に切り替えるべきだと答えた。休診を続けるべきだとする意見は20.3%にとどまった。これにより、17日から5日間続いた一斉休診が終了する。

 

(1)「ソウル大医学部とソウル大病院の教授でつくる非常対策委員会は6日、職場を離脱した研修医に対する行政処分の取り消しを求めて無期限の休診を決定。17日から救急・重症・難病患者などを除き外来診療と手術を行わないと表明した。休診には教授の54.8%が参加した。「ビッグ5」と呼ばれるソウルの大型病院のうち、ソウル大病院が最初に無期限休診を強行したことで患者の間に不安が広がり、非難する世論も拡大した」

 

ソウル大医学部は、日本でいえば東大医学部という存在だ。それだけに、ストライキに対する韓国内でのショックは大きく、しだいに「怒り」へと変わった。ストライキのために、ガンなどの緊急を要する手術が次々と延期され、患者側の不安と怒りが頂点に達した。

 

これまで、医師のストライキは行われてきたが、開業医段階であった。大病院は診療を続けていたので救われる部分もあった。今度は、開業医と大学病院が同時ストライキという異常な行動に出たことで墓穴を掘る結果になった。

 

(2)「休診の撤回を求める声が高まり、患者団体の韓国患者団体連合会は、来月4日にソウル市内で大規模集会を開くと発表した。開業医を中心とする大韓医師協会(医協)が主導する一斉休診に参加した医師が、患者から告訴されるなど医療界の集団行動を巡る世論は悪化の一途をたどっている」

 

開業医を中心とする大韓医師協会は、患者から告訴される事態となった。裁判沙汰になると、今後の診療活動にも影響する。これまで「無敵」であった医師が、一転して「被告の身」になるという騒ぎに、動揺が広がっている。

 

『聯合ニュース』(6月21日付)は、医療界の集団行動『我慢の限界』 患者団体が大規模集会開催へ」と題する記事を掲載した。

 

大学医学部の定員を大幅に増やすとした韓国政府の方針に反発し、医療界が集団行動に乗り出してから4カ月以上が過ぎた中、韓国患者団体連合会、韓国乳がん患者総連合会などの患者団体は21日、医師団体の一斉休診撤回と再発防止法の制定を求める総決起大会を来月4日にソウル市内で開催すると発表した。主催側によると、集会には約1000人が参加すると予想される。

 

(3)「患者団体が、街頭で大規模集会を開くのは極めてまれで、過去に1000人規模の集会が開かれたことは一度もない。医師による集団行動は2014年と20年にも行われたが、大規模集会が開催されたことはなかった。しかし、診療の空白が長期化する中で患者の怒りを示すために総決起大会を開くことを決めたという」

 

医師による集団行動は、2014年と20年にも行われた。この時は、政府が妥協したので医師は高をくくっていた。ストライキやれば、政府がひるんで医学生定員2000名増を撤回すると踏んでいたのだ。だが、政府は撤回しないのでストライキへ突入したものの世論の反発で、ついにスト中止を決める結果になった。