中国国家統計局が7月31日、7月の製造業購買担当者指数(PMI)を発表した。それによると49.4で3ヶ月連続好不況の分岐点50を下回った。7月も「不況局面」にある。非製造業PMIのうち、小売業を含むサービス活動を示すPMIも50に低下し、昨年以来の低水準となった。
国民生活は、経済不振で耐乏生活を強いられている。これに反発して「抗議」の声が上がっている。習近平を批判する横断幕が7月30日、湖南省新化県にある歩道橋で掲げられたとする動画がX(旧ツイッター)に投稿された。米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)などが報じた。横断幕には、「独裁、国賊の習近平を罷免する」などと書かれていた。「自由がほしい、民主がほしい、選挙がほしい」と叫ぶスピーカー音も流されたが、抗議者の姿は映っていない。
『日本経済新聞 電子版』(7月31日付)は、「7月の中国製造業景況感、受注伸びず50割れ 3カ月連続」と題する記事を掲載した。
中国国家統計局が31日発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4だった。前月より0.1ポイント低く、3カ月連続で好調・不調の境目である50を下回った。受注が振るわず全体を押し下げた。
(1)「企業の規模別でみると、大企業は前月から0.4ポイント上昇して50.5となり、引き続き50を超えた。中堅企業や民間企業が多い中小零細企業は50を下回った。海外からの新規受注を示す指数は0.2ポイント伸びたものの48.5で、3カ月連続で50に届かなかった。同時に発表した7月の非製造業のビジネス活動指数は50.2だった。6月から0.3ポイント下落した。このうち建設業は前月から1.1ポイント低い51.2だった」
中堅企業や民間企業が多い中小零細企業は、50を下回っている。非製造業のビジネス活動指数は、50.2と50ギリギリの線まで低下してきている。
『ブルームバーグ』(7月31日付け)は、「中国の消費低迷、スタバやユニクロ直撃 倹約志向も外国勢には重し」と題する記事を掲載した。
非製造業PMIのうち、小売業を含むサービス活動を示すPMIも50に低下し、昨年以来の低水準となった。
(2)「消費不振は、米コーヒー店チェーンのスターバックスやフランスの化粧品会社ロレアル、「ユニクロ」のファーストリテイリングなど、すでに世界的なブランドを直撃。各社の売上高を急落させ、株式バリュエーションの重しとなっている。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の中国担当シニアストラテジスト、邢兆鵬氏は、「所得の見通しが暗くなる中で消費者は品質よりも価格に注目している。当局は家計所得を増やす明確な道筋を示していない」と述べた」
中国の消費不振は、米国のスターバックス、フランスの化粧品ロレアル、日本のユニクロなど、世界的なブランドを直撃している。異常事態だ。
(3)「消費の喚起が喫緊の課題であることは、中国指導部も認識している。共産党中央政治局は30日開いた会議で、「経済政策の力点を民生に恩恵をもたらし、消費を促進する方向に転換させる必要がある」との見方で一致。年内の政策において個人消費の促進により大きな重点を置くと表明した。消費不況により、グローバルブランドは需要の落ち込みに加え、同じような製品をより安く販売する中国ブランドとの競争に苦しんでいる」
人民日報は7月31日、習主席が26日に開かれた座談会で「現在、中国の経済発展が一連の困難と問題にぶつかっている」と認めた。ただ、「努力すれば完全に克服できる。発展に対する信頼を確実にし、戦略的集中を維持しながら実質的な高品質発展が効果的という中国経済光明論を唱えるべき」と指示したと報じた。国民の悩みとは無関係な発言である。
(4)「倹約志向もまた、かつて購買力があった中国人買い物客に長く頼ってきた企業の利益や株価、さらには雇用にも打撃を与えている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、アンジェラ・ハンリー氏は、「消費者が洗練され、消費に対してより慎重になるにつれ、事業の成長を促進する上で、どこで生まれたブランドかということはあまり重要ではなくなっていくかもしれない」と語った」
倹約志向のあまり、品質を保証するブランドと無関係に「安いかどうか」が消費基準になっている。深刻な事態を迎えている。
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