a0960_008564_m
   

(5)「トランプ氏が、バンス氏を伴走者に選んだことで守勢に立たされた。バンス氏を巡っては、ハリス氏を含む一部の民主党議員を「子どものいない猫好きおばさん」と呼んだ過去の発言を巡り、否定的な報道が相次いだ。共和党全国委員会と選挙陣営には、バンス氏が選挙戦で足を引っ張るのではないかと懸念する一部献金者からの問い合わせへの対応に追われている。情報筋2人が明らかにした」

 

バンス氏の「子どものいない猫好きおばさん」発言は、超党派で批判されている。女性有権者を敵に回したのだ。

 

(6)「トランプ氏はと言えば、ハリス氏の政策的立場に焦点を当てるのではなく、同氏を個人的に侮辱する罵詈雑言(ばりぞうごん)を展開。そうした「口撃」はハリス氏よりもむしろトランプ氏への反感につながっている。情報筋らによると、献金者や側近らは困惑し、警戒したという。その3日後、トランプ氏は激戦州ジョージアで人気の高いブライアン・ケンプ共和党知事を集会で攻撃。有権者の支持を獲得するために力を借りる必要のある知事を敵に回してしまった可能性がある。トランプ氏はまた、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」上で、理解に苦しむ投稿を重ねている。6日には、バイデン氏が民主党の大統領候補に復帰するのではないかとからかった」

 

トランプ氏は、ハリス氏を口撃することで、その矛先が本人に向うという「悲喜劇」を演じている。激戦州であるジョージア州共和党知事が、トランプ氏へ忠節を誓わないという理由で口撃する始末だ。これでは、トランプ票は逃げてしまうだろう。

 

(7)「選挙広告費を調査するアドインパクト社によると、激戦州ではトランプ氏が広告費支出で負けている。同社のデータでは、7月22日以降、ハリス氏側の支出は1億1200万ドル、トランプ氏側は7010万ドルだ。勝敗の鍵を握るとみられるペンシルベニア州では両陣営の支出が拮抗している。ハリス氏が登場するまでは共和党が安泰と見られていたノースカロライナ州で、トランプ氏陣営が新たに多額の広告費を投入したことが、おそらく最も多くを物語っている。トランプ氏陣営の資金調達に携わるジャスティン・セイフィー氏は「ハリス氏がノースカロライナ州をあきらめることを期待して、彼らは資金を投入している」と語った。だがハリス氏陣営は、すでに同州で動き出している」

 

ハリス陣営は8月2日、7月に3億1000万ドルの献金を集めたと発表した。これはトランプ陣営が7月に集めた献金額1億3870万ドルの2倍以上になる。ハリス氏は、小口献金が増えている。ハリス氏と撤退前のバイデン氏が集めた献金は、合計で10億ドル以上。ハリス陣営は史上最速で10億ドル超えを達成したと表明している。こうした、献金額にみるハリス陣営の人気は、トランプ陣営にとって侮りがたいものがある。