韓国左派メディアは、いまなお執拗に日本へ謝罪を求めている。日本がこれに応じず、韓国側で日本との友好姿勢を取ると、韓国は日本の植民地であると非難している。これほどまでに「韓国植民地論」を言い募って、自らを卑下することにならないのか。韓国版「自虐史観」を展開しているのだ。
日韓を取巻く国際情勢は、今や大きく変わった。中国の台湾侵攻が起これば、日韓ともに大きな影響を受ける。中朝ロが、台湾侵攻時に同一軍事行動を起こす危険性が取り沙汰されている中で、韓国は「日本植民地論」を振りかざして、日米と別行動取れるのだろうか。在韓米軍の後方基地は、全て日本に存在している現実を全く忘れている。韓国を防衛する基地が日本に存在することは、形式的に日本が韓国の「植民地」である。こういう狭量な議論は日本にないが、韓国左派メディアも視野を広げた議論をすべきだろう。
『ハンギョレ新聞』(8月31日付)は、「『新植民地』大韓民国」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のキル・ユンヒョン論説委員である。
(1)「『共に民主党』のキム・ミンソク最高委員(当時)は、日本が韓国を「ホワイト国(輸出審査の簡素化対象国)」から排除する措置を取ったことで、韓日の対立が最高潮に達した2019年8月8日、次のように発言した。「安倍(晋三)首相の意図は、(韓国との)政治的対立を通じて改憲と政権復帰に向かうことだ。これは経済的・政治的侵略であり、一方だけを強調してはならない。(日本との現在の対立は)過去の歴史と関連しており、未来の政治とも関連している」
「共に民主党」は、左派である。韓国では進歩派という位置づけだが、リベラリズムでなく左派イデオロギーが強烈である。「反日米・親中朝」を鮮明にしている。
(2)「キム最高委員はこの日、日本に対して抱いている不信感をありのままに表し、この問題をどうやって解決するかに国と政権の命運がかかっていると述べた。「この問題に国の命運がかかっており、これをきちんと解決できるか否かに政権の命運がかかっている。安倍政権で誰かが『文在寅(ムン・ジェイン)政権を交代させなければならない』と言うならば、私はこの問題は安倍政権が退くことで終わることになると言いたい」。あれから5年の歳月がたち、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の絶え間ない「奸悪さ」を見続けなければならない今に至ってみると、韓日対立の苦痛に満ちた「本質」をここまで正確に突いた分析は他になかったという気がする」
韓国の政治は、国民が支配している。日本国民に選挙権がない以上、韓国政治の変化は、韓国国民の選択によるもの。左派にとって不都合なことは、韓国国民が選択した道である。日本批判は当らない。
(3)「当時の戦いは、韓日両国の過去(歴史)と未来、すなわち「すべて」をかけた存在論的な戦いだったのだ。残念ながら敗れたのは安倍ではなく文在寅政権であり、その結果、韓国は歴史を忘れ(最高裁判決に対する一方的な譲歩案、佐渡鉱山外交惨事)、大韓民国の国家アイデンティティを自ら否定し(建国節、日本による植民地時代の日本国籍論議)、日米同盟の下位パートナーに成り下がり軍事協力(キャンプデービッド宣言)に追い込まれるという状況に至った」
韓国は長いこと、米韓同盟が日米同盟よりも上位にあると自慢してきた。それが大転換したのは文政権末期である。韓国が、「クアッド」(日米豪印)のインド太平洋戦略対話へ参加を拒否した結果、日韓の関係が逆転した。米国は、日本を英国に並ぶ同盟国と位置づけたのだ。韓国左派政権が選んだ道である。日本に責任はないのだ。
(4)「韓日の運命がかかった決定的な勝負所は、2019年2月末、ベトナムのハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談だった。この敗北(失敗)は、金大中路線の破綻につながった。その結果、登場した尹錫悦政権は、安倍首相が夢見た秩序を韓国に積極的に移植し続けている。いま重要なのは、韓国国民でなく「日本の気持ち」(キム・テヒョ国家安保室第1次長)であり、韓国が解決しなければならない時代的課題は、米日の戦略観に盲目的に従い「新冷戦」の最前線に小銃を持って飛び込むことになった。これは洗脳された「植民地人の心構え」と評価できるが、尹錫悦政権をこれほど絶妙に描写する表現は他に思いつかない。私たちが知る大韓民国は、どこへ行ったのか。一歩踏み込む場さえない」
尹錫悦政権は、韓国の大統領選で誕生したものだ。日本には、何の関わりもないことである。尹政権が、日本との関係改善に動いたのは韓国国民が選んだ道である。東北アジア歴史財団が韓国リサーチに依頼した世論調査では、韓国の若年世代が圧倒的に日本へ好感を持っている。『朝鮮日報』(8月15日付)が報じた。
韓国人男性の25~29歳の74.8%が日本に好感を持っている。また、18~24歳の韓国人男性は71.1%が日本に好感を持っている。18~39歳の韓国人男女の57.3%が日本に対して好感を持っているのだ。一方、中国に対して好感を持っている割合が10.1%にとどまった。日本への好感度は、中国の5倍以上に達している。
こういうデータをみれば、韓国が日本の植民地であるという認識は成立しない。多分に、イデオロギー的な「反日論」の色彩が強い。


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