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中国が8月31日、8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表。49.1だった。前月より0.3ポイント低く、4カ月連続で好調・不調の境目である50を下回った。受注が振るわず生産も悪化したのが響いた。

 

『ブルームバーグ』(8月31日付)は、「中国の製造業活動、4カ月連続で縮小 逆風強まり成長目標達成困難か」と題する記事を掲載した。

 

中国の製造業活動が8月に4カ月連続の縮小を示した。同国が今年の経済成長目標の達成に苦戦する可能性があらためて示された。

 

(1)「国家統計局が、8月31日発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.1と、前月の49.4から低下した。ブルームバーグ・ニュース調査のエコノミスト予想中央値は49.5だった。活動拡大・縮小の境目は50。2023年4月以降、50を上回ったのは計3カ月のみとなっている」

 

新規受注は、前月より0.4ポイント下がって48.9となった。4カ月連続で50を下回った。新規受注が、このように不振であるのは経済活動そのものが縮小過程へ入っていることを示している。これを打破するには、財政支出の拡大しかないが、習近平氏の了承が得られず混迷の度を深めている。生産は0.3ポイント低い49.8で、6カ月ぶりに50を下回った。新規受注減が、生産へ波及してきた。

 

(2)「長引く不動産不況が、消費者と企業に打撃を与える中、中国経済は苦戦を強いられている。利下げを含む最近の政府による景況感改善を目指す取り組みも、事態を好転させるには至っておらず、同国は成長目標達成に向け引き続き製造業と輸出に依存している。ただ、米欧との貿易摩擦の高まりに伴い、製造業への逆風は強まっている。習近平指導部は5%前後の24年国内総生産(GDP)成長目標を掲げているが、エコノミストによれば、この目標を実現するには、インフラ整備などのプログラムへの支出を加速させる必要がある」

 

内需不振を輸出増でカバーしているが、これも限界点に達してきた。各国が自国産業保護で関税率の引上げをしているからだ。習氏は、「三種の神器」(EV・電池・ソーラーパネル)の輸出攻勢をかけてきたが、その効果は消えてきた。

 

(3)「ピンポイント・アセット・マネジメントの張智威社長兼チーフエコノミストは、「財政政策のスタンスは依然としてかなり景気抑制的で、これが経済の勢いを弱める一因になっている可能性がある」とし、「経済安定化を達成するためには、財政政策スタンスをより支援的にする必要がある。米経済が減速しつつあるため、輸出は今年前半ほど信頼できる成長源にならない恐れがある」と指摘した」

 

中国は、政策転換へ向けてギリギリの線に立っている。習氏が、この段階でも財政政策拡大を阻止するか否かだ。財政赤字が拡大しても、その「使い道」が有効であれば、格付け会社も前向きに評価するはずだ。何もしないで、経済が縮小過程へ嵌まり込むことは最悪である。

 

(4)「国家統計局の趙慶河氏は発表文で、今回の製造業活動の縮小について、高温や豪雨、一部の産業における季節的な生産停滞が原因だと説明した。建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは50.3と、前月の50.2から上昇した。夏休みシーズンの消費に支えられたと統計局は説明。エコノミスト予想は50.1だった」

 

中国は、異常気象で大きな被害が出ている。過去の環境無視政策の「しっぺ返し」とも言える局面である。精神論で現在の苦境を乗切ることは不可能だ。習氏は、現況を「第二の長征」(1934~35年)に喩えており、毛沢東理論で乗切ろうとしている。これが、いかに非現実的であるか、近く証明されるはずだ。