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左派メディアが、石破新首相が韓国へ「謝罪」してくれるかと期待している。日本の首相は、就任に当たり先ず韓国へ謝罪するのが普通という認識である。国家間の謝罪は、個人のケースと異なり一度、行えばそれで済むもの。韓国の「期待」は、常識とは異なっているのだ。

 

『ハンギョレ新聞』(9月30日付)は、「石破首相、韓日の新たな出発点は日本の謙虚な歴史認識」と題する社説を掲載した。

 

27日に自民党総裁に選出された石破茂氏が、10月1日に日本の102代目の首相に選出される。石破総裁は、韓国人には安保問題に専門的見識を持つ保守政治家として知られている。歴史問題についても「政治的ライバル」だった安倍晋三元首相とは異なり、何度も合理的な見解を明らかにしたことがある。

 

(1)「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「譲歩外交」を通じて改善された現在の韓日関係は、いつでも崩壊しうる「苦労して築いた砂上の楼閣」のようだ。石破新首相には、韓日関係の持続可能な発展のために「最小限のコップ半分」を満たす謙虚な歴史認識を示してくれることを期待する。今回の自民党総裁選挙は、78カ月間続いた「安倍1強」政治の弊害が積み重なって発生した自民党の政治資金問題で、岸田文雄首相が突如として不出馬を宣言した中で行われた。そのため、国内懸案の攻防が主で、韓日関係や歴史認識などは争点にならなかった」

 

日本政治において、日韓問題が争点になることはない。日本の対韓国観は、ほぼ一様である。歴史問題は終わったということだ。

 

(2)「それなりに韓国で関心を集めたのは、石破総裁の「アジア版北大西洋条約機構(NATO)構想」だった。政策集には、「法の支配に基づく国際規範を形成し、地域の多国間安全保障体制の構築を主導します(アジア版NATO)」という内容がある。この構想は、27日に発表された米国のハドソン研究所への同氏の寄稿に、より明確に示されている。石破氏は「現在のウクライナは明日のアジア」だとし、中国を抑制するために、加盟国が侵略されれば全加盟国が力を合わせて対応する集団安全保障体制がアジアにも必要だと主張する」

 

アジア版NATOは、実現は困難であろう。米国は、同盟国と個別の防衛協定で代替する意向が強まっているからだ。日本は、韓国と組むよりも豪州やフィリピンと協力関係を深めた方が安定した関係が維持できる。韓国の左派は、「一筋縄」で行かない難しい存在だ。

 

(3)「この寄稿には、日米同盟を双務的なものにするための日米安保条約の改正、それにともなう自衛隊のグアムへの配置、アジア版NATOレベルの核共有と核の持ち込み(戦術核の配備)などの検討を求める、などの破格の内容が記されている。この構想は、韓国でも物議を醸さざるを得ない。歴史問題でもはや謝罪と反省を語らなくなった日本の、中国を排除して韓国と事実上の軍事同盟(集団安保体制)を結ぼうという意見に同意する韓国人は、ほとんどいないだろう。この問題が本格化すれば、韓日の摩擦は避けられない

 

下線こそ、日本が韓国と防衛で組めない理由だ。韓国は、独自で防衛構想を立てればいいだろう。

 

(4)「歴史問題に関しては、石破総裁が今回の選挙を前に発表した著書『保守政治家 わが政策、わが天命』には、「合併がどれほど相手国の国民の自尊心とアイデンティティーを傷つけたかについて理解することなしに、韓日の真の信頼関係を構築することはできない」と記している。持続可能な韓日関係のための第一歩は、石破総裁自身の言う通り、日本の謙虚な歴史認識だ。石破首相の前向きな決断を期待する」

 

韓国左派は、永遠に日本へ謝罪を求めることで、自らの「レゾンデートル」(存在意義)を維持している。日本は、付き合いきれないのだ。