上海総合指数は、9月24~30日で21.3%もの急騰を演じた。政府の経済対策を好感したもので、この先はどうなるのか。7日までは国慶節の大型連休で市場は休場である。野村ホールディングスは、かなり悲観的な見方をしている。株価上昇は、2015年の再現ですぐにブームからバースト(破裂)に変わる可能性があると警告する。一過性の急騰に過ぎないのだ。根拠は、中国経済のファンダメンタルズが良くない点にある。経済の実勢悪で引き戻されるというもの。
『ブルームバーグ』(10月7日付)は、「中国株への懐疑的な見方強まる、世界トップの株高の持続性を疑問視」と題する記事を掲載した。
中国株は世界トップの成績を上げているが、世界のファンドマネジャーやストラテジストの多くを納得させるまでには至っていない。インベスコやJPモルガン・アセット・マネジメント、HSBCグローバル・プライベート・バンキング・アンド・ウェルス、野村ホールディングスなどは、最近の反発局面を懐疑的にみており、中国政府が景気刺激策の公約を実行するかどうか見極めようとしている。多くの銘柄がすでに割高な水準に達していることを懸念する声もある。
(1)「相次ぐ経済・金融・市場支援策で投資家の信頼感が回復し、中国株は9月下旬から急騰している。中国本土銘柄から成る香港株の指標ハンセン中国企業株(H株)指数はこの1カ月で30%余り上昇し、ブルームバーグが追跡する90余りの株式指標の中で世界最高のパフォーマンスを遂げている。インベスコの香港・中国担当最高投資責任者(CIO)、馬磊氏は「短期的にはセンチメントがオーバーシュートする可能性があるが、ファンダメンタルズに回帰するだろう」と語った。「この上昇の影響で、一部銘柄は実際に、歴史的な高水準に過大評価されている」と指摘した」
景気の現状が芳しくない以上、株価は現実へ引き戻される。
(2)「中国政府が発表した景気刺激策には、金利引き下げや市中銀行の預金準備率の引き下げ、巨額の株式流動性支援、不動産価格の長期下落を終わらせるとの表明が含まれている。持続可能な株高を支える楽観的な見方はたくさんあるが、過去には「偽りの夜明け」が何回もあり、直近では2月の株高が完全に巻き戻された。インベスコの馬氏は、今年に入り比較的数少ない中国強気派の一人だったが、今は投資を急ぐ必要はないという」
中国経済は、金融緩和だけで回復軌道へ乗れる状況でない。「流動性の罠」に陥っており、金融緩和の効果が出にくい事態へ落込んでいるのだ。
(3)「JPモルガン・アセット・マネジメントも慎重だ。香港在勤のアジア太平洋地域チーフ・マーケット・ストラテジスト、タイ・フイ氏は「経済活動と信頼感を押し上げるためには、追加的な政策措置が必要だろう。これまでに発表された政策は、レバレッジ解消プロセスを円滑に進めるには寄与するが、バランスシート修復がまだ必要だ」と述べた。フイ氏は世界的な不確実性も指摘。「米国の選挙を1カ月後に控え、多くの投資家は、中国を経済的・地政学的にライバル視する米国の見解は超党派のコンセンサスであると主張するだろう」と指摘。「外国人投資家は、経済データが底を打ち、この新しい政策の方向性が固まるのを待つことを選ぶかもしれない」と続けた」
政府は、大型財政出動を回避しており、コストのかからない金融緩和でお茶を濁している。ここを見抜かれている。
(4)「HSCBCグローバル・プライベート・バンキングは、中国が講じた措置が長期的な成長見通しの鈍化を覆すには十分でないと引き続き懸念している。香港在勤のアジア担当CIO、チューク・ワン・ファン(范卓雲)氏は、「回復の勢いを持続させ、5%という2024年の国内総生産(GDP)成長率目標の達成に向けて成長を補強するには、より大幅な財政緩和が必要だ」と主張。「中国のGDP成長率は2024年の4.9%から25年には4.5%に減速するとの予想に基づき、今のところ中国本土と香港の株式投資判断を中立で維持している」と指摘した」
25年のGDP予測は4.5%成長と減速する。じり貧状態へ陥っている。
(5)「野村ホールディングスはかなり悲観的な見方をしており、株価上昇はすぐにブームからバーストに変わる可能性があると警告する。香港在勤の陸挺氏率いる野村ホールディングスのエコノミストは、最も悲観的なシナリオとして「2015年と同様に株式市場の熱狂の後に大きな値崩れが起きる」想定を示し、より楽観的シナリオと比べ「はるかに高い確率」で起こり得ると分析した」
2015年と同様に、株式市場の熱狂の後に大きな値崩れが起きると警戒している。経済の実勢悪が控えているからだ。


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