半導体メモリーの一つ、DRAMの9月の大口取引価格が、1年5カ月ぶりに下落した。内外でパソコン(PC)やスマートフォンの実需の鈍さが影響しているという。DRAM市況が下落となれば、世界トップのサムスンの業績へ跳ね返るのは必至である。
サムスン株は、10月16日に心理的なマジノ線である1株=6万ウォン台(約6600円)が崩れた後、引き続き株安が続いている。21日の終値は5万9000ウォンである。世界的な半導体株の上昇局面でもサムスンは圏外に放置されてきたのだ。競争力が急激に悪化し、投資家の信頼が下落したためだと分析されている。DRAM市況の下落は、サムスンにとって痛手となろう。
『日本経済新聞 電子版』(10月21日付)は、「DRAM大口、1年5カ月ぶり下落 PC・スマホ不振で」と題する記事を掲載した。
DRAMは、PCやスマホ、データセンターのサーバー機器などに組み込んでデータの一時保存に使うメモリーだ。大口取引価格は売り手のメモリーメーカーと、買い手のデバイスメーカーやモジュールメーカーが月ごとや四半期ごとに決める。9月の大口取引価格は、指標となるDDR4型8ギガ(ギガは10億)ビット品が、1個2.04ドル前後だった。容量が小さい4ギガビット品は、同1.57ドル前後。いずれも前月比で3%安い。前月比での下落は1年5カ月ぶりだ。
(1)「DRAMは、約50%がPCとデータセンターのサーバー機器、約35%がスマホ向けとされる。個人向けを主とするPCやスマホの需要が振るわず、値下がりで価格交渉が決着した。米調査会社IDCによると、2024年7〜9月世界パソコン出荷台数(速報値)は6880万台で前年同期から2.4%減った。DRAMは、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米国のマイクロンテクノロジーが大手3社」
DRAMの需要先は、PC・サーバー機器・スマホで85%も占めている。このうち、PCとスマホの需要が振るわない。
(2)「大手3社は、指標品のDDR4型の次世代品にあたるDDR5型のほか、DRAMを積層してつくる、生成AIの駆動に必要な「広帯域メモリー(HBM)」の生産にシフトしている。「2024年12月期決算を前に、大口取引価格を下げて手元のDDR4型の在庫を減らそうとする動きもある」(エレクトロニクス商社の担当者)ようだ。大手4位以下の企業も価格を下げて対抗しているとみられる。PCやスマホに組み込まれるDRAMは現状、DDR4型とDDR5型が混在している。一部では「来年あたりに、DDR4型の生産を止めるのではないか」(別のエレクトロニクス商社の幹部)との見方もあった。加えて、中国のDRAM大手が大型投資を検討しているとの観測も業界内で流れており、供給量の増加に伴うDRAM相場の先安観を警戒する声も聞かれる」
DRAMは、汎用半導体である。中国のDRAM大手が、大型投資を検討しているとされており、先行き価格はさらに軟調が予想される。
(3)「前述のエレクトロニクス商社の担当者は、「中国は半導体の内製化を進めており、同国の一部企業は供給枠をすでに確保している」と明かす。日本のある半導体製造装置メーカーは「DRAM用製造装置は、中国を含む海外向けの需要が増えている」と話す。英調査会社オムディアの南川明シニアコンサルティングディレクターは、「中国企業は米国の規制により装置が買えるかどうかわからない状況」としながらも、「仮に購入可能であるとすれば、供給量の増加により、将来的なDRAM価格の低下につながる可能性がある」と予測する」
専門家は、将来的なDRAM価格が低下すると予測し始めている。サムスンにとっては、ますます状況が不利になってきた。
『東亜日報』(10月19日付)は、「TSMCが疾走する中、三星電子は酷寒期 外国人投資家が28日間売り越し」と題する記事を掲載した。
外国人投資家らが、18日も三星(サムスン)電子の株式を売却し、連日最長期間の売り越し記録を塗り替えている。世界最大手のファウンドリ企業、台湾TSMCの「アーニングサプライズ」(予期せぬ業績)でグローバル半導体業況に対する懸念が一部解消されたが、韓国国内の代表半導体企業である三星電子のみ、酷寒期を迎えているという評価が出ている。
(4)「グローバル半導体の買い場でサムスン電子が疎外されたのは、競争力が急激に悪化し、投資家の信頼が下落したためだという分析が出ている。韓国投資証券のチェ・ミンスク研究員は、「現在、サムスン電子はメモリーやファウンドリなどすべての事業競争で遅れを取っており、この問題が短期間で解決されるとは思えない」と説明した。今後の株価の予測も明るくはない。証券会社のアナリストは、「今の株価が歴史的底値だとしても、株価を引き上げる上昇モメンタムを見つけることはできない」とし、「競争力確保策の輪郭が出てきても、それが株価に反映されるまでは時間がかかるものと見られる」と話した」
サムスンは、韓国株式市場で時価総額1位の企業である。そのサムスンの株価が低迷している。韓国経済の将来への悲観材料にもなっている。


コメント
コメントする