韓国では、中国が「半導体を除けば韓国に追い付き、大半は追い越した」と危機感を強めている。唯一、中国に対して優位性を持つ半導体も低級品では追いつかれ始めている。韓国輸出で最大の品目であるメモリー半導体では、7~9月期に対中輸出比率が12年ぶりに40%台を割りこんだ。にわかに、警戒感が強まっている。
『東亜日報』(10月28日付)は、「メモリー半導体の中国向け輸出が12年ぶりに40%台を割り込む」と題する記事を掲載した。
韓国最大の輸出品目であるメモリー半導体の輸出で中国が占める割合が、12年ぶりに初めて40%台を割り込んだ。これにより、第3四半期(7~9月)の輸出が前期より0.4%減少した。
(1)「韓国の7~9月期のGDP成長率は、前期比0.1%にとどまってショックを受けた。これは、半導体の中国向け輸出の割合が減ったのが原因の一つに挙げられている。過去のようにメモリー半導体の中国向け輸出が活発であれば、第3四半期の輸出減少幅が縮まっただろうという分析も出ているほどだ」
韓国経済は、メモリー半導体輸出に大きく依存している。韓国半導体の限界は、余りにもメモリー半導体へ特化し過ぎている点にある。ただ、非メモリー半導体(受託生産)では技術的に歩留まり率が低く赤字になっている。ライバルのTSMCには、とうてい及ばないのだ。それだけに、中国のメモリー半導体国産化が進むと、韓国は対中輸出が減って大きな痛手を被ることになる。その対策(非メモリー半導体への進出)が急がれている。ただし、技術の壁だけに解決策は簡単に見つからない悩みを抱えている。
(2)「27日、東亜(トンア)日報が韓国貿易協会の輸出入統計を分析した結果、今年1~9月に中国が韓国メモリー輸出に占める割合は37.9%だった。年明けまでは40%台を維持していたが、6月に39%へと下がった後、引き続き減少する傾向を見せている。2022年と2023年の割合はそれぞれ51.4%と44.7%だった」
半導体の対中輸出比率は、年初までは40%台を維持していた。それが、6月以降40%台を割込んだままでむしろ減少しているという。これは、中国の輸入代替化が進んでいる結果とみられる。となると、事態は楽観できなくなる。中国は、レガシー(旧型)半導体の増産に力を入れているからだ。いずれ、輸出する方針であるだけに今後は、韓国への影響が避けられない情勢だ。そうなると、「40%台割れ」どころか、「30%台割れ」の事態にもなる。韓国の対中半導体輸出は、すでに「黄金期」を過ぎた。
(3)「この10年間、中国が占める割合は市況が良い時は50%台を記録し、悪くても40%以下に落ちなかった。これまでに30%台を記録したのは、半導体不況期だった2012年の37.7%であった。中国の景気減速が長期化し、レガシー(旧型)半導体を中国が直接作る自立政策の効果を顕してきたと分析されている。中国経済金融研究所のチョン・ビョンソ所長は、「中国がますますレガシー半導体の生産を増やし、韓国半導体に対して挑戦するだろう」とし、「結局、高帯域幅メモリ(HBM)のような先端半導体の開発だけが生き残る道だ」と話した」
高帯域幅メモリー(HBM)半導体は、サムスンが2019年に開発計画を放棄したことが現在、大きな禍根になっている。サムスンが開発を放棄したことで、研究スタッフはSKハイニクスへ移籍して完成させた。これによって、SKのドル箱になっているが、肝心のサムスンは製品化できず、みすみす輸出チャンスを逃している。
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