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韓国国会は14日午後4時に本会議を開き、尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案を票決する。大統領弾劾訴追案は、在籍議員の3分の2(200人)以上が賛成しなければ可決されない。

与党「国民の力」は、現在も「弾劾案反対」の立場を維持している。だが2回目の票決を前に、公開もしくは非公開で「弾劾訴追賛成」の立場を明らかにした与党所属議員が8人を超えていることが分かり、可決の可能性があるという分析が出ている。逆に、親尹(尹大統領に近い)系では「まだ弾劾訴追案を通過させる時期ではない」として総力を挙げて与党所属議員らの説得に入っており、可決されるかどうかは速断できない、という声もある。『朝鮮日報』(12月14日付)が報じた。

尹大統領は12日、国民に向けた談話で「弾劾訴追を恐れない」と強硬姿勢をみせている。この裏には何があるのか。最大野党「共に民主党」代表の李在明氏が、一審で有罪判決を受け、10年間は被選挙権を奪われることになった点がポイントだ。李氏は目下、控訴審に移っている。この判決日程後に、尹氏は辞任するスケジュールを立てているともみられる。李氏の大統領選立候補を阻止したいのだ。

『朝鮮日報』(12月12日付)は、「『非常戒厳を宣布するほかなかった状況を弾劾審判で疎明したい』 憲法裁の判断に期待する尹大統領、共に民主・李在明代表の裁判日程も考慮か」と題する記事を掲載した。

尹錫悦大統領が保守系与党「国民の力」から提案された来年2~3月の早期退陣ではなく、弾劾訴追されてでも法的対応を取る側を選んだ背景を巡って、韓国政界では幾つかの解釈が出ている。大統領府周辺の人物は、表面的な理由として「大統領は、非常戒厳を宣布するほかなかった切迫した状況を憲法裁判所の弾劾審判の過程で疎明したい、という意志が強いようだ」と説明した。これと併せて与党側からは「尹大統領が、弾劾審判を受ける方が下野よりも政治的に有利という判断をしたらしい」という声も上がっている。

(1)「尹大統領は最近、弁護人を物色しつつ、憲裁での弾劾審判など法律的な争いの準備をしているといわれている。大統領府の事情に詳しい与党側の関係者は「内乱の容疑くらいは脱したい、と大統領は思っているようだ」と語った。非常戒厳事態の後に大統領と会ったというある議員は「大統領は『民主党の高位官僚無差別弾劾や予算案における一方的削減などを憲政秩序に対する暴挙と思った。政府転覆の危機感があったので、合憲的な範囲内で非常戒厳を宣布した』と語っていた」と伝えた。尹大統領は、憲裁で民主党の行いについて具体的に説明したいと考えているといわれる。そうすることで、「戒厳軍を国会などに入らせたが、内乱目的はなかった」という点を掲げて法廷で争う気だと伝えられている。

尹大統領は、憲法裁判所で「共に民主党」の国政渋滞戦術の実態をつぶさに説明して法的判断を得たい立場とされる。尹氏がなぜ、あのような「非常戒厳」行為を行ったのか、理由を聞きたいものである。内乱目的はなかったとしており、非常戒厳を6時間で解除したことで説明するのだろう。法的にはどのような解釈が下されるのか。

(2)「韓国政界では、尹大統領が最後まで任期を務め難い場合、早期の大統領選挙の時期がいつになるかという観点からも「来年2~3月の下野」よりは弾劾の方が有利だと判断したらしい、という分析が出ている。韓国国会が弾劾訴追案を通過させたら、憲裁は事件の受理から180日以内に決定を宣告しなければならない。憲裁がもし弾劾を認めたら、決定宣告の翌日から60日以内に大統領選挙を行わなければならない。国会で弾劾案が可決されて憲裁で最長の期間の審理が行われたと仮定すると、次期大統領選挙は来年7~8月に行われることになるかもしれないのだ。国民の力から提案された「早期退陣ロードマップ(来年4~5月に大統領選挙)」と比べると、弾劾手続きを経る方が2カ月以上も時間を稼げる、とみているのだ」

法的に弾劾が行われる場合、次期大統領選挙は来年7~8月ごろに想定される。どうなると、次期大統領の座を目指す李在明氏の裁判日程からみて、李氏の判決が出ているとみられる。

(3)「状況は異なるが、民主党の李在明代表も時間に追われているのは同じ。李代表は11月、選挙法違反事件の一審で懲役1年・執行猶予2年を言い渡された。控訴審・上告審でこの判決の通り確定したら、10年間は被選挙権が剥奪され、大統領選挙に出馬できない。選挙法は、一審の宣告後、控訴審・上告審がそれぞれ3ヶ月以内に行われなければならない、と定めている。来年上半期中に、少なくとも李代表の選挙法違反事件控訴審の結果は出るかもしれないという話だ。これに関連して、一部の親尹(尹大統領に近い)系の議員らは、尹大統領に「弾劾審判で耐えて、早期大統領選挙の時期を遅らせるべき」という趣旨の要請を行ったといわれている。与党側の関係者は「尹大統領の破局が李代表の大統領選勝利に当然結び付くべき、ということには同意できない」と語った」

共に民主党の李在明代表も、「弱みを持つ」身である。5つの刑事裁判で被告人である。11月に選挙法違反で有罪判決を受けている。控訴審での判断を待っている状況で、来年5月頃までには最終判決が出る。この結果をみて、次期大統領選が行われることを見込んでいるようだ。