韓国国会で14日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾案が可決された。これから6~8ヶ月、政治の空白が生まれる。韓国経済にどのような影響が出るかだ。具体的には、ウォン相場への波及は免れない。個人消費も政治不安を映して落込むことは確実である。25年の経済は、3分の2の期間が政治的空白期に遭遇する。影響は深刻だ。
『東亜日報』(12月14日付)は、「外貨負債が600兆ウォンを突破したのに違法戒厳令の影響で『ブラックホール』」と題する記事を掲載した。
12・3「非常戒厳事態」以降、政治的不安が続き、急激にウォン安ドル高が進んでいる。戒厳事態前は1ドル=1400ウォンを越えると外国為替当局が緊急態勢になったが、今は1ドル=1450ウォンの防御を目標にしなければならないほど危険な状況になっている。為替相場の水準自体も問題だが、政治状況が揺れ動き、為替相場の変動幅も拡大している
(1)「ウォン安ドル高の長期化がもたらす経済的衝撃は大きい。直ちに外貨負債が多く、格付けの低い中小・中堅企業に赤信号がと灯っている。9月末現在、韓国国内企業と金融機関の外貨負債は初めて610兆ウォン(注:約65兆円)を超えたが、ウォン安がさらに進み、ウォンに換算した外貨負債の元金と利息の負担が大きくなったからだ。輸入物価が10月以降、2ヵ月連続で上昇に転じた状況下でウォン安まで急速に進み、消費者物価が再び上昇しかねないという懸念も高まっている」
9月末の外貨負債は、約65兆円に達している。今後もウォン安が続けば、外貨負債は膨張していく。ウォン相場は、1ドル=1434ウォン(14日6時50分)だ。週明けには、政治不安を材料にしてさらにウォン安が進むであろう。
(2)「急激なウォン安ドル高は、企業投資の萎縮と成長悪化につながるという不安も高まっている。国会予算政策処は、実質相場でウォン安が1%進めば、設備投資は0.9%ほど減り、実質国内総生産(GDP)は0.16%ほど下がると試算している。戒厳事態が勃発する前、韓国銀行は来年の成長率を1.9%と予想したが、ウォン安が続けば、成長率が1%半ばや後半台に下がる可能性がある。急激な外貨流出で、ややもすると4000億ドル台の外貨保有高が崩れれば、国家信用に打撃を与えるという懸念もある」
ウォン安が1%進めば、設備投資は0.9%ほど減り、実質国内総生産(GDP)は0.16%ほど下がると試算されている。これは、大変な事態だ。
『東亜日報』(12月13日付)は、「小規模事業者の88%『非常戒厳事態以降に売上減少』」と題する記事を掲載した。
(3)「12日、小規模事業者連合会が公開した「12・3非常戒厳事態後の小規模事業者の景気予測緊急実態調査」によれば、飲食・宿泊業や卸小売業、個人サービス業などに従事する小規模事業者1630人のうち88.4%(1441人)は、「非常戒厳事態後、一週間(4~10日)の売上が直前週(11月27日~12月3日)比減少した」と答えた。小規模事業者10人中9人は、年末の景気予測も否定的に見込んだ。「非常に否定的」という回答が全体の61.9%、「やや否定的」という回答が28.2%だった。小規模事業者連合会のリュ・ピルソン専門委員は、「予約取り消しと消費萎縮で、小規模事業者が年末需要縮小の直撃を受けている」と話した」
韓国では、政治不安が消費に直結するというパターンがある。12月3日の非常戒厳騒ぎで、すでに4~10日の1週間で売上が減っている。これから8ヶ月、こういう状態が続くのだ。売上が減るのは確実であろう。
『韓国経済新聞』(12月14日付)は、「経済に暗雲、景気楽観していた韓国政府 今年初めて『経済下方リスク高まった』」と題する記事を掲載した。
韓国政府が今年初めて「経済が下方に向かうリスクが高まった」と診断した。これまで対内外の懸念にもかかわらず、景気楽観論を展開してきたが、ようやく警告灯をつけた。
(4)「企画財政部は13日に発表した「最近の経済動向(グリーンブック)12月号」で、「最近、韓国経済は物価安定傾向が続いているが、対内外の不確実性の拡大で家計・企業の経済心理が萎縮するなど下方リスクの増加が懸念される」と診断した。注目されるのは初めて登場した「景気下方リスク」診断だ。企画財政部は11月のグリーンブックで7カ月ぶりに「内需回復の兆候」という表現を削除した。その代わり「緩やかな景気回復が続いている」という評価は維持した。しかし12月は昨年11月から維持してきた「景気回復」表現を除き、否定的な見方が強まった。11月までの「対内外の不確実性が存在する」という部分は、「対内外の不確実性が拡大した」に変えた」
韓国政府は、これまで強気の景気見通しを語ってきた。それがようやく、現実にそった厳しい見方に変えた。ゴールドマンサックスは12月9日の報告書「短い戒厳令事態の余波」で、「2004年(盧武鉉元大統領弾劾)は中国景気の好況、2016年(朴槿恵元大統領弾劾)は半導体サイクルの上昇による外部の追い風で成長した」とし、「来年、韓国は中国の景気鈍化、米国貿易政策の不確実性という外部の逆風に直面する」と診断した。こういう局面になろう。


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