韓国半導体は、中国半導体に技術面で追われていると信じ込んでいる様子だ。NAND型フラッシュメモリは、サムスンやSKハイニクスが世界市場を牛耳っているだけに、中国が、この分野へ進出してきたことに脅威を感じている。だが、これはまだ「取り越し苦労」という段階のようである。その背景をみると、次のような事情があるからだ。
中国ファーウェイの最新旗艦スマートフォンは、1年前のモデルとほぼ変わらない半導体を搭載していた。スマホの進化は、半導体の技術進歩によって実現する。ファーウェイには、その肝心のハイレベル半導体を入手できず、大きな障害に直面している。中国半導体が、米国の輸出規制によって、技術進歩で大きな網をかけられている結果だ。
中国は、半導体の製造装置や製品も米国の禁輸対象になっている。中国は、この制約を乗り越えるべく、古い半導体製造装置を使って「マルチパターニング技術」という面倒な過程を導入している。従来1回で済む露光を複数のパターンに分割し、あとでそのパターンを重ね合わせるものだ。手間暇かかって、ズレを生じやすい難点があるという。この方法は、広く知られており、歩留まり率が低く高コストになる。ファーウェイは、この障害に泣かされている。だが、韓国半導体はまだ、こういう中国の裏技を正確に認識していないようだ。
『中央日報』(12月29日付)は、「『サムスンやSKとも競争可能な水準』、業界が驚いた中国の半導体技術」と題する記事を掲載した。
中国のメモリー半導体が再び技術障壁を超えた。今度はNANDだ。半導体業界によると、中国の致鈦が新型2テラバイトソリッドステートドライブ(SSD)を最近発売し中国内需市場を中心に販売に入ったことが確認された。SSDはメモリー半導体であるNAND型フラッシュ基盤の製品で、最近人工知能(AI)の発達によりデータ保存・処理量が急増して需要が増加している。
(1)「半導体分析機関が、一斉にこの製品を入手し分解したところ衝撃的な結果があふれた。初期性能テストで、サムスン電子やSKハイニックスなど先頭圏のNAND企業と十分に競争可能な水準の速度が出た。このSSDは、中国長江存儲科技(YMTC)の第5世代3D NAND技術を基に作られた。YMTCはこの過程で先端パッケージング技術のハイブリッドボンディング工法をさらにアップグレードして量産に適用するのに成功したことが確認された」
これは、製品の質は韓国メーカーを追っているが、製法が「原始的」なマルチマターニングである。高コストで量産化が困難である。
(2)「YMTCは、中国企業で初めて3D NAND積層技術を活用したメモリー半導体を量産するのに成功した会社だ。中国国営企業の清華ユニグループ傘下にあり事実上中国共産党の影響力の下にある。世界のNAND市場では業界5~6位圏に入る。2022年に米国はYMTCを輸出統制リストに上げすべての先端半導体装備供給を防いだ。YMTCは、アップルのiPhoneへのNAND供給を目前にしていたが、米議会が直接乗り出してどうにか阻止したほど技術力の側面では既存のメモリー半導体企業を十分に脅かせるという評価を受けている」
YMTCには、先端半導体製造装置が設置されていないので、「手造り」(マルチパターニング)するしか方法がないのだ。
(3)「中国のメモリー半導体企業は、旧型メモリー製品であるDDR4を市中価格の半分水準で浴びせ出し韓国企業に打撃を与えている。中国発のメモリー攻勢によって、DRAMの市場価格が下がり続けているだけでなく、メモリー半導体を事実上全量輸入していた中国の電子業界が自国企業の半導体を使い始め韓国企業のシェアも脅かせる姿だ。半導体業界関係者は、「中国がついにDRAMとNANDの両方でメモリー大手3社(サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン)に意味ある打撃を与えられる技術水準に入った」と話しているほど」
中国は、旧型メモリー製品であるDDR4を市中価格の半分の価格で輸出している。それだけに、韓国は中国の技術レベルを買いかぶっているのであろう。政府補助金でダンピング輸出が可能なのだ。
(4)「NAND世界市場では現在、先頭圏の間で300層前後の超高層競争が展開している。積層段数が多いほど性能が高い。だが、YMTCは、先端半導体装置を自由に購入できず、窮余の策として2つのウエハーを貼り合わせてNANDを作っている。サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンと比べ生産原価負担が大きくならざるをえない構造だ。中国のファウンドリー(半導体委託生産)1位のSMICが挑戦している先端半導体製造方式も、やはり米国の規制で工程に必要な極端紫外線(EUV)装備なく既存の方法を応用している。コストと効率の側面で限界がくるほかない構造だ。結局、歯の代わりに歯ぐきで先端チップを作る中国半導体にも近く限界がやってくるとみる意見が次第に増えている」
YMTCは、技術的壁を乗り越えるべく便宜的に、2つのウエハーを貼り合わせてNANDを作っている。これは、コスト高を招く最大要因だ。歩留まり率の低下という宿命的な技術障害に遭遇している。中国は、手作業でしかハイレベル半導体を作れないのだ。この厳しい現実をみれば、中国半導体が技術的脅威論には該当しない。


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