中国当局は、国民の生活不安を少しでも沈静化させようと、スマホへの補助金を支給する。だが、「ばら撒き予算」の典型例であろう。中国経済の根本的な立直しには、市場回帰という構造改革以外にないのだが、それを行うと共産主義人気が落ちるとみなされており、改革不可能というジレンマに立たされている。補助金は、販売価格を操作されて結局、消費者に手に渡らず企業が受け取るだろうと警戒されている。
『レコードチャイナ』(1月9日付)は、「中国でスマホ購入に国から補助金、ネット民は懐疑的 逆に高くなるかも」と題する記事を掲載した。
中国中央テレビ(CCTV)は1月8日、中国政府が条件に適合したスマートフォンなどのデジタル機器に対し、国産品、輸入品を問わず購入補助金を支給する方針を示したと報じた。
(1)「CCTVの微博アカウントの報道によると、国家発展改革委員会が8日、大規模な設備更新と消費財の買い替えに関する政策(「両新」政策)の拡大実施に関する通知を発表した。その中で「個人消費者による携帯電話、タブレットパソコン、スマートウォッチ・スマートバンドのデジタル製品3種について、販売価格の15%を補助する」ことが盛り込まれた。補助には、1種類当たり1点まで、単価6000元以内、1点当たりの補助金上限額は500元という条件がついている」
製品単価6000元(約12万6000円)以内、1点当たりの補助金上限額は500元(約1万500円)という条件で補助が受けられるという。この補助金が、どれだけの景気刺激効果を持つのか。
(2)「CCTVは、この措置について「条件を満たすブランド、モデルの製品が補助に参加することを支援する。国内企業、外国企業、国有企業、民間企業、大企業と中小企業、オンラインプラットフォーム企業とオフライン実店舗企業を問わず、すべてが公正かつ平等に補助政策に参加できるようにする。各地で参加企業・商品のリストを合理的に決定し、適時更新する。また、信用が著しく失われた場合や重大な違法行為があった場合には、ネガティブリストに載せ、補助に参加できないようにする」と説明した」
補助金対象製品は、国内企業、外国企業、国有企業、民間企業、大企業と中小企業を問わず一律に行うという。恩恵は、あらゆる企業に及ぶとしている。
(3)「8日の発表に先立ち、新華社は3日、同委員会の袁達(ユアン・ダー)副秘書長が同日に「今年、携帯電話などのデジタル製品の買い替え補助を実施する予定だ。個人の消費者が携帯電話、タブレット、スマートウォッチ・スマートバンドを購入する際に補助を支給する」と明かしたことを伝えていた。中国政府は「両新」政策拡大の目玉としてデジタル機器の個人消費補助を打ち出し、内需拡大を加速させる狙いのようだ。なお、具体的な実施時期については年内という情報のみで、明らかになっていない」
補助金実施の具体的な時期については、ただ年内という情報のみで明らかになっていない。これは、実施されるまでの間は「買い控え」が起こって、むしろ補助金の意味が希薄になろう。また、補助金は「需要先食い」というマイナス効果がある。要するに、人気狙いという感じが強いのだ。
(4)「CCTVの微博アカウントのコメント欄では、賛同したり喜んだりするコメントよりも懐疑的な見方が目立っている。「補助金の恩恵はしばしばメーカーや販売業者に渡り、消費者に届かない。一部のブランドやモデルでは、逆にコストが高くなるケースもありそう」「販売業者は補助金制度があるからと定価で販売するようになるだろう。そうなれば国の補助金は結局業者に渡るじゃないか」「消費券を配布してくれた方がいいよ」「普通のパソコンには補助はないのか」「これはちょっと様子見だな」といった感想が見られた」
消費者の反応は、芳しくない。実施時期が明示されないこともあろう。確実に、補助金が実施されるまで、買い控えが起こるであろう。拙い方法である。


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