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5つの罪名を抱える最大野党「共に民主党」代表・李在明氏は、次期韓国大統領に最も近い人物とみられている。だが、刑事被告人という司法リスク以外に、これまで人気取りのために重ねてきた「反日米・親中朝ロ」発言が、外交リスクとして浮上している。李氏が、これまで大統領弾劾を叫んできたのも、自らが大統領へ就任したいという野心の表れとみられている。それだけに、韓国政治の混乱は長引きそうだ。

『朝鮮日報』(18日付け)は、「『中国に謝々』と言っていたのに最近は『米国に感謝』、次期大統領選有力候補の共に民主・李在明代表、最大のリスクは外交」と題する記事を掲載した。

非常戒厳宣布・弾劾訴追以降、韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の外交・安保関連発言が大幅に変わりつつある。そして、連日にわたり米国に感謝の意を表し、かつて激しく非難していた韓米日協力についても「継続すべきだ」との見解を表明した。李在明代表が「自由・民主陣営としての責任」を強調する姿に「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領をほうふつとさせるほどで、違和感がある」という声まで上がっている。

(1)「こうした変身は、「有力大統領候補・李在明」の外交・安保観に対する同盟国の懸念を払拭しようとする努力だと受け止められている。共に民主党の関係者は17日、「大統領選挙が早まる可能性があるため、今は国内政治だけでなく米国など友好国まで視野に入れて政治をしなければならない」「外交・安保で安定感を見せることが李在明代表の最も大きな課題の一つだ」と言った」

李氏は、目的のためには手段を選ばないというイメージがつきまとっている。自らの疑惑で側近5人が命を落とした。李氏とは、こういう人物である。

(2)「李在明代表は17日の党会議で、「韓国の民主主義を支持する米国と国際社会の努力に感謝する」とした上で「韓米同盟はさらに強化されるだろう」と述べた。李在明代表は昨年12月13日、尹大統領の弾劾に関する声明でも、米国や友好国に対し感謝の意を表し「我々は自由・民主陣営の一員としての役割と責任を全うする」と言った。今月初めには、米ロサンゼルスの山火事を受けて「困難な時に共に歩むことこそ同盟だ」という声明を出している」

李氏が今、最も腐心しているのは「ニューイメージ」を売り込むことだ。「親米」を高く掲げている。

(3)「李在明代表は、尹政権が力を入れてきた韓米日協力体制についても先月、駐韓米国大使と駐韓日本大使に相次いで会い「韓米日の協力関係は続くだろう」「韓米日協力と韓日協力は大韓民国の重大な課題だ」と述べた。これらは、過去の李在明代表の発言とは180度違うものだ。同代表は2021年7月、大韓民国政府樹立について「親日勢力と米占領軍の合作」と言ったし、日本に対しては「敵性国」と言ってきた。2022年10月の韓米日による東海での共同訓練については「日本軍の韓半島(朝鮮半島)進駐や、旭日旗が再び韓半島に掲げられる日が実際にやって来る可能性がある」と言った。また、福島原発の放射能汚染水(処理水)問題などでも李在明代表は「反日糾弾」の先頭に立ってきた。ところが、大統領選挙が早まる可能性が出てきたとの判断の下、イメージチェンジを図っているものと受け止められている」

李氏は、日本を最大のターゲットにして非難し、国内の「反日ムード」を利用してきた。

(4)「李在明代表は、「親中」「親北朝鮮」「親露」のイメージを払拭するための努力もしている。李在明代表は国会議員総選挙が近かった昨年3月、韓国政府の対中外交を批判し、「(尹政権は)なぜ中国にちょっかいを出すのか。ただ『謝々(シエシエ)』と、台湾にも『謝々』と言っておけばいいのに」と言った。また、昨年1月には北朝鮮の武力挑発自制を促した際「北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル総書記)・金日成(キム・イルソン)主席の努力が非難されないよう努力しなければならない」と言って物議を醸した。2022年のロシアによるウクライナ侵攻初期には「初心者の政治家・大統領がロシアを刺激している」と非難した。今回の非常戒厳宣布・弾劾訴追以降、こうした発言は聞こえてきていない」

李氏は、これまでの「親中朝ロ」発言を封印している。

(5)「李在明氏が代表を務める共に民主党は17日、外信の取材にも積極的だ。李在明代表のこうした動きについて、韓国政界の関係者は「韓国国民はもちろん、同盟国が李在明代表の外交・安保戦略について不安を感じていることを本人が最もよく知っているからだ」と語った。尹大統領に対する1回目の弾劾訴追案に、野党が「尹大統領は北朝鮮・中国・ロシアを敵視し、日本中心の奇異な外交政策に固執した」ことを理由として挙げたことなどが、こうした不安感をいっそう募らせているという見方を感じているということだ。米国で「中国をけん制し、圧力を加えること」に全力を注ぐ2期目のトランプ政権発足が間近なだけに、「親中」イメージから脱却することが急務となっているのだ」

李氏は、米国トランプ次期大統領へ接近しなければならない。トランプ氏は、これまでしばしば「韓国嫌い」をみせてきた。李氏は、この難敵に対して自らの「反米発言」をどこまで隠して行くのか。