あじさいのたまご
   

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は1月19日、ソウル西部地裁によって拘束令状が発付された。尹大統領支持者は、これに反発し地裁の窓を割って建物内に侵入するなど暴れ回った。警察は機動隊など1400人を投じてデモ隊を鎮圧した。2日間で80人余が逮捕されるという混乱が起こっている。

ソウル西部地裁による大統領拘束令状は、「被疑者が証拠隠滅する恐れがある」とする15文字の理由も論議を呼んでいる。法律専門家は、「この短い令状発布理由だけを見れば、ほぼコソ泥レベルだ」、「容疑に対する疏明などをもう少し明確にした方がよかった」と指摘した。野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は2023年9月、逮捕状を棄却された。ソウル中央地裁令状担当判事は、棄却理由を600字も使い説明した。「偽証教唆の容疑は疏明されるが、逮捕の理由と必要性があるとは言い難い」「政党の現職代表として公職の監視と批判の対象になる点を勘案した」というものだった。

大統領の逮捕理由は「15文字」であり、最大野党「共に民主党」代表の逮捕状棄却では「600字」も使っている。この司法にみられる左派優遇は、露骨過ぎるという批判が起こっていることから、韓国の政治的混乱は長引く恐れが強くなってきた。

『朝鮮日報』(1月20日付)は、「韓国、政治危機が長引けば信用格付け引き下げも」と題する記事を掲載した。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ、フィッチという世界の3大信用格付け会社のうち2社が、昨年末の非常戒厳をきっかけに韓国で起きている政治的混乱について「事態が長引けば国の信用格付けが下落する可能性がある」と警告した。韓国の信用格付けは、アジア通貨危機が起きた1997年に投機的等級(ダブルB格以下)まで下落し、以前の水準を回復するのに18年かかった。

(1)「フィッチでアジア・太平洋諸国の信用格付けを担当するジェレミー・ジューク理事は14日、本紙の電子メールインタビューに対し「韓国の政治危機がかなり長引くか、政治的な分裂が政策の効率性と経済成果を損なう場合、国の信用格付けが引き下げられる可能性が高まるだろう」と述べた。ムーディーズの信用評価部門のアヌシュカ・シャ副社長は「(最近の政治的対立によって)韓国の経済活動が長期的に混乱に陥ったり、消費者や企業からの信頼が失われたりすれば、韓国の信用格付けは否定的な影響を受けるだろう」との見方を示した」

フィッチとムーディーズは、韓国の政治危機がかなり長引くか、政治的な分裂が政策の効率性と経済成果を損なう場合、韓国の格付けを引下げると予告した。これは、当然のことである。韓国は、「情緒過剰」という特性を持っている。一時的に強く反応するが、その影響が長く尾を引くのだ。これが、消費者心理を不安定にさせる根本理由である。

(2)「フィッチは1997年、わずか2か月で韓国の国家信用格付けを「AA-」から「B-」まで一気に12段階引き下げた。ムーディーズも当時、韓国の格付けを6段階も引き下げた。韓国の国家信用度は一瞬にして「投機的等級」まで落ちたのだ。1960~70年代の「漢江の奇跡」以降、「成長一辺倒」の経験しかしてこなかった韓国人にとって、これは大きな衝撃で、今でも多くの人々にとってトラウマとして残っている」

かつての危機時は、輸出急増というテコが効いた。今回は、そのテコがさび付いている。中国の輸入代替が進んでいることと、中国経済の急減速がマイナス要因である。「トランプ関税」も不気味である。韓国の輸出環境が激変している。

(3)「信用格付け各社はまた、「政治的な不確実性が韓国の今年の成長率にも否定的な影響を及ぼす」との見通しを示した。非常戒厳や大統領の弾劾訴追、内乱容疑などを巡って政治的論争が過熱し、企業の投資心理や国民の消費心理が一気に冷え込むというわけだ。S&Pで信用格付けを担当するキム・ウンタン理事は、「(今回の事態で)韓国の信用格付けが変更されるとは予想していないが、投資・消費心理に否定的影響を与える可能性が高い」として「韓国の国内景気の回復にもマイナスの影響を与えるだろう」と述べた」

国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)が、韓国経済の下方リスクが大きくなっているという診断を出した。内需回復の遅延と輸出の鈍化、通商環境悪化の可能性など国内外の経済の不確実性が高まる中、「国内政治状況」で経済心理の悪化まで加わったという判断だ。KDIが経済の下方リスクが大きくなっていると警告灯を点灯したのは2年ぶりのことだ。韓国政府は1月早々、2025年の経済成長率を1.8%の見通しとした。昨年7月時点の予測では2.2%であった。