テイカカズラ
   

中国のEV(電気自動車)輸出は、23年がピークであった。24年は、前年比10.4%減の98万7000台へ。EUの関税引き上げが、中国EV輸出にストップを掛ける形になった。中国にとって、EV輸出が経済成長のカギを握っていただけに、これからの輸出動向に影を及ぼしている。

『東洋経済オンライン』(1月29日)は、「中国のEV輸出台数、2024年は『1割減少』の意外」と題する記事を掲載した。この記事は、中国『財新』の転載である。

(1)「急拡大してきた中国の自動車輸出に変調の兆しが現れた。中国汽車工業協会が1月発表したデータによれば、2024年の中国の自動車輸出台数は585万9000台と前年比19.3%増加。輸出台数が日本を抜いて世界一になった2023年(57.9%増)に比べて、伸び率が38.6ポイント低下した」

中国の2024年の自動車輸出台数は、前年比19.3%の増加である。ただ、23年の同57.9%増から、大きく鈍化した。

(2)「2024年の輸出拡大を牽引したのは、ガソリンや軽油を燃料とするエンジン車である。ロシア、メキシコ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどでの販売好調に支えられ、エンジン車の輸出台数は前年比23.5%増の457万4000台に達した。(訳注:日本の自動車輸出台数は2024年1月から11月までの累計で前年同期比4.3%減の約3817500台にとどまっており、通年でも中国が世界一を維持したとみられる)」

24年の自動車輸出台数では、2年連続で中国が世界1位になった。

(3)「エンジン車とは対照的に、EV(電気自動車)とPHV(プラグインハイブリッド車)の輸出台数は合計128万4000台と前年比6.7%の増加にとどまり、伸び率は2023年(77.6%増)に比べて70.9ポイントも急落した。そのうちEVの輸出台数は98万7000台と、前年比10.4%の減少を記録。一方、PHVは29万7000台と同190%増加し、明暗が分かれた。EVの輸出台数がにわかに減少に転じたのは、欧州連合(EU)の反補助金調査の影響が大きい。EUは2024年7月から中国製EVに対する追加関税の暫定適用を開始し、10月から正式適用に移行した」

24年の中国EV輸出台数は98万7000台と、前年比10.4%減である。

(4)「業界団体の全国乗用車市場信息聯席会のデータによれば、2024年1月から11月までの期間に中国からEUに輸出されたEVは53万2000台と、前年同期比6%減少。11月単月の輸出台数はわずか2万5000台と、前年同月比67%も落ち込んだ。中国製EVへの逆風が吹くのはEU市場だけではない。東南アジア市場で最大の輸出先だったタイでは、同国の景気減速や自動車ローンの審査厳格化が響き、(エンジン車を含む)自動車市場全体が不振に陥っている」

EVの輸出減は、EUや東南アジアで共通である。最大の輸出先であるタイも、景気減速に巻き込まれている。

(5)「自動車専門メディア『オートライフ・タイランド』のデータによれば、タイ市場の2024年のEV販売台数は7万137台と、前年比8.1%減少した。タイ市場ではBYD(比亜迪)、上汽MG、哪吒汽車(ネタ)の3ブランドで2024年のEV販売台数の6割を占めるなど、中国勢の強さが目立つ。販売台数に目を転じると、BYDは前年比11.9%減、上汽MGは同28.9%減、哪吒汽車は同37.6%減といずれもマイナス成長だった」

タイの2024年EV販売台数は7万137台と、前年比8.1%減である。EVの伸び悩みがハッキリしている。

(6)「中国国内市場は、EV販売の伸びが鈍化する一方、PHVの人気が急上昇している。海外市場でも中国に続き、同様の傾向が現れつつある。海外では、充電インフラの整備が(中国よりも)遅れており、EV普及のボトルネックになっている。その点、PHVはEVよりも価格が安く、長距離ドライブでも電池切れの心配がないため、成長余地が大きい。中国汽車工業協会の陳士華・副秘書長は、今後のPHVの輸出拡大に期待を示した。同協会は2025年の中国自動車輸出がPHVの伸びに牽引され、2024年比5.8%増の620万台に達すると予想している」

EVの伸び悩みの一方、PHVの人気が急上昇している。充電インフラの整備が、遅れている結果だ。発展途上国では、充電インフラ整備が、普及のポイントになる。