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トランプ米大統領は13日、ロシアのプーチン大統領と合意したウクライナ侵略の停戦交渉にウクライナも参加すると表明した。「ウクライナ、ロシア、他の人も関与することになるだろう。多くの人たちだ」と述べた。トランプ氏が、このように発言した裏には、次のような事情があった。

ゼレンスキー氏は13日、「ウクライナ抜きのいかなる合意も受け入れられない」と自国を交えない頭越しの交渉に難色を示した。トランプ氏が12日にゼレンスキー氏に先立ってプーチン氏と電話したことにも「ロシアが優先というわけではないと思うが、実際のところ不快だ」と語った。トランプ氏は13日、米ホワイトハウスで記者団に「『最初にゼレンスキー氏に電話すべきだった』という人がいるがそう思わない。ロシアが取引を望んでいるか見極めなければならない」と釈明した。「ゼレンスキー氏が取引を望んでいるのは知っている。彼が私にそう言った」と唱えた。以上、『日本経済新聞 電子版』(2月14日付)が報じた。


『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月14日付)は、「米副大統領、ウクライナ和平巡りプーチン氏に制裁・軍事行動を示唆」と題する記事を掲載した。

JD・バンス米副大統領は13日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナの長期的な独立を含む和平合意に同意しなければ、米政府として制裁だけでなく、場合によっては軍事行動を取る可能性もあると述べた。

(1)「バンス氏は、ロシア政府が誠実に交渉に応じない場合、米軍をウクライナに派遣する可能性について、選択肢として「残されている」と発言。前日に米軍派遣に否定的な考えを示したピート・ヘグセス国防長官よりも、はるかに強硬な姿勢を取った。また「プーチン氏に対して米国が使える経済的な圧力手段もあれば、もちろん軍事的な圧力手段もある」ともバンス氏は述べた。ドナルド・トランプ大統領は、ウクライナでの戦争を終わらせるため、プーチン氏と交渉を始めると発言」

米国は、ロシアが誠実に和平交渉に応じなければ、米軍をウクライナ派遣すると強硬姿勢である。


(2)「バンス氏はその数時間後にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューに応じ、「多くの人々を驚かせるような合意が出てくると思う」と語った。またバンス氏は14日には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談する予定にもなっている。ロシアは、ウクライナの武装解除と現政権の交代を求めているが、今回の発言はこれに対し、トランプ政権として最も強くウクライナを支持する内容となった。ゼレンスキー氏は、ロシアとの交渉にウクライナが参加することを強く求めていたが、トランプ氏は13日にはこれを認めると発言。一方でロシアを先進7カ国(G7)に復帰させるべきだとしたほか、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟はロシアが容認できないものだとも言及していた」

米国は、ロシアによるウクライナの武装解除と現政権の交代を求めているが、これを明確に拒否している。この一方で、ロシアをG7へ復帰させることを提案している。ロシアの「疑心暗鬼」を解く狙いだ。これは、米国のロシア取り込み策で、中国との間に「溝」を作らせようという戦術だ。

(3)「バンス氏は14日、世界の指導者らが共通の脅威について議論するミュンヘン安全保障会議で演説する予定となっている。同氏との2国間会談の確保に奔走する欧州当局者らは、トランプ政権高官の初の訪問が米国との新たな協力関係の契機となるほか、ウクライナでの戦争終結に向けた計画の詳細が示されることに期待を寄せていた。だがバンス氏は、欧州各国は反体制政治の台頭を受け入れて大規模な移民を阻止し、進歩的な政策を抑制する必要があると指導者らに伝えると述べた。また伝統的価値観への回帰と移民犯罪の終息も呼びかけるという。さらにドイツの政治家らに対しては、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を含むすべての政党と協力するよう促す考えも明らかにしている」

バンス氏は、欧州各国が反体制政治の台頭を受け入れて、大規模な移民阻止で一致した行動に出るように求めている。


(4)「バンス氏はウクライナについて、ロシアの支配下に残る領土の規模や、米国と他の同盟国がウクライナに提供できる安全保障面の保証について、詳細は和平交渉で詰める必要があるとし、現時点では言及できないと述べた。そのうえで「さまざまな形式や構成が考えられるが、ウクライナの主権的独立は重要だ」とした。同氏はまた、ウクライナを巡る合意に達した後、ロシアとは関係をリセットする用意があるとも発言。欧米市場からの現在の孤立により、ロシアは中国の下位パートナーとなっていると指摘し、「中国との連合で弟分の立場に甘んじることはプーチン氏の利益にならない」と述べた」

ウクライナ問題が解決したならば、ロシアへの経済制裁を解除すべきとしている。現状のロシアは、中国の下位パートナーで従属した関係である。これが、プーチン氏の利益にならならないとしている。米国のロシア懐柔策である。米ロが、中国へ対抗する構図を狙っている。

(5)「12日にブリュッセルで開かれたNATOの会合でヘグセス氏は、ウクライナの国境はロシアが最初に侵攻した2014年以前の状態には戻らない可能性が高いと指摘。また、交渉の結果、ウクライナがNATO加盟国になることはないだろうとし、米国以外の国が(ウクライナの)安全を保障する必要があると述べた」

米国は、ウクライナのNATO加盟に反対だ。この問題が、ウクライナ戦争を引き起した原因であるからだ。ロシアの疑心暗鬼を解くために、米国はこういう譲歩案を出している。英仏が、ウクライナへ駐留部隊5万人程度の派遣を検討している。