中国は、「世界の工場」と言われていたが今や完全に過去形に成り下がった。24年の外資系企業による直接投資は、45億ドル(約6800億円)の流入超過へ激減した。33年ぶりの低水準で、ピークであった21年の99%減と「嘘」のような現実が起こっている。長期不況とスパイ取締りという「異常事態」に、身の危険を感じるのだろう。習近平氏の強硬策が、こういう末期的現象を招いている。
『日本経済新聞 電子版』(2月15日付)は、「外資の24年対中投資、3年で99%減 中国離れ止まらず」と題する記事を掲載した。
中国国家外貨管理局が14日発表した2024年の国際収支によると、外資企業の直接投資はピーク時の21年と比べて99%減少した。経済減速やスパイ摘発への懸念で外資の中国離れが止まらない。
(1)「24年の対中直接投資は45億ドル(約6800億)円)の流入超過だった。33年ぶりの低水準となった。工場新設など新規投資分が、撤退や事業縮小など資本の回収分をわずかに上回ったものの、前年から9割減った。流入超過がピークをつけた21年は3440億ドルだった。新型コロナウイルスの感染拡大により上海のロックダウン(都市封鎖)で経済が大きく混乱し、外資の直接投資は22年4〜6月から大きく落ち込んだ」
中国の24年対内直接投資は、たったの45億ドルである。25年はマイナスへ落込むであろう。追込まれる中国の実態が、これほど如実に表れたデータもない。
(2)「対中直接投資を四半期でみると、24年10〜12月は175億ドルの流入超過だった。24年4〜6月と7〜9月は2期連続の流出超過だったが、10〜12月は流入超過に戻った。中国は改革開放政策のもとで海外から投資や人材、技術を呼び込み高度成長に結びつけてきた。厳しい移動制限をかけた「ゼロコロナ」政策を機に、外資は先行き不安を高めた。中国の成長モデルは岐路に立っている。中国当局はスパイ摘発などで「国家安全」を一段と重視しており外資は警戒を強める。不動産不況で中国経済が減速し、成長への期待が剝落したことも企業の投資意欲の低下につながった」
中国は、海外から投資や人材、技術を呼び込むことで高度成長に結びつけてきた。その影の推進力が消えかかっている。すべて習近平氏の対外強硬策と、国内締め付けの結果である。俗に言う「身から出たサビ」である。
(3)「24年は、外資大手の中国事業の縮小が相次いだ。企業の競争力を左右するデータの海外移転の規制やネット統制の強化に伴い、米IBMや米マイクロソフト、米シスコシステムズが相次いで中国内の研究開発(R&D)拠点の縮小や海外移転などを進めた。米国企業の関係者は「データの共有などができなくなり、米国のR&D拠点との連携が難しくなっている」と打ち明ける。中国企業も米国のテック大手のサービスを打ち切り、中国企業に切り替えるケースも増えている」
習氏は、データの海外移転へ規制を加えた結果、IBM、マイクロソフト、シスコシステムズが相次いでR&D拠点の縮小や撤退を迫られた。
(4)「生産能力の過剰が深刻な素材産業などでも撤退が広がった。日本製鉄が中国宝武鋼鉄集団傘下の宝山鋼鉄との合弁事業から撤退し、半世紀に及ぶ協力関係を見直した。韓国メディアによると韓国製鉄大手ポスコホールディングス(HD)が江蘇省にある合弁のステンレス鋼工場を売却する方向で検討に入った。タイヤではブリヂストンが24年に中国でのトラック・バス用タイヤの生産販売から撤退すると発表した。住友化学も中国での大型液晶テレビ向けの偏光板事業から撤退すると公表した」
日鉄、韓国製鉄大手ポスコ、ブリヂストン、住友化学という名だたる企業も撤退である。
(5)「中国で急速に進んだ電気自動車(EV)の普及に乗り遅れた外資系の自動車大手も縮小する。米ゼネラル・モーターズ(GM)は24年に上海汽車と手掛ける中国事業の再編で40億ドルの費用を計上した。日産自動車やホンダなど日系大手も、中国で生産能力の縮小や人員削減などのリストラを強いられている」
EVがらみでは、GM、日産、ホンダが生産能力の縮小や人員整理を迫られている。
(6)「中国に進出している日本企業でつくる中国日本商会が、12日発表したアンケート調査によると、25年の中国国内の投資額について「前年より大幅に増やす」「増やす」と回答した企業は計16%にとどまった。「前年より減らす」(21%)が上回った。「25年は投資しない」も20%に上った。25年はトランプ米大統領の返り咲きで米中対立が先鋭化するリスクがある。トランプ政権の関税政策を踏まえ、企業による中国国内の工場などの他国への移転や委託先の移管の動きが加速する。外資の対中投資がさらに縮小する可能性がある」
日本企業は、25年の中国国内の投資額を減らす企業が、増やす企業を上回るという「後退ムード」である。国内需要の鈍化を反映している。


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