中国のEコマース(ネットショップ)は一時、低価格を武器にして旋風を巻き起こしたが、韓国ではいくつかの「不祥事」が報じられており、失速状態という報道が出てきた。韓国内の他のEコマースで売っている商品より価格がはるかに安く、1週間で受け取れるなどのふれこみで購入したが、全くの当て外れの商品で返品のできず、結局は損をしたというケースが頻発している。こうなると、国内の信頼できるEコマースが安心できる、という結論に落ち着くようである。
米国では、トランプ大統領就任直後、中国に関税を賦課し、Eコマースで800ドル(約12万円)未満の物品に適用してきた関税免除条項(デミニミスルール)の運用停止も予告した。欧州連合(EU)も、すべての輸入品に「取扱手数料」を導入する。こうして、中国Eコマースに逆風が吹き付けている。
『中央日報』(3月22日付)は、「瞬間的ブーム? 成長止まった中国Eコマース、韓国直接進出で反転狙う」と題する記事を掲載した。
「アリカン」「テムカン」など、新造語が登場するほど人気だったアリエクスプレス(アリ)・テム(Temu)など中国Eコマースの勢いが減速している。利用者数が停滞状態に陥り、一時台風と思われたCコマース(注:中国のEコマース)熱風が微風に終わるのではないかという分析まで登場した。見たことのないような「超低価格」を前面に出してブラックホールのように韓国消費者を吸い込んだが、価格が安い代わりに品質とサービスが期待に及ばなかったためという分析だ。
(1)「フォーブスコリア・IGAWORKSが、アリ・テムのアプリの月間アクティブユーザー数(MAU)を調査した結果、アリは昨年3月694万人でピークを迎えた後に停滞状態を示している。季節的繁忙期である年末の利用者数が瞬間的に増加傾向を示したが、またたく間に失速した。アリより韓国進出が遅れたテムは、昨年4月693万人を基点に減少の一途だ。ショッピングが増える年末利用者数も626万人にとどまった。同じ期間、韓国内EコマースであるクーパンアプリのMAUが地道に成長を示していたこととは対照的だ」
アリは昨年3月694万人でピーク、テムは昨年4月693万人を基点に減少の一途だ。「安かろう悪かろう」では、顧客の信頼を失って当然だ。日本ではどうだろうか。
(2)「このような流れは、決済額でも確認することができる。IGAWORKSによると、昨年12月クーパンのカード決済推定額は3兆2300億ウォン(約3292億円)で、全体Eコマース10社のうち1位だった。アリは、1133億ウォンで9位にとどまった。特に11月と比較するとクーパンは3%増えたが、アリは42%減少した。アリ・テムの決済金額合算シェアは、昨年1月(1.6%)に比べると2倍以上成長したものの、韓国内のEコマース市場に地殻変動を起こすには力不足という評価がある」
アリ・テムの決済金額合算シェアは、昨年1月(1.6%)に比べると2倍以上成長したものの、韓国内のEコマース市場に地殻変動を起こす力はない。
(3)「これは、超低価格など価格だけに焦点を合わせたマーケティングが、配送力量とサービスの差別化に集中している韓国内Eコマース市場のトレンドと合致しなかったためという分析だ。韓国消費者が、Cコマースに注目した理由は大きく2種類だった。韓国内Eコマースとは比較できないほどの超低価格と多様な商品群だ。韓国内Eコマースで1万~2万ウォン台の生活用品をアリ・テムでは3000~4000ウォンで販売した。「安い」という水準を越えて「超低価格」という認識が拡散してCコマースに消費者が殺到した」
韓国内Eコマースで1万~2万ウォン台の生活用品が、アリ・テムでは3000~4000ウォンで販売されている。消費者は、この安さに目を奪われるのだ。
(4)「だが、有害成分が基準値を超過した製品が相次いで摘発されるなど商品性に問題が見つかり始めた。韓国関税庁は、昨年中国直接購入製品のうち、こども用品・雑貨・化粧品など1401種を分析して有害製品198種を摘発したことがある。Cコマース販売製品に対する安全性問題が絶えないことを受け、公正取引委員会は昨年10月Cコマースの1915件の商品に対して危害商品販売遮断措置を下した。このような措置にも安全性論争は絶え間なく続いている。国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会所属の金東我(キム・ドンア)共に民主党議員室によると、昨年Cコマースではコピー商品が5500件以上摘発された」
Cコマースでは、有害成分が基準値を超過した製品が相次いで摘発されている。中国の基準が甘いのか、規制をくぐって製造しているのかだ。
(5)「アフターサービス(AS)も韓国消費者の求める基準からはほど遠い。ソウル市が昨年下半期、市民団体「未来消費者行動」と共同で海外Eコマースで販売されている衣類100件を調査した結果、AS責任者情報や連絡先のある商品は一件もなかった。製造国表示のない事例が80件、製造年月がない事例は98件だった。「緑色消費者連帯」のパク・インレ代表は「消費者が個別に有害商品を選別するには限界があることからこれを補完する制度的装置が急がれる」と話した」
アリ・テムのアフターサービスもゼロである。商品を売りっぱなしである。中国では、こういうビジネスがまかり通っているのであろう。
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