テイカカズラ
   

韓国政治は今や大きな分岐点へさしかかっている。3月26日には、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表が、公職選挙法違反事件の控訴審宣告を受ける日である。一審通りの有罪判決であれば、10年間に渡る被選挙権を失うので大統領選への立候補は不可能だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾審判日程は、4月に入ってからである。この両裁判の結果が、これからの韓国政治に大きな影響を与える。

二人の裁判結果によって、4つのケースが成立する。それぞれの支持勢力が激突して、「内戦」が始まるのでないかと真面目に心配されるほどだ。裁判が、どのような結果になるか予測できない。ただ、尹大統領の審決が遅れているのは、憲法裁判所で意見の一致がみられない証拠とされている。それだけ、判断が難しくなっているのだ。「内乱罪」が適用されなければ、「非常戒厳(戒厳令)」も成立が困難という理由である。


『中央日報』(3月24日付)は、「尹大統領、李在明民主党代表が共に生還すれば『本当の内戦』に 運命の週の4つのシナリオ」と題する記事を掲載した。

政界の荒波を呼ぶ運命の週が始まった。誰も今後を予想できない、いわゆる「視界ゼロ」状態ということだ。

(1)「李代表=被選挙権剥奪、尹大統領=罷免のケース:共に民主党は、「先に尹大統領の宣告-後に李代表の宣告」を前提としてきた。現実は、逆の日程になる。慌て始めたのは民主党だ。李代表の被選挙権剥奪が決まる場合、李代表は控訴するので、大法院の判断は3カ月後の6月26日までに出る可能性が高い。尹大統領の弾劾が4月に認容されれば、次期大統領選挙も6月に行われる。李代表は、大法院の判断が大統領選挙の直前に下される。これは、大統領選に立候補する李代表には悪材料だ」

李代表も尹大統領も「両成敗」となるケースだ。李氏が、控訴すれば大法院へ控訴判決は6月26日までに出る。こうなると、李氏は大統領選挙直前まで「被告」の身での立候補だ。「国民の力」候補者に比べ著しく不利である。


(2)「李代表=被選挙権剥奪、尹大統領=棄却または却下のケース:与党では、李代表が26日の控訴審で被選挙権剥奪刑が維持された後、尹大統領弾劾審判が棄却または却下される状況を最高のシナリオと考えている。早期大統領選挙が事実上なくなり、李代表が「8件の事件・12件の容疑」で5件の裁判を受ける司法リスクを抱え、野党の足かせとなるからだ。尹大統領が先月25日に憲法裁で最後陳述をしたように、任期短縮を前提とした改憲を積極的に推進する場合、野党の激しい反発の中でも政局の主導権を握る可能性もある」

李代表が被選挙権を失う一方で尹大統領が復帰すれば、政局の指導権は与党が握る事になる。野党は完敗だ。

(3)「李代表=被選挙権維持、尹大統領=罷免のケース:李代表が控訴審で無罪または100万ウォン未満の罰金刑となった後、尹大統領が罷免される場合、2カ月後に行われる大統領選挙では李代表が絶対的に有利になると予測される。残りの李代表の4件の裁判のうち偽証教唆事件は1審で無罪が宣告され、残り3件の裁判はまだ1審宣告もないため、現職大統領の不訴追特権をめぐり「進行中の裁判を中止するべきか」という、いわゆる憲法84条論争も弱まる可能性が高い」

李代表が、被選挙権を維持し尹大統領は罷免されれば、李代表は、大統領選で有利な立場になる。残りの裁判も「現職大統領の不訴追特権」の恩典に浴せる。これは、右派にとって耐えがたいケースとなろう。政局の安定とはほど遠い事態だ。李代表は、大統領選に立候補しないことが、韓国の民心を一つにまとめる上で不可欠である。


(4)「李代表=被選挙権維持、尹大統領=棄却or却下のケース:李代表が被選挙権剥奪刑を避けると同時に尹大統領も職務に復帰するケースだ。一言で、与野党の代表走者がともに司法的審判を突破して政治的に生還するシナリオだ。この場合、与野党の極端な対立はさらに激しくなる可能性が高い。2022年の大統領選挙から続いてきた「尹錫悦vs李在明」の対決構図も尹大統領の任期終了まで続く。徳成女子大のチョ・ジンマン政治外交学教授は「与野党の極端対立の第2ラウンドが始まる」とし「心理的な内戦でなく本当に内戦が生じてもおかしくない」と話した」

李代表が被選挙権を維持し、尹大統領も復帰できれば、従来通りの「組み合わせ」である。与野党の極端な対立は、さらに激しくなる可能性が高いという。内戦が懸念されるというのだが、韓国政治はこういうギリギリの対立の中で何を学びか、である。対決することの「虚しさ」を知ることができれば、それが大きな収穫であろう。