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日銀植田総裁は3月24日、国会での証言で「金融政策は、物価安定を目標とし財政への配慮をしない」と明言した。これは、従来の「低金利政策」で財政に配慮した時代への決別でもある。日銀独立を鮮明にして「物価の番人」であることを明確にしたもの。膨脹する財政政策への牽制である。

こうした姿勢が、日本経済の回復度合いを示す尺度になってきた。海外からの日本経済評価が変わった理由だ。韓国と日本の30年物国債利回りが、3月10日に初めて逆転した。韓国の超長期国債利回りが日本に逆転されたのは2016年8月以降で初めてだ。市場ではこれを日本経済の「失われた30年」回復のシグナルであり、韓国経済の低成長進入の兆候と解釈している。日本と中国の30年物国債利回りは、昨年11月に初めて逆転している。この30年物国債利回で、日本が中国や韓国を抜いたことは、日本経済への信頼性の高さを雄弁に物語っている。


『韓国経済新聞』(3月23日付)は、「失われた30年終わった、円上昇の兆しに大きくなる円キャリー解消の懸念」と題する記事を掲載した。

「円安時代」が終わろうとしている。日本経済が30年以上続いた長期不況から抜け出す兆しを見せ円相場が上昇している。日本銀行の追加的な金利引き上げシグナルにより、低金利の円を借り入れて高金利の資産に投資する円キャリートレード解消の懸念も出ている。

(1)「日本の10年物国債利回りは、3月6日に約16年ぶりに年1.5%を超えた。10日には1.57%まで上昇し、19日基準1.52%と1.5%台を維持している。為替市場でも円相場は上昇した。対ドルの円相場は年初の1ドル=156円台から3月に入り140円台後半まで円高が進んだ。事実上「スーパー円安時代」が終わろうとしているとの分析が出ている」

国債市場は、冷静にその国の国力を評価している。30年物国債利回りで、日本が中韓を上回ったことは日本経済の将来性を高く評価している証である。


(2)「日本銀行は1月に金利をそれまでの年0.25%から0.5%に引き上げた。予想より高い経済成長率と粘り強い物価上昇が主要背景だ。日本の1月のコア消費者物価指数(CPI)は前年同期比3.2%上昇し34カ月連続で2%以上の上昇率を記録した。植田総裁は「現在はデフレではなくインフレ状態」と言及した。トランプ政権発の米国の景気低迷の懸念から安全資産である円の需要も大きくなっている。市場では円相場上昇にともなう円キャリートレード縮小の可能性を懸念する」

「円キャリートレード縮小」は、日本にとっては良いことである。円が超低金利で「オモチャ」にされていたことから、安全資産として「威厳のある円」へと復帰できるからだ。

(3)「韓国銀行によると、非商業用円先物為替買い越し規模は18日基準で1兆7000億円に達する。市場が円高を予想してあらかじめ備えていたものと診断される。信栄証券リサーチセンター長のキム・ハッキュン氏は「現在ドル安と円高の流れは市場の予測範囲内にあり、円キャリートレードが急激に解消される可能性は小さい」と話した。ただ、中長期的に円キャリートレード解消のリスクが完全に消えたわけではない」

今後の円キャリートレードは、数年規模で静かに解消されるとみられている。もはや、昨年7月のような「怒濤」の円高相場はないだろう。


(4)「市場では日本銀行が6~7月に追加利上げを断行する可能性が大きいと予想する。日本の金利が持続的に上昇すれば、世界的に銀行の円建て融資しや日本の投資家の海外証券投資資金が日本に回収される速度が速くなる可能性がある。韓国銀行は、円キャリートレード解消規模を世界の銀行の円建て貸付2737億ドル(2024年9月基準)のうち31.6%、海外証券投資3兆999億ドルのうち4.1%と推定している」

日本の政策金利引上げは、これに見合って海外の日本資金が国内へ回収されることを意味する。つまり、円高傾向を強める。

(5)「日本がアジア最低金利の座を抜け出し韓中日債券市場の資金の流れも変わる可能性がある。韓国と日本の30年物国債利回りが10日に初めて逆転した。市場では、これを日本経済の「失われた30年」回復のシグナルであり、韓国経済の低成長進入の兆候と解釈している。西江(ソガン)大学経済大学院のキム・ヨンイク教授は、「日本はデフレから抜け出したが、韓国と中国は高齢化などの影響で潜在成長率が低くなっている。世界の金融市場で大口投資家である日本の保険会社は今後、韓国国債もあまり買わず、中国国債も減らしていくかもしれない」と話した」

日本の30年物国債利回りが、すでに韓国や中国と逆転したことは、日本経済の成長と中韓経済の減速を意味している。日本の機関投資は、韓国や中国の長期国債投資を控えることを示唆している。


(6)新韓プレミアのオ・ゴニョン氏は、「短期差益実現よりはポートフォリオの一部、10%程度を円で維持するのが有利だろう。中長期的に円は上昇する可能性が大きく、円キャリートレード解消など急激な市場変動にも備えられる安全資産として価値がある」と話した」今年の円相場は機関や専門家により見通しがわかれるが、円高に振れるという予測が優勢だ。12月末の予想で対ドル円相場は、野村証券が140円、モルガン・スタンレーが141円だ」

韓国では、12月末の予想で対ドル円相場は、野村証券が140円、モルガン・スタンレーが141円と大きく円高に賭けている。日本経済の総合的な成長性を評価しているのだ。