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韓国は4月15日から、米国エネルギー省によって「センシティブ国」へ指定されることになった。米国は、最後まで韓国の要請にも関わらず理由を明らかにしなかった。センシティブ国に指定されると、米国との軍事関連の機密情報共有や原子力、人工知能(AI)などハイテク技術分野での協力が制限を受ける恐れがあるのだ。

米韓同盟によって固い絆で結ばれているはずの韓国が、北朝鮮・中国・イラン・ロシアなどと同じ扱いを受けるという不名誉な事態に陥った。米国は、韓国を技術情報の漏洩リスクの高い国をみているのは、次期政権が左翼になれば中ロへ接近するとみている結果であろう。

『中央日報』(4月14日付)は、「米国の韓国『センシティブ国』指定、結局15日に発効…背景は依然不明」と題する記事を掲載した。

韓国をセンシティブ国に指定した、米エネルギー省の措置が15日に発効する。韓米両国は、科学技術協力で制限はないと口をそろえる。だが、依然として指定の背景が不明であるうえ、以前になかった手続き的制約は避けられない見通しだ。実際、交流協力に支障がないよう管理が重要な課題になった。


(1)「外交部などによると、政府は先月20日、安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官の訪米など各級で「センシティブ国」指定解除のために協議したが、結局、発効時点前の解除に失敗した。これに先立ちって趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官は先月24日、国会外交統一委員会全体会議に出席し「センシティブ国に登載されても韓米間の共同研究など科学技術協力に新たな制限はないというのがエネルギー省の説明」とし「エネルギー省を含め、国務省、ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)などから韓米協力とパートナーシップは強固だという一貫したメッセージも確認した」と強調した」

米国が、同盟国の韓国を「センシティブ国」へ指定することは尋常なことでない。信頼していない証だ。次期政権が、左派になる可能性が強まっていることから「予防的措置」をとったのだ。米国から警戒されるような左派政権では、米韓関係はギクシャクするであろう。

(2)「米エネルギー省との研究開発など科学技術交流では、複雑で厳格な手続きを踏むしかないとみられる。韓国出身の研究者が、米研究所を訪問するには少なくとも45日前に関連資料を提出し、別途の承認を受けなければいけない。また米エネルギー省の職員や所属研究者が韓国を訪問したり接触したりする際、追加の保安手続きが必要だ。政府の努力にもかかわらず、人工知能(AI)、量子コンピューティングなど先端分野で韓米間の協力に支障が生じるという懸念が続く理由だ」

人工知能(AI)、量子コンピューティングなどの先端分野で、韓国は米国と共同研究できないことは痛恨事である。左派勢力が、韓国にとって「有害な存在」とみられていることは、過去の日米に対する不規則発言が響いているに違いない。余りにも奔放に振る舞っていた結果だ。


(3)「米国が、韓国をセンシティブ国に指定した背景が依然として不透明という点も問題だ。政府は政治や外交の問題でなく研究保安に関連する技術的な理由とみているが、米国はまだ指定の根拠となった具体的な事例を確認していない。これまで言及された米アイダホ国立研究所(INL)職員の情報持出し事故なども「一つの例示になるかもしれないが、その事件一つのためではない」(趙兌烈長官、先月24日)と政府は把握している」

米国が、韓国をセンシティブ国に指定した理由を明らかにしないのいは、明らかにしたら大変な外交問題になるからだろう。韓国は、鈍感である。

(4)「米エネルギー省は、「新興科学技術の浮上で技術地形が変化するのに合わせて技術保安を全体的に検討して強化する過程で取られた措置」という原則的な立場を繰り返している。ジョセフ・ユン駐韓米国大使代理も先月18日、敏感情報を誤って扱った事例があったと示唆しながらも「大したことではない」と話した。こうした米国のあいまいな説明では、具体的にどんな側面で是正措置が必要かを把握しにくいだけでなく、根拠のない推測が乱舞して国内的な論争が広がるという指摘が提起される」

米国は、現政権に対しては「問題ない」としている。次期政権が、李在明氏が率いる左派政権になれば、何を始めるか分らないのだ。それだけに、早めに手を打っているのであろう。


(5)「何よりも米国の核心同盟である韓国が、中国、ロシア、シリア、北朝鮮、イランなどが名を連ねるセンシティブ国リストに含まれたこと自体が非正常的という指摘だ。韓国の場合、不拡散とテロ防止に重点を置いた1・2等級でなくセンシティブ国のうち最も低い範疇の3等級(その他指定国)に該当するという政府の釈明も懸念を払拭するには力不足だ」

韓国は、米国の敵対国である中国、ロシア、シリア、北朝鮮、イランと同列の扱いだ。強いショックを受けなければならないはずが、通り一遍の記事にしている。ここが不思議である。

(6)「実際に科学技術交流協力に支障が生じる場合、センシティブ国をめぐる論争はいつでも再点火する可能性がある。短期間内の指定解除も容易でないかもしれない。1981年にセンシティブ国制度が初めて施行された当時、米国は韓国をセンシティブ国に指定した。これを遅く認知した韓国は1993年12月に解除要請をしたが、実際の解除まで7カ月かかった」

米国で、1981年にセンシティブ国制度が初めて施行された当時、韓国がセンシティブ国に指定された経緯がある。1981年の韓国は、全斗煥政権である。軍事政権の延長であり米国が警戒したのであろう。