米アップルは、米中対立の余波で中国で行ってきた、米国向け生産を26年末までに全量、インドで生産することになった。これに伴い、中国河南省鄭州市にある工場は、これまで世界最大のiPhone製造拠点として注目されたが、約20万人以上の労働者が失業の憂き目にあう。アップルは、台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)などに委託し、iPhoneの大半を中国で生産してきた。米国で販売する年6000万台以上はすべて、26年末までにインドからの調達に切り替えるという。
『ブルームバーグ』(4月25日付)は、「アップル、米国向けiPhoneの大半をインドで製造へ-関係者」と題する記事を掲載した。万台以上に-関係者
米アップルは、米国で販売するスマートフォン「iPhone」の大半を来年末までにインドから輸入することを目指している。関税や地政学的リスクへの対応として、製造の中心を中国から移す動きを加速させる。
(1)「この目標は、アップルがインドでのiPhone生産をほぼ倍増させ、年8000万台以上とすることを意味していると、非公開情報だとして事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。今年3月まで1年間のインドでのiPhone生産台数は4000万台余りだった。米国でのiPhone販売台数は年6000万台以上に上る」
今年3月まで1年間のインドでのiPhone生産台数は、4000万台余りだった。それが、倍増の8000万台へ拡大される。
(2)「アップルと同社のサプライヤーが、製造拠点を中国からインドへと本格的に移行させていることを、この計画があらためて示している。中国は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に厳格なロックダウン(都市封鎖)を実施。そのため、中国本土にある世界最大のiPhone工場での生産体制に支障が生じた。これをきっかけに脱中国の動きが始まり、トランプ政権1期目の対中関税に伴う米中間の緊張も中国離れに拍車をかけた」
アップルは、2~3年前にインドでの生産計画をスタートさせていた。今回の米中貿易戦争で、移転スピードが速まったもの。インド政府は「メイク・イン・インディア」という政策を進めており、この動きに拍車をかける。iPhoneのインド生産移管は、インド工業化への象徴的なケースになる。
(3)「英紙『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が先に、アップルは米国で販売する全てのiPhoneを2026年末までにインドから輸入する方針だと報道。ブルームバーグ・ニュースは以前、アップルが米国の顧客向けにインドのサプライチェーンを一段と重視していく計画について伝えていた。ブルームバーグが今月報じたところによると、今年3月までの1年間にインドでのiPhone生産台数は前年比でほぼ60%増加した。iPhone生産では依然として中国が最大の拠点だが、インドがいまやiPhone生産全体の20%を占めている」
いよいよ、インドが工業国家への仲間入りである。インドの本格的な工業化にはいくつかの難問を抱えているが、そろりスタートになる。


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