テイカカズラ
   

中国BYDは、格安EV(電気自動車)で世界中へ販路を広げているが、日本へも23年1月に進出した。これまでの累計販売台数は4800台である。日本車の厚い壁に跳ね返されている形だ。そこで軽EVに目をつけて再挑戦の構えである。

 

『時事通信』(6月2日付)は、「日本での販売『まだ少ない』 軽EVで接点拡大へ中国BYD幹部」と題する記事を掲載した。

 

中国電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)日本法人の東福寺厚樹社長が1日までに、時事通信のインタビューに応じた。日本市場の累計販売台数を約4800台と明かし、「まだまだ少ないというのが実感だ」との認識を示した。来年には軽自動車のEVを投入する予定で、「多くのお客さまにEV技術に接してもらいたい」と強調した。

 

(1)「BYDは2023年1月に日本市場に参入し、販売初年度は約1400台を売り上げた。その後も徐々に台数を伸ばし、店舗網も今年末には80店前後に達する見通し。ただ東福寺氏は、日本ではハイブリッド車(HV)の人気が高いほか、政府のEV優遇策も十分でなく、タイや韓国などと比べてEVの普及が進んでいないと指摘、「情報発信や乗る機会を提供する必要がある」と語った」

 

BYDは、最初から誤算をしていた。中国製が、日本の消費者に割安であれば受入れられるとみていたのだろう。だが、中国EVは「安かろう悪かろう」である。中国では「安物」に慣れており、トヨタが日本式の「高品質」EVを投入しても売れないのだ。トヨタは、完全に中国仕様で品質を下げ、低価格で売出したところ、売上は順調に伸びている。

 

BYDは、日本向けに「高品質」EVの投入を断念し、新たに軽EVで出直すことになった。軽自動車であれば、普通車のような品質を問われないとみているのであろう。

 

(2)「来年投入する軽EVの価格は250万円程度となる見込み。基本性能は、日産自動車の「サクラ」やホンダの「NVAN e:(エヌバンイー)」といった「(先行する)全ての軽EVをお客さま目線で比べ、詰めていく」と説明した。軽自動車は排気量660cc以下などと定められた日本独自の規格で、海外メーカーにとっては参入障壁が高い。東福寺氏は「エンジンではなく、モーターで動くEVなら参入もしやすい」と指摘した」

 

BYDは、来年から軽EVを日本へ投入する。価格は、日本車より若干の割安に設定するという。この軽でも売れなかったらどうするのか。BYDは、日本市場で最後の勝負を賭ける。

 

『中央日報』(6月3日付)は、「敷居の高い日本軽自動車市場…中国BYDが挑戦状」と題する記事を掲載した。

 

中国電気自動車(EV)メーカーのBYD(比亜迪)が来年下半期に日本で250万円台の軽EVを発売すると明らかにした。グローバル完成車メーカーの不毛地に挙げられる「日本軽自動車市場」でBYDの挑戦は成功するかどうか注目を集めている。

 

(3)「日本で軽自動車市場は輸入車にとって進入障壁が高いことで有名だ。長さ3.4メートル、幅1.48メートル、排気量660㏄以下、最大出力64馬力以下など厳格な基準を充足しなければならないためだ。この市場は昨年基準180億ドル(約2兆6000億円)規模で、日本車市場の40%を占めている。軽EVでも日本企業が市場を主導している。日産「サクラ(SAKURA)」は2022年発売7カ月で3万3097台が売れた。昨年日本のEV販売台数は全体の1%台(約6万台)にすぎないが、そのうえ売れたEVの半数は軽自動車だった」

 

軽自動車は、日本が発祥の「国民車」である。コスパが最高とされているだけに、BYDが、この分野へ「斬り込ん」できて成算があるかどうかだ。農村部の利用が多いだけに、固定ファンがついている。新規のBYDは苦戦するだろう。

 

(4)「BYDが、日本を「軽EVテストベッド(試験場)」とみなし、その後韓国・インド・欧州などに市場を拡大するとの予想もある。韓国産業研究院のチョ・チョル研究委員は「軽自動車市場が発達した日本の経験を基に今後韓国に発売したり、欧州などで現代(ヒョンデ)自動車「キャスパー(Casper)EV」などと競争しようとするかもしれない」と話した」。

 

BYDは、日本でテスト販売して韓国やインド、欧州へ市場を拡大させると予想されている。それほど、軽に魅力を感じているのだろう。