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イランは、濃縮ウラン400キロを米軍の急襲前に安全地帯へ移動させたと発表した。この問題を巡って評価が分かれている。仮に移動させたとすれば、イランの核開発問題は根本的解決に至らないという見方になる。米国トランプ大統領は、移動説を否定して「完全勝利宣言」をしている。

 

トランプ米大統領は25日、記者団から米軍によるイラン核施設への空爆で同国の核開発計画がどの程度遅れるかと問われ「数十年だと思う」と主張した。「イランは二度とやらないと思う。地獄を経験し、もう限界だ」と強調した。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため訪れているオランダ・ハーグでNATOのルッテ事務総長と会談した冒頭に語った。

 

『ロイター』(6月27日付)は、「米国防長官、イランの濃縮ウラン移動情報認識せず トランプ氏『何ら移動なし』」と題する記事を掲載した。

 

ヘグセス米国防長官は26日、イランが米軍の空爆前に濃縮ウランを移動させた可能性を示唆するいかなる情報も認識していないと言明した。ヘグセス長官は「私が確認した限りでは、(濃縮ウランが)本来あるべき場所になかった、もしくは移動されたといった情報は存在しない」と述べた。

 

(1)「トランプ大統領も自身のソーシャルメディアへの投稿で、イランの「核施設外に持ち出されたものは何もない。時間がかかり、危険すぎる。非常に重くて移動は困難だ」と述べた。ただ、何ら証拠は示していない。ホワイトハウスのレビット報道官も、米軍が空爆で標的とした3施設いずれからも濃縮ウランが排除された兆候はないと述べた」

 

トランプ氏は、濃縮ウランの持出しを否定している。状況証拠だけで語ったもので、何ら証拠は示されていない。

 

(2)「複数の専門家はこれまでに、イランが兵器級に近い高濃縮ウランの備蓄を22日未明の攻撃前にフォルドゥから移動させ、イスラエルや米国、国連核査察官らが知らない場所に隠している可能性があると警告。マクサー・テクノロジーズの衛星画像で19日と20日にフォルドゥで「異常な活動」が見られ、施設の入口付近に長い車列ができていたと指摘する。イラン高官筋も、濃縮度60%のウランの大部分が米国の攻撃前に非公開の場所に移送されたとロイターに明かしている」

 

人工衛星写真によれば、施設の入口付近に長い車列ができていたことが確認される。このトラックで運び出されたという推測はつくであろう。

 

(3)「英紙『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が26日報じたところによると、欧州連合(EU)首脳らはイランが米国の攻撃前にフォルドゥからウランを移動させ、高濃縮ウラン備蓄はほぼ無傷のままと確信しているもよう。米軍の攻撃時、高濃縮ウラン約400キロの備蓄はフォルドゥに集中していなかったと、欧州首脳らは考えているという。ヘグゼス長官はこうした主張を否定。さらに、米軍の空爆に関する米情報機関の初期的な分析として、イランの核開発計画の中核部分は破壊されず、計画を数カ月遅らせる程度にとどまった可能性が高いという報道について、メディアが米軍の攻撃の成功を軽視していると非難した」

 

EU首脳は、米国の攻撃前にイランがフォルドゥからウランを移動させたと信じている。米情報機関の初期的な分析では、イランの核開発計画の中核部分が破壊されなかったとしており、情報が錯綜している。

 

(4)「さらに、ヘグゼス長官は証拠を示さなかったものの、メディアに「反トランプ偏向」が見られると批判。「トランプ氏に成功してほしくないから反対を唱えるのは、あなた方のDNAや血に染み付いている」とし、「われわれの勇敢な男女が成し遂げたことの多くの側面が、報道陣の憎悪によって損なわれている」と述べた」

 

ヘグゼス氏は、メディアの「反トランプ」が攻撃失敗説を流していると批判の矛先を向けている。情報は、「乱戦模様」になっている。いずれ真実は明らかになろう。