日本は、相次ぐ新型電池の発祥元である。リチウムイオン電池は、ノーベル賞受賞の栄誉に輝いた。第二弾が、軽くて曲がる電池ペロブスカイトだ。ノーベル賞候補に挙がっているほど。主原料のヨウ素は、日本が世界シェアの約3割を占め第2位である。国内で賄えるという恵まれた条件で、中国の追随を「絶対」許さないという鉄壁の守りである。
政府は、25年度中に省エネ法の省令改正や告示を25年度内に行う方針だ。具体的には、26年度から化石燃料の利用が多い工場や店舗をもつ1万2000事業者が、屋根置き太陽光パネルの導入を義務づける。いよいよ、ペロブスカイト「独走態勢」が始まる。
『日本経済新聞 電子版』(6月29日付)は、「太陽光、工場や店舗に設置目標義務 26年度から1.2万事業者対象」と題する記事を掲載した。
経済産業省は2026年度から、化石燃料の利用が多い工場や店舗をもつ1万2000事業者に屋根置き太陽光パネルの導入目標の策定を義務づける。薄くて軽いペロブスカイト太陽電池の導入を広げて、脱炭素に向けて太陽光の比率を大幅に高めるエネルギー基本計画の目標達成に近づける。
(1)「省エネ法の省令や告示を25年度内にも改正する。メガソーラー(大規模太陽光発電)は適地が減っていることから、建物の利活用を急ぐ。新たな義務は原油換算で年1500キロリットル以上のエネルギーを使う事業者や施設に課す。工場や小売店、倉庫などが該当する。自治体の庁舎も含む」
日本は、空き地よりも屋根の面積が大きいという。ペロブスカイトは、軽量ゆえに簡単に屋根のうえに設置可能だ。
(2)「義務は、2段階でかける。企業や自治体の設置目標の策定は26年度からで、約1万2000事業者を対象とする。少なくとも5年に1回程度の更新が必要になり、変更時はその都度報告を求める。27年度からは毎年、約1万4000カ所に及ぶ施設ごとに設置可能な面積と実績の報告を求める。予定の出力数なども把握する。違反や虚偽の報告には50万円以下の罰金を科す」
企業や自治体は、ペロブスカイトの設置が義務化される。違反には罰則を伴うという厳しさだ。政府の熱意のほどが伝わる「大事業」になる。無論、個人住宅も設置可能になろう。
(3)「工場などの屋根には、薄くて軽いペロブスカイトが向くとみている。積水化学工業などの日本企業が技術的に優位で、主要な原材料を国内で調達できるのも経済安全保障上の利点といえる。導入の拡大へ25年度に設けた補助金の活用も促す。政府は2月に閣議決定した新たなエネルギー基本計画で、電源に占める太陽光の割合を40年度に23〜29%とする目標を掲げた。足元の9.8%から大幅に上積みする必要がある」
電源に占める太陽光の割合は、40年度に23〜29%とする目標だ。現在の10%弱からは最大3倍へ引上げられる。これで、原油輸入量も確実に減る。
(4)「日本エネルギー経済研究所は、国内の工場や倉庫、商業施設の屋根に設置可能性のある太陽光発電量は23年度時点で16テラ〜48テラワット時と推定する。原子力発電所2〜6基分の規模で、日本の総発電量の2〜5%に相当する。尾羽秀晃主任研究員は、「国内では空き地よりも屋根のほうが設置可能な面積が広い。屋根の利活用は重要だ」と説く。屋根置きの太陽光パネルの普及は、公共施設や住宅で先行している。企業部門は取り組みが遅れていた。経産省は目標づくりや報告の義務化でてこ入れを図る」
国内の工場や倉庫、商業施設の屋根に設置すれば、原子力発電所2〜6基分の規模になるという。安全でクリーンな電力である。屋根の利活用によって、自前の電力が増える。


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