中国の越境ECは、国内不況を反映して「超低価格」で輸出している。これまで、米国の無関税により異常な伸びを続けてきた。だが、米国の規制によって下火になっている。米国が駄目なら欧州へと主戦場を移したが、ドイツでも小売業者から目の敵にされている。国内のサプライチェーンを破壊するという警戒である。
『レコードチャイナ』(7月31日付)は、「ドイツ小売業者の8割が中国のECプラットフォーム禁止を支持―独メディア」と題する記事を掲載した。
独国際放送局『ドイチェ・ヴェレ 中国語版サイト』(7月30日付)は、ドイツの小売業者の8割が中国のECプラットフォームの禁止を支持していることが調査で明らかになったと報じた。
(1)「記事は、ドイツのデジタル産業協会Bitkomが、このほど発表したアンケート調査により、ドイツの小売業者の92%がTemuやSHEINといった中国の越境ECプラットフォームがしばしば関連法規に違反していると回答。これらのプラットフォームが、販売する製品には危険成分が含まれる高いリスクが存在すると認識する小売業者も88%に達したことが明らかになったと伝えた。
TemuやSHEINの製品製造現場は、想像を超えた劣悪な環境下で生産されている。ほとんどが高齢な農民工が生産している。ただ、支払条件がいいなどのメリットがあるという。最近は、大きな工場を建設するケースもあるが、本質的に「低賃金」が武器になっている。低賃金労働力が枯渇すれば、生産コストが上がるので、いつまで「低価格」を売りにできるかは不明である。
中国政府は、EC越境ビジネスの成功に味を占めて、他の地方政府にも推奨する動きをみせている。輸出で外貨を稼ぐ戦略である。
(2)「85%が、「EUは欧州市場が外来のECプラットフォームによる権利侵害を受けないよう守る責任がある」、87%が「越境ECプラットフォームの製品について厳しい監督管理を行うべきだ」、76%が小口輸入品に対する関税免除措置(デミニミス・ルール)撤廃は賢明な措置との認識を示したと紹介している」
越境ECが、劣悪な生産環境下で製品が生産されている。これが、正当な環境での生産を脅かすことになってはなない。ドイツが、垣根を高くすることは、「自衛」のためにやむを得ないであろう。
(3)「記事によると、このアンケートは従業員10人以上を抱えるドイツの小売企業505社を対象に今年3〜5月に実施したものだという。調査ではこのほか、約半数が「地政学的対立によってサプライチェーンに悪影響が出ている」、3分の1が「サプライチェーンが不安定になったことで製品の種類を減らした」、41%が「欧州以外のサプライヤーを欧州域内のサプライヤーに置き換えるつもりだ」と回答したことも明らかになった」
中国は、国内需要でまかなうべきところを輸出で逃げるという仕法を取っている。過剰生産が最大の問題で、ここを改めようという姿勢は全くない。すこしでも外貨を稼ぐことが至上課題になっているからだ。
(4)「記事は、欧州委員会が28日にTemuについて、プラットフォーム上での違法商品の販売を食い止めるための十分な措置を講じていないとの予備的な判断を下したと伝え、今後高額な罰金を科される可能性があると紹介したほか、EU域外国から個人宅へ送られる小包に対し、一律2ユーロ(約340円)の手数料を徴収する方針を示したことを併せて報じている」
劣悪な生産現場でつくられている製品であるから、品質保証などあり得ない。そのような基準を設けて作るような生産環境にないからだ。中国政府に責任を持たせることしか解決方法はないであろう。あるいは、一律禁止するかである。


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