石破茂首相が7日、辞意を表明した。党内融和が理由とみられる。自民党は、衆院選・都議会選・参院選と立て続けに敗北を喫した。型どおりの敗北の原因を総括したが、有権者に納得できる分析ではなかった。結局、「石破総裁辞任」という結論だけで終った。
問題は、次の総裁に誰が選ばれるかだ。これによって、自民党の将来はもちろん、日本の未来も変るであろう。その意味では、自民党の真価が問われている。国民が解決してもらいたいのは、生活の安定である。それには、物価を安定させることだ。そういう議論はなく、目先の「分配論」に集中している。自民党は、身近な問題を目配りしながらも、実質賃金が恒常的にプラスになる政策を打ち出すことだ。
選挙に敗れたのは、外交・防衛という基幹政策ではない。ひとえに、実質賃金がマイナスを続ける国民の不満に応えられなかったことにつきる。要するに、理論武装を怠った結果であろう。ポピュリズムに負けたのは、それに打ち勝つ理論武装せず、政策的に丸腰で臨んだ結果であろう。
『日本経済新聞 電子版』(9月7日付)は、「石破茂首相『責任』掲げ延命1カ月半 招いた政策遅滞」と題する記事を掲載した。
石破茂首相は7月20日の参院選直後から党内の退陣圧力に抗い続けた。昨年の衆院選に続く敗北への責任追及に対し、米国との関税交渉や物価高政策を遂行することで、政権を続ける大義を示そうとした。粘り続けた末の退陣は、結果として政策の遅滞を招いた。
(1)「参院選で目標としてきた与党過半数を維持できず、引責辞任を求める声が噴出した。続投する理由として挙げたのがトランプ米政権との関税交渉だった。相互関税が25%に上がる期限だった8月1日が迫るなか「自分でけりをつけなければいけない」と周囲に語った。その関税交渉が7月23日に一旦合意すると「続投の大義は無くなった」との見方が広がった。「石破おろし」の動きが強まり、2027年9月までの任期が満了する前に臨時総裁選を開催する要求が相次いだ」
政治は、権力闘争である。権力闘争に敗れれば、政治の舞台から去るほかない。これは、政治の鉄則である。党内で支持基盤の最も弱い石破首相にとって、権力闘争は余りにも苦手であった。
(2)「首相は周囲に何度もこう語っていた。「いま無責任に政権を投げ出して政治空白をつくるわけにはいかない」。8月上旬、首相側近の一人は首相に「国民人気があるうちの政治決断」を促した。首相は「先の見通しが立たないうちに投げ出すことはできない」とかたくなだったという。側近は「強い使命感に動かされている」と振り返った。少数与党の状況では、次の首相に自民党の総裁が選ばれるとは限らない。選挙に負けたからといって直ちに退陣するのは無責任だとの思いが首相にはあった。参院選で参政党が躍進したことも踏まえ「ポピュリズムに流されず、与野党の第1党同士が安定した政治を進められる状況をつくりたい」と語っていた」
ポピュリズムへ対抗するには、どうするか。これは、日本政治にとって極めて重要なテーマとなった。ただ、その内実は自民党への不満の現れとみられる。まだそれほど、深刻な存在になっていないだけに、自民党は襟を正して、本来あるべき政策に戻ることだ。2~3万円の支援金を国民に配るという愚策は、発想の貧困を示している。本来は、金融政策へのアプローチが必要であった。そういう努力が、なかったのは失敗である。
(3)「党内融和を図りつつ少数与党として予算や法案を通すために封じていた「石破らしさ」を徐々に出すようになった。外交行事にも注力し、国際会議で来日したアフリカ諸国や韓国、インドとの首脳会談をこなした。報道各社の世論調査で内閣支持率が上昇した。日本経済新聞社が8月末に実施した調査では内閣支持率が42%と7月の前回調査から10ポイント上昇し、6カ月ぶりに4割台を回復した。首相周辺は衆院解散・総選挙をちらつかせて退陣論を抑えようと動いた」
石破内閣は、党内基盤がゼロである。長い間の「党内野党」が災いしたものである。改めて、政治には支持基盤が必要であることを思い知らした。
(4)「党内抗争の裏で、政策の調整は遅れた。企業・団体献金の見直しを巡る野田氏との連携は党内から反発を招いた。野田氏も立民内で参院選について「事実上の敗北」との批判を受け、自民党と協力しにくい環境になっていた。物価高や米関税措置への対応に向けた経済対策の策定表明は9月5日にずれ込んだ上、具体的な項目は示せなかった。財政的な裏付けとなる補正予算案を臨時国会で成立するための道筋はついていない。米国との関税交渉は、自動車関税の引き下げなどを含む合意に至るまで時間がかかった。9月4日にトランプ大統領の大統領令署名にこぎつける成果をあげたものの、すでに党内は総裁選前倒し要求への流れが出来上がっていた」
石破氏は本来、「理念先行型」の政治家である。最初から妥協せずに、「カネと政治」を解決する姿勢を前面に打ち出すべきだった。それが、党内情勢でうやむやに終った。自民党から離れた支持者は、石破氏への不満よりも自民党の現状に不満であった。次期総裁がこの点を改めなければ、派閥の論理に振り回された、ただの「操り人形」とみなされよう。


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次の首相は、明るい人であって欲しい。
明るい首相は、明るい日本に繋がります。
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