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中国株式市場は5日の週、信用取引融資残高が過去最大を記録した。規制当局は、市場の過熱を抑える措置を検討しているとの報道も出始めている。個人が、消費者ローンで借入れた資金を株式投資に振り向けるなど、明らかに過熱化している。利にさとい中国社会だが、不況下で「一発勝負」を狙った危険な動きである。

 

『ロイター』(9月8日付)は、「中国株、信用買いが過去最大に 相場不安定化で警戒感高まる」と題する記事を掲載した。

 

中国の金融システムは、デフレと根強い不動産債務危機を背景に何カ月間もリスクが高まった状態にあるが、足元の株式投資家の行動によって一段と圧力が強まりかねない。

 

(1)「5日の週の信用取引融資残高は過去最高の2兆3000億元(約46兆円)となった。投機筋の間では、消費者ローンで借りた資金を株取引に回す動きもみられる。中国経済は低迷し貿易、地政学面で緊張がくすぶっているにもかかわらず、こうした流動性を原動力に上海株は8月最終週に10年ぶり高値を付けた。しかし、ブルームバーグが規制当局が市場の過熱を抑える措置を検討中だと伝えると、有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は4日に2%下落した」

 

個人が、消費者ローンで借入れた資金で株式を購入するケースが増えている。相場が、危険な兆候を見せ始めた証拠だ。

 

(2)「北京に住むプログラマーのカシエル・ジャンさん(35)は、手軽に利益を出したいと考えて20万元(約400万円)を借りて株を買ったが、9月初週に市場が荒れて多くの銘柄が3~5%乱高下したことに少しショックを受けた。「高値で利益を確定していない限り、傷を負い始めれば損切りすべきかどうかと迷う」とジャンさんは語り、「夜ぐっすり眠れるように」信用買いを減らすつもりだと明かした。信用取引が膨らむことは中国では珍しくないが、個人投資家と規制当局が懸念を募らせている様子からは、バブルのリスクが浮かび上がる」

 

ある個人が、約400万円を借りて株式市場へ参入して、多くの銘柄が3~5%乱高下して神経を磨り減らしているという。自己資金での購入であれば、落ち着いていられるであろうが、それとはほど遠い状態だ。

 

(3)「中国政府は今月、消費者ローンの金利補助を開始する一方で銀行に同ローンのリスク管理強化を促している。しかし一部の株式投資家は、同ローンを使えばもうけられることに目を付けた。ハイテク産業で働く個人投資家のジェームス・リューさんがその一人だ。消費者ローンの金利は3%前後と、信用取引融資金利の4ないし5%より低い。「だからもちろん、最初に銀行から(消費者ローンを)借りて」株式購入に回すという。銀行は、消費者ローンを株式購入に使うことを禁じている。リューさんは、複数の口座間で資金を移動させているので見つかる可能性は低いと語った」

 

中国政府が、消費者ローンの金利補助を始めたことを悪用して、株式投資に振り向ける者が現れた。これが、中国社会の本質である。政策を悪用するのだ。中国政府も、こういう行動を平気で行なってきた。WTO(世界貿易機関)の規定を悪用して、ダンピング輸出に全力を上げている。

 

(4)「中国民生銀行や黒河農村商業銀行など、クレジットカード・ローンを投資に不正利用することに警鐘を鳴らす銀行が増えている。ムーディーズはリポートで、景気低迷で消費者が財布のひもを締める中、「信用力の低い消費者が引き続き積極的に資金を借りており、貸し手の資産リスクが高まっている」と指摘した。

 

信用力の低い消費者が、積極的に資金を借りている。これこそ、株式投資が過熱化している証拠であろう。銀行は、貸し手として「返済リスク」が高まっている。

 

(5)「中国は、浮動株時価総額に占める信用取引の割合が現在2.3%。ピークだった10年前の4.7%を大幅に下回っている。また、2015年の中国株式バブルを煽ったような個人投資家の浮かれ気分や、違法な影の銀行(シャドーバンキング)借り入れの兆候は乏しい。マッコーリー・キャピタルの中国株ストラテジー責任者、ユージーン・シャオ氏は「政府は株式市場を支えたい意思を明確に示している」とした上で、「とは言え、政策当局者は2014~15年の信用取引バブルに似たバブルと崩壊のサイクルを警戒している」ため、「過度な投機フローは抑制するだろう」と予想した」

 

2014~15年に起こった、信用取引バブルに似た状況が始まっている。大怪我をさせないでいかに鎮めるか。当局は、頭の痛いところであろう。浮動株時価総額に占める信用取引の割合が、現在は2.3%。ピークだった10年前の4.7%を大幅に下回っている。ただ、信用買残は過去最高である。危険ゾーンにあることは間違いない。