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ロシアのウクライナ侵略は、すでに開戦以来3年半を過ぎた。だが、停戦への展望の開けぬままだ。米国は、こうした事態に対し「威信」を掛けた取組みを始める。これまでは、トランプ大統領の警告に過ぎなかったが、ベッセント財務長官によって「二次制裁」の具体案をEUへ説得し始めているのだ。実現の可能性が高まっている。これによって、世界的な原油価格の高騰が予測される。日本経済への影響も大きく、物価への波及が警戒される。心の準備をしておくべきだろう。

 

『東亜日報』(9月9日付)は、「米、ロシアの『資金源』締め付け…トランプ大統領『第2段階制裁を準備』」と題する記事を掲載した。

 

トランプ米大統領は7日、停戦交渉に乗り出すどころかウクライナへの攻勢を強めているロシアに対し、追加制裁の可能性を示唆した。トランプ氏は米ワシントンのホワイトハウスで「ロシアに対する第2段階(追加)制裁を実施する準備ができているか」と記者に問われ「そうだ」と答えた。


(1)「トランプ氏は8月15日、アラスカでロシアのプーチン大統領と会談した後、ロシアとウクライナの首脳会談を仲介し、対ロ制裁を保留してきた。しかしプーチン氏が最近、中国・北京で開催された「抗日戦争勝利80年」の軍事パレードに出席し、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と反米の結束を誇示したことで、制裁カードを再び取り出したとみられている」

 

トランプ氏は、プーチン氏にあしらわれていると怒りを強めている。北京で、中ロ朝の3首脳が勢揃いして力を誇示したからだ。超大国・米国の誇りを傷付けられたというのであろう。

 

(2)「3日、「抗日戦争勝利80年」記念行事で中朝ロの3ヵ国首脳が天安門の楼閣に並んで登壇すると、トランプ氏は「米国に対して共にはかりごとをめぐらしている正恩氏とプーチン氏に心からよろしくお伝えください」と皮肉った。ロシアが7日、ウクライナの首都キーウの政府庁舎を初めて攻撃するなど、攻勢を強めていることも影響したとみられる」

 

ロシアは、米ロ首脳会談後もウクライナへの攻撃を緩めず、ウクライナの政府庁舎まで攻撃するなど傍若無人ぶりをみせている。トランプ氏の怒りが頂点に達したのだろう。

 

(3)「米国は、ロシアに対する直接関税を課すだけでなく、ロシア産石油などを購入する国々に対しても2次関税を課すことを検討している。米国はすでに先月からロシア産石油を大量購入しているインドに対し、25%の相互関税に加え、25%の追加関税を課し、合計50%の関税を課している。一部ではロシアのエネルギー輸出を全面的に統制する案も取り沙汰されている」

 

米国は、すでに友好国インドまで「二次制裁」の対象にしている。この適用先を一挙に広げようという狙いである。

 

(4)「ベッセント米財務長官は8日、ワシントンで欧州連合(EU)代表団と会議を開き、対ロ制裁案を協議した。ベッセント氏は7日、米NBCのインタビューで「ロシアへの圧力を強化する準備ができており、欧州のパートナーもわれわれに従うことを望んでいる」と述べた。さらに「ウクライナ軍がどれだけ長く持ちこたえるかと、ロシア経済がどれだけ長く持ちこたえるかが競っている状況だ」とし、「ロシア産原油の輸入国に2次関税を課せば、ロシア経済は完全に崩壊し、それがプーチン氏を交渉のテーブルに引き出すことになる」と述べた」

 

ベッセント米財務長官は、すでにEU代表団と二次制裁について協議している。ベッセント氏は、「ロシア産原油の輸入国に2次関税を課せば、ロシア経済は完全に崩壊する」としている。だが、非産油国の日本は、原油値上がりの影響を受ける。

 

(5)「ウクライナのゼレンスキー大統領も7日、米ABCとのインタビューで「殺人を止める方法は彼(プーチン氏)の武器を奪うことだ。エネルギーが彼の武器だ」と述べ、ロシア産エネルギーを購入する国々への2次制裁の必要性を強調した」


ゼレンスキー氏も二次制裁の必要性を強調している。