中国は9月3日、天安門広場で「対日勝利80周年」軍事パレードを開催した。その際、習氏が「人間は臓器移植で150年は生きられる」と軽口を飛ばし、世界中へ配信された。中国は、ロイター通信に対して世界配信を認めたがその後、取り止めるという「ドタバタ劇」を演じている。こんな冗談の配信をなぜ、不許可にしたのか。理由は、国内の疑惑を鎮める目的であろう。
習氏は現在、党内で国内経済混乱の責任を取るよう追求されている気配が強い。その一方で、冗談とはいえ「150歳まで生きられる」との発言は、「終身国家主席」を狙っているとの非難の材料にされたのであろう。これを打ち消すべく、習氏が世界配信を止めたとみられる。
『中央日報』(9月9日付)は、「『150歳まで生きる』習近平・プーチンの私的会話…中国、削除してしまった」と題する記事を掲載した。
中国北京で開かれた閲兵式(軍事パレード)の際、中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の間で交わされた不老長生に関する会話の映像がロイター通信から削除された。
(1)「ロイターによると、プーチン大統領は3日、閲兵式を観覧するため天安門の望楼に移動する過程で「人間の臓器は絶えず移植することができ、長く生きれば生きるほど不滅に至ることができる」という趣旨の発言をした。これに対し習主席は、人間が150歳まで生きられるという予測があると答えた。1953年6月生まれの習主席と1952年10月生まれのプーチン大統領が、臓器移植や不滅について交わしたこのような密かな会話は、「ホットマイク(hot mic)」に捉えられたものだ。ホットマイクとは、有名人が公式の場でマイクが入っていることに気づかず私的な会話をやり取りした、その発言が意図せず公開されて困惑する事態を指す」
この「150歳まで生きられる」という話は、微笑ましいことである。だが、今の中国では「反習近平派」からクレームがつくほど、習氏の立場が弱くなっている証拠とみられる。この記事を扱った英国『BBC』は、「習氏とプーチン氏は、それぞれ13年と25年にわたり、政権を維持している。いずれも退任の意向を示していない」と注釈記事が付いているのだ。言外に、習氏は臓器移植を行なっても、150歳まで政権を握る意思というニュアンスが感じられる記事だ。これに習氏の反対派がクレームを付けたとすれば、笑うに笑えない中国の「深刻さ」が伝わって来る。冗談が通じないほど、中国経済が異常事態へ落込んでいるのであろう。
(2)「ロイターは当日、行事を生中継した中国国営放送「中国中央テレビ(CCTV)」から使用許可を得て該当映像を確保し、これを4分に編集して世界で契約している1000余社のメディア(顧客社)に配布した。しかし中国中央テレビは5日、ロイターに対し「映像が編集される過程で発言が明白に歪曲(わいきょく)された」として該当映像の削除を要求し、使用許可を取り消した。ロイターはこれに従い映像を削除し、顧客社にも削除を要請した」
中国国営放送は、一度は「冗談記事」としてロイターへ配信を認めている。それが、編集内容が歪曲されているとか難癖を付けて禁止した。情報を差配する党内序列4位の王滬寧(ワン・フーニン)氏が、側近として慮ったのであろう。「君臣」ぶりを発揮したのだ。
(3)「ロイターは、編集による歪曲指摘について「報道内容の正確性を確信している」とし「公開された映像を慎重に検討した結果、ロイターの正確かつ偏向のないジャーナリズム原則が損なわれたと信じるに足るような根拠は見つからなかった」と反論した。また、中国中央テレビと在ワシントン中国大使館は、当該事案に関する立場表明の要請に回答しなかったとロイターは伝えた」
ロイターが、歪曲していないことは、BBCの報道も同一内容で証明されている。中国側で起こった悶着であろう。


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