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自民党は、次期総裁選について「9月22日告示10月4日投開票」という日程案を固めた。10日にも正式決定するという。党員・党友による投票を伴う「フルスペック方式」で実施する。党員・党友による投票も含むので、総裁選候補者は、幅広い支持を固めなければならない。当面は、日米外交の結果が日本経済を大きく動かす要因だ。米国では、トランプ氏とウマが合う候補者が有力とみている。

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月9日付)は、「自民党、トランプ氏に好印象与える総裁を模索」と題する記事を掲載した。

 

自民党議員らは日本の次期指導者を選ぶにあたり、ドナルド・トランプ米大統領と最も良好な関係を築けるのは誰かという問題に直面している。故・安倍晋三元首相の積極的な経済政策を支持する保守派の高市早苗氏か。あるいは、穏健派だが経験の浅い新世代の政治家で、トランプ氏が好む活力と洗練さを備えた小泉進次郎氏か。両氏はまだ総裁選への立候補を正式に表明していないが、アナリストや議員らの間では有力候補とみられている。自民党は次期総裁を選ぶにあたり、多くの西側民主主義国の既存政党と同様のジレンマに直面している。失望した保守層の票を取り戻せる右派候補を選ぶべきか、あるいは別の方向に支持を広げられる可能性のある中道寄りの候補を選ぶべきか、というものだ。

 

(1)「かつてロックミュージシャンを夢見た高市氏について、旧安倍派内では、保守票を取り戻せる人物との呼び声が高い。参政党のような新興政党は、インフレと移民の抑制を公約に掲げて保守票の一部を取り込んでいる。高市氏は対米協調・対中強硬派とされる。安倍氏と同様、靖国神社を参拝している。戦没者を慰霊する靖国神社は、日本を第2次世界大戦に導いた軍国主義的な天皇崇拝と結びついているため、参拝は他のアジア諸国の反発を招くことが多い」

 

高市氏は、対米協調・対中強硬派として知られ、故安倍首相を政治の師と仰ぐ。靖国参拝を継続するとしている。

 

(2)「政府債務の増大が懸念されている世界経済において高市氏は、インフレが抑制されている限り政府債務と財政赤字は問題にならず、日本経済は政府支出の拡大・低金利・規制改革によって再生できる、という考えを支持する稀有(けう)な存在だ。これは同氏が師と仰いだ安倍氏の処方箋「アベノミクス」の継続を意味する。64歳の高市氏が自民党総裁に選出され、同党が少数与党の国会で首相に選ばれれば、日本史上初の女性首相が誕生する」

 

高市氏は、積極財政政策を唱えている。日本国債の長期相場に波乱要因となろう。英国で、45日間で辞任した女性首相トラス氏は、金融市場の混乱が原因であった。高市氏にもそういうリスクがつきまとう。

 

(3)「小泉氏は自民党内では穏健派とされるが、政府での経験は限られている。それでも44歳と若く、高市氏ほど物議を醸さない人物であることから、自民党が高齢化し時代遅れになっているという認識を払拭したい議員らにとって魅力的な存在かもしれない。サーフィン好きを公言する小泉氏は新世代の政治家として自身を売り込んでいる。石破内閣では農林水産大臣としてコメ価格の引き下げに取り組み、政府備蓄から大量放出することで一定の成果を上げた。小泉氏は父親の純一郎氏から独特の華やかさを受け継いでいる」

 

小泉氏は、政府での経験が限られている。「小泉構文」という意味不明の発言が、過去に話題になったことがある。

 

(4)「アナリストらによると、高市氏はイデオロギー的にトランプ氏に近いとみられる。トランプ氏がゴルフ仲間で盟友の安倍氏を好意的に見ていたことから、安倍氏との近さもプラスになりそうだ。一方、小泉氏は比較的若く、活力があり、妻が仏日ハーフのフリーアナウンサーという華やかさを持ち合わせており、これらもトランプ氏が重視する要素だ」

 

高市氏と小泉氏のどちらが、トランプ氏との相性は良いか、そういう評価の仕方もされている。

 

(5)「対米関係のかじ取りは、熟練を必要とする。アナリストや当局者によると、日米関係はおおむね良好だが、トランプ氏の関税政策に加え、日本など同盟国に対する防衛費増額要求によって緊張が生じている。日本が約束した対米投資5500億ドル(約81円)の実行時期・方法・対象や、米国に輸出される半導体や医薬品に追加関税が課される可能性は、今後の火種となり得る」

 

日本が、約束した対米投資5500億ドルを円滑に実行できるか。日本の国益を損なわないか。次期首相に課された大きな任務だ。

 

(6)「総裁選のその他の有力候補には、林芳正官房長官や、「コバホーク」の異名を持つ小林鷹之元経済安全保障担当相らがいる。今のところ総裁選への立候補を正式に表明したのは、茂木敏充元外相だけだ。対米関係の面では茂木氏に優位性があるかもしれない。第1次トランプ政権下の米国との通商交渉を担当し、トランプ氏と実際に協議した経験があるためだ」

 

林芳正官房長官、小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充元外相も立候補が予想される。次期首相候補として、大いに議論を深めて頂きたい。