中国の地方政府は、これまで国有地の売却金を主要財源にしてきた。だが、21年以来の不動産バブル崩壊によって地価が値下がりし、売却金が大幅に減っている。この結果、民間への債務返済が滞っている。中央政府は、この事態を看過できず解決第一弾として1兆ドル(約148兆)を銀行による融資へ切替えるという。27年まで、この未払い金肩代わりを済ませるとしている。
『ブルームバーグ』(9月11日付)は、「中国が地方政府の債務処理検討、未払い金1兆ドル超-関係者」と題する記事を掲載した。
中国の地方政府が、民間企業に対して抱える巨額の債務を処理しようと、中央政府が動き出している。事情に詳しい関係者が明らかにした。そうした未払い金は1兆ドル(約148兆円)を超えるとの推計もある。
(1)「政府は、地方当局が滞納分を支払えるよう、国家開発銀行などの政策銀行や国有銀行に融資を要請する案を検討している。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。検討中の措置の下で投じられる資金は、まず民間企業への滞納金少なくとも1兆元(約20兆7400億円)の穴埋めに充てられる見通しだ。関係者によれば、これは長期的な取り組みの第1段階で、当局は2027年までに完了させたい考え」
注意すべきは、財政資金によるものでないことだ。国家開発銀行などの政策銀行や国有銀行に対して、地方政府への融資を要請する案である。これは、金融機関へ金融リスクを移すだけの話だ。既に不良債権が膨らんでいる国有銀行が、さらなるリスクを背負うことは、金融システム全体が脆弱化するだけだ。習氏は、あくまでも財政負担を増やさずに金融機関に負わせる考えである。実現は、未知数である。
(2)「習近平国家主席は2月の演説で、公的セクターによる企業への支払い遅延は国民の政府に対する信頼を損なう恐れがあると警告。滞納金が苦境にある民間企業をまひさせ、さらに社会全体に悪影響を及ぼしていると述べ、中央政府がこの問題を重く受け止めている姿勢を強調した。この演説は先月公表された。提案されている支援策は、公共事業などを請け負った民間企業に救済をもたらす一方で、すでに不良債権が膨らんでいる国有銀行にさらにリスクを移転することになる」
地方政府が、民間への支払を遅延させることは、民間の不安心理を高める意味で、極めて不適切なことである。一刻も早い解決が求められるが、その肩代わり資金を金融機関へ出させることは、不良債権の肩代わりに過ぎず、抜本解決にはならない。自分の庭のゴミを隣の庭へ押しつけるような話である。
中国財政省によると、2023年末時点の地方債発行残高は約40兆元(約840兆円)に達している。1兆ドル(約148兆円)をはるかに上回っているのだ。民間推計では、隠れ債務を含めた地方政府の総債務は、60兆元(約1200兆円)を超える可能性が指摘されている。2023年の地方債の利払い総額は、1兆2000元(約25兆円)にも達している。夜も眠れないほどの巨額金利負担である。


コメント
地方債だけではない、融資平台がありますよね。
日本だと、バブル時、第3セクターが流行りました。
官民共同出資の都市開発、ほとんどが清算されてますよね。
地方政府の融資平台の債務が1,100兆円!!
利払いは4%~6%!!!
中国が羨ましい!!!
中国政府、地方政府の融資平台の債務は借換支援ですかね・・・
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