日本株は、2003年や13年に一時的な関心の波に乗って、世界の注目を浴びた時期があった。だが、この期待はすぐに裏切られた。日本市場から離れた投資家は今、全く異なる日本の姿をみるはずだと指摘されている。これまで繰返してきた「失われた10年」の日本の姿は、もはやどこにもその痕跡はない。海外では、こういう「日本復活」に強い自信を深めていると報じている。
『ブルームバーグ』(10月2日付)は、「変貌遂げた日本、求心力に世界の投資家が期待-」と題するコラムを掲載した。
三菱商事や三井物産といった大手総合商社に数十億ドル規模の投資を行ったウォーレン・バフェット氏のように日本に強く期待する投資家もいる。だが、投資家が理解すべきなのは、復活したかどうかにかかわらず、日本はすでに変わったということだ。
(1)「今、長らく停滞してきた株価や不動産価格はついに30年ぶりに高値を更新した。かつては保護主義的だった東京が、今や世界で最も魅力的な取引の舞台になりつつある。投資先を中国から切り替えようとする投資家にとって、日本は一段と魅力的に映り始めている。 失われた時代は約30年に及んだが、それが終わったことを象徴する出来事が今年起こった。SBI新生銀行が7月、前身の日本長期信用銀行に注入された公的資金を完済したのだ。長銀は98年の金融危機時に破綻し、外資に売却されていた。バブル崩壊後に政府に救済された銀行による最後の公的資金返済となり、これにより資産価値の崩壊に伴って金融機関が次々に破綻した一連の危機の後始末が終わった」
株価や不動産価格が、30年ぶりに高値を更新した。これは、海外の「日本見直し」マネーが流れ込んで来た証拠だという。SBI新生銀行が7月、前身の日本長期信用銀行に注入された公的資金を完済して、バブル崩壊後の「荷物」はすべて整理された。日本再出発の号砲というのだ。
(2)「国内経済の大きな転換という追い風を受け、多くの邦銀は今、過去最高益を計上している。日本銀行は大規模な金融緩和策を縮小し、政策の正常化を緩やかに進めている。金利は依然として低水準にとどまるものの、日銀は主要政策金利を0.5%と、約20年ぶりの高水準にまで引き上げている。長年にわたるデフレは克服された。パンデミック後の世界的なインフレ急加速という外部要因が後押しした面はあるが、初の物価下落に転じてから約30年を経て、この4年間は毎月、物価上昇が続いている」
日本は、「金利のある世界」へ戻って、正常化した。物価も上がる環境になった。多くの副産物を生んでいるが、それは今後の政策課題である。日本経済が健康体へ戻ったことを認識して、インフレ政策を発動させることだ。
(3)「企業は長らく実施できなかった値上げに踏み切り、深刻な人手不足もあり賃金も上昇。インフレ率に追い付いていないものの、賃金の伸びはバブル期以来の勢いだ。今年の最低賃金は全都道府県で時給1000円を超える見通しで、コスト削減を万能薬と見なす発想は後退しつつある。ただし、課題が解決されたわけではない。物価上昇は国民にとって最大の不満材料であり、政治の不安定が再び頭をもたげつつある。長く与党の中心であり続けてきた自民党は選挙で相次ぎ敗北し、内紛が表面化。党総裁の石破茂首相は辞任を9月に表明した。総裁選は10月4日に実施される」
自民党は、いつまでもデフレの認識でいたことで選挙に敗れた。いち早く、インフレ対策へ頭を切替えていれば、「選挙3連敗」にならなかったであろう。
(4)「地方から都市部への人口移動が続き、主要都市の不動産価格が急上昇している。1980年代には不動産投機がバブル崩壊の主因となり、その後の回復は極めて遅く、東京は地価低迷が続いていた。しかし、この1年で住宅・商業用ともに価格は大きく上昇し、過去最高を更新。最大の要因は海外資金の流入だ。現在の状況は、かつての投機的な値上がりとは性格が大きく異なる。それに、世界の主要都市と比べれば、東京の不動産は依然として割安感が際立っている。2000年代に海外投資家が日本の不良資産を買い入れようとした際には「ハゲタカ」とやゆされることが多かった。当時は企業側が結束し、政府も企業の合併・買収(M&A)阻止に動いたため、多くの試みは頓挫した。現在の状況はまるで正反対だ。日本は今や世界で最も注目すべきM&A市場と言える」
全国の主要都市で、不動産価格が急上昇している。最大の要因は、海外資金の流入だ。現在の状況は、かつての投機的な値上がりと性格が大きく異なる。東京の不動産は、世界の主要都市と比べれば、依然として割安感が際立っている。海外資金の流入は、日本再評価の証だという。同時に、日本は今や世界で最も注目すべきM&A市場となっている。
(5)「日本が海外に提供するものも変わりつつある。かつてはカセットデッキやテレビといった製品だったが、今売り出しているのは「日本そのもの」だ。まずは観光だ。2000年代に年間で受け入れていた外国人旅行者数を、今では1カ月で超えるまでになった。 オーバーツーリズムやマナーの問題に対する不満もある一方で、インバウンド消費は8兆円に達している。政府は30年までに年6000万人の外国人観光客を呼び込む目標を掲げており、実現すれば日本は世界の観光大国トップ5の仲間入りをする」
日本は、「日本そのもの」が商品になった。自然の風景と人々の暮しが、世界の人々に「癒やし」を与える価値を持っているというのだ。日本経済復活が、世界中からマネーを引き寄せているとしている。


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