テイカカズラ
   


中国共産党の重要会議、第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が23日に閉幕した。来年からの5カ年計画の骨格は、半導体などハイテク分野の水準を高めるほか、米国との長期対立を念頭に「国際影響力を大幅に引き上げる」方針も示した。国内需要の立直しという国民生活への配慮はゼロ。新味のない従来路線を継承する新5カ年計画に』張りそうだ。

 

『ロイター』(10月23日付)は、「中国新5カ年計画、近代的産業システム構築や技術自立推進 4中総会閉幕」と題する記事を掲載した。

 

中国共産党の第20期中央委員会第4回総会(4中総会)は最終日の23日、近代的な産業システムの構築や、技術の自立への取り組みを強化する方針を示した。

 

(1)「国営新華社が発表したコミュニケは、202630年の第15次5カ年発展計画の優先事項の概要を示した。「(2630年は)戦略的機会とリスク・課題が共存し、不確実で予測不可能な要素が増加する」と指摘。「強力な国内市場」の開発に先立って「製造業の合理的な比率を維持し、先進的な製造業を基幹とする近代的な産業システムを確立すべきである」と述べた。国民の福祉と社会保障制度の改善を図るとした。財源や措置など具体的な内容には踏み込んでいない」

 

コミュニケは、5年間の目標として科学技術に関して「自立自強の水準を大幅に高める」と明示した。「新興産業と未来産業の育成」を掲げたうえで、中核技術の強化などを通じて科学技術強国をめざすとうたった。「2035年までに経済、科学技術、国防の実力、総合的な国力、国際影響力を大幅に飛躍的に引き上げることを実現する」と記している。人工知能(AI)や半導体などのハイテクへの投資を増やす方針だ。米国など外国に依存しない独自のサプライチェーン(供給網)の整備を急ぐ。

 

足元で景気が減速するなか、内需拡大について「消費を力強く喚起し、有効投資を拡大する」と強調した。「人民の生活の質を持続的に高める」などの記載もあったが、26年からの5年間の経済成長に関する具体的な数値目標はなかった。『日本経済新聞 電子版』(10月23日付)が報じた。

 

(2)「エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミストは、家計ではなく投資と製造業に資源を振り向ける中国の伝統的な戦略に言及し、「考え方は依然として供給側に焦点を当てている」との見方を示した。その上で「人々への投資」に言及したことに注目、人々の権利や利益の保護や社会保障制度の改善への措置が見込まれると指摘。「政策当局の立案者は地方の高齢者への医療保険や年金を増やす可能性があるが、今のところどのように行うか明確な考えは持っていないのかもしれない」と述べた」

 

「過剰生産・過小消費」に陥っている中国経済が、相変わらず供給力先行経済を目標にしている。米国との対立処理が政策のトップに掲げられている。明らかに意識は、「準戦時経済」へ落込んでいる。これで、不動産バブル崩壊後の対応などできるはずがない。こうして、景気回復時期が先へ先へとずれ込み、体力を消耗するだけとなろう。

 

(3)「キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏はきょうの発表について、国力と安全保障に向けた中心は依然として製造業で、政府の消費拡大の考えは「口先だけ」と指摘。 「指導部が主張する消費拡大の願望と、製造業の規模拡大という目標の間の緊張関係は、依然として解決していない」と述べた。その上で、「指導部はどちらかを選択しなければならないが、今日のコミュニケでは向いている方向に疑問の余地はない」と語った」

 

製造業の規模拡大は、設備投資重視の経済という意味だ。本来ならば、消費重視型経済へ舵を切らなければならない段階だが、相変わらずの「供給力重視」である。過剰債務と人口急減の下で行なうべき政策ではない。無理を承知での供給力先行によって、米国と対抗するつもりなのだろう。己の実力を知らない不幸な幻想である。

 

(4)「22年に選出された中央委員は205人、中央委員候補は171人。コミュニケによると、4中総会には中央委員168人と中央委員候補147人が出席した。「規律違反」による軍幹部の処分が実施される中、中央軍事委員会の副主席に張昇民・軍紀委書記(67)を昇格させる人事を決定し、中央委員も17年の7中総会に並ぶ最多の11人を交代させた」

 

人民解放軍の規律はメチャクチャになっている。習氏側近が、ずれも追放されるという不可思議なことが起こっている。人民解放軍は、政治と離れた特別の存在である。すでに、習氏のコントロールから外れていると指摘されている。今後どうなるか、全く予想がつかない状態だ。