トランプ氏は、米中首脳会談で習近平氏と「台湾問題で取引するのではないか」とまことしやかに論じる日本メディアも存在するほどだった。トランプ氏によれば、習近平氏はこの問題について発言はなかったという。トランプ氏は、自分の在任中(29年1月)に台湾侵攻はないと胸を張っている。理由は、「中国がその結末を知っている」としている。
『中央日報』(11月3日付)は、「有事の際は台湾防御?
トランプ大統領『それが発生すれば分かるはず』」と題する記事を掲載した。
トランプ米大統領が2日(現地時間)、中国が台湾に軍事行動をすれば米国は台湾を防御するかという質問に対し、「彼(中国の習近平国家主席)はその答えを知っている」と明らかにした。
(1)「米『CBSニュース』が事前に公開した映像によると、トランプ大統領はこの日放送予定のCBS番組「60分」のインタビューで、「習主席が軍事行動をすれば米軍に台湾防御を指示するのか」という質問に「そのことが発生すれば分かるはず」とし、このように答えた。トランプ大統領は「昨日の対話(10月30日に釜山で行われた米中首脳会談)でこれに関しては議論されなかった」とし、「人々はこれに少し驚いたが、習主席はそれをよく理解しているので一度も言及しなかった」と話した」
習氏は、トランプ氏と「ディール」を行い、台湾独立を支持しないという発言を引出そうとするのでないかとみられてきた。こういう憶測が横行する中で、習氏は台湾問題について一切、触れなかったのだ。発言しても、意に沿うような答えが期待できないとみたのだろう。
(2)「このインタビューは10月31日にフロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領のマールアラーゴの自宅で行われた。トランプ大統領がいう「前日の対話」とは韓国で行われた習主席との米中首脳会談だ。CBS放送はこの日晩にインタビューの全体内容が放送される前、一部の映像をユーチューブチャンネルなどで事前公開した。トランプ大統領は「習主席が理解している内容は何か」という追加の質問に、「私の秘密をすべて公開することはできない。何かが発生すればどうするかを一つ一つ話す人にはなりたくない」として即答を避けた」
トランプ氏は、言外に台湾防衛を滲ませている。米国が、世界覇権を握り続ける意思を明確にするには、「台湾防衛」が不可欠であう。これは、外交論からみても「イロハ」の議論である。
(3)「ただ、「彼ら(中国)はどんなことが起きるのかを知っている」とし「彼(習主席)と彼の側近は公開的に『トランプが大統領である間には我々は決していかなる行動もしない』と話してきた。なぜなら彼らはその結果が何かを知っているため」と述べた。トランプ大統領はその間、自身が大統領である限り習主席は台湾侵攻をしないと繰り返し話してきた。10月20日にも中国の台湾侵攻の可能性に関する質問を受けると、「習主席と関連してそんなことが起きるとは全く見ていない。我々は台湾問題などに関連して非常にうまく過ごすことができると考える」と話していた」
中国が、台湾侵攻を諦めているとみるのは、人民解放軍における人事の大混乱である。習派の上将(大将)が相次いで追放されるという事態は、台湾侵攻準備がまったく行なわれていないことの証明であろう。軍が、「一致結束」という状況にない。
(4)「このようにトランプ大統領は、台湾防衛意志を何度か公開的に表したバイデン前大統領とは違い、台湾防御について確答は避けながらも在任中に台湾関連の非常状況は発生しないという自信を表している」
習氏が、米中首脳会談で台湾問題に触れなかったのは、期待できるような回答を得られる見通しがなかったことだ。中国が、事前に開かれた米中外相会談で、米から得た印象によって判断したものであろう。


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