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スタバは、1999年に北京市で中国1号店を開き、コーヒーが一般的ではなかった同国にカフェ文化を広めた。中国内陸部の雲南省では、コーヒー農園を支援し、グローバルでの調達力を背景に現地のコーヒー豆市場でも強い影響力を持ってきた。そのスタバが、現地資本の現地資本のボーユーと合弁会社を設立し事業の立て直しを急ぐ。企業価値は、40億ドル(約6100億円)で、ボーユーが6割、スタバが4割を出資する。合弁会社はスタバ本社からブランド使用のライセンス供与を受けて事業を展開する。

 

『レコードチャイナ』(11月15日付)は、「スタバなどが中国事業を一斉売却?その真相は…―中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

中国メディア『第一財経』(11月13日付)は、米スターバックスなど外資系飲食チェーン企業が中国事業を「一斉売却」するという情報の真相について報じた。

 

(1)「記事は、スタバが今月3日に中国事業について、自社が40%、中国企業が60%の株式を保有する合弁会社を設立して店舗運営を行う戦略的提携を発表し、米ファストフードチェーンのバーガーキングも10日に中国事業について合弁会社を設立し、中国の投資会社が83%を出資する計画を明らかにしたと紹介した」

 

スタバが、現地資本と組んで合弁会社にした理由は、中国市場が不況で未曾有の低価格追求時代になっているからだ。スタバの国際標準の経営システムを適用困難になったので、すべてを現地化する目的である。上海市中心部で11月初めにアメリカンコーヒーを注文する場合の価格は、スタバが27元(約590円)からなのに対し、ラッキンは割引クーポンを適用すれば14元からと約半分という。消費者が、節約志向を強めるなかで、スタバは「ぜいたく品」に映る。スタバが、生き残るには低価格化路線へ転換するほかないのだろう。トヨタもEV(電気自動車)では、部品からすべて現地化している。

 

(2)「外資系飲食チェーンの中国事業をめぐる2大トピックにより、中国国内ではハーゲンダッツやコスタ、ピザハット、デカトロン、イケアなどさまざまな外資系ブランドの中国事業売却に関する未確認情報が飛び交う状況となり、「激しい市場競争や消費トレンドの変化に適応できず業績を悪化させている外資系ブランドが中国から一斉に撤退するのでは」という議論が起きていることを伝えた」

 

中国では、外資系ブランドの中国事業売却に関する情報が飛び交っている。

 

(3)「一方で、スターバックスが先月29日に発表した2025会計年度通期決算で、中国事業の売上高が31億500万ドル(約4780億円)ドルと世界平均を上回る前年比5%増となったことを指摘。店舗運営利益率も二桁水準を維持しており、同社が中国を国際市場の中で「最も収益性が健全な地域の一つ」と評価していることを紹介した。その上で、スタバやバーガーキングによる合弁会社設立の動きに関連して起きた外資ブランドの「集中撤退」の論調について、業界関係者が否定するとともに「運営モデルを調整している」ことの現れと強調したことを伝えた」

 

スタバは最新決算において、中国市場で世界平均を上回る前年比5%増の売上を上げている。より高い利益を上げるには、現地化がベターという選択なのだろう。

 

(4)「記事によると、業界関係者は、中国が巨大な消費市場であり、外資ブランドにとって引き続き魅力的な市場である一方、現地での競争が激化しており、外資ブランドは競争に対応すべく「運営や拡大の権限を現地のチームに委譲し、国境をまたぐ管理コストを抑えるいわば『軽資産型』モデルへの切り替えを進めている」との見方を示したという。また、確立されたブランドと予測可能な成長性を持つ外資ブランドは、中国資本にとっても魅力的な投資対象であると指摘。スターバックスの案件も「特に引く手あまただった」としている」

 

外資ブランドは、厳しい中国での競争に対応すべく「運営や拡大の権限を現地のチームに委譲し、管理コストを抑える」という選択に切替えた。自前主義から提携主義への転換だ。

 

(5)「記事は、バーガーキングの合弁会社設立も中国事業でさらなる成長を求める上での積極的な「戦略的行動」であることを示す情報として、中国資本の資金と力を使って35年までに中国国内の店舗数を現在の約1250店舗から4000店舗以上へと大幅に拡大する目標を設定していることを伝えた」

 

バーガーキングの合弁会社設立も、中国資本の資金と力を使って35年までに中国国内の店舗数を3.2倍へ拡大する。「郷に入っては郷に従う」という外資の経営転換だ。