李大統領は、「二枚舌外交」を鮮明にしてきた。これまで、「日米韓三カ国は安全保障の砦」としてきたが、にわかに始まった日中対立激化を背景にして、中国寄り姿勢を明らかにし始めた。尹前大統領は、北東アジア3ヶ国を「韓中日」ではなく「韓日中」と改めていた。理由は、「価値と自由の連帯を礎に米国・日本と一層緊密な協力がされている」(韓国大統領室関係者)と23年9月に説明していたものだ。
李氏は、日米韓が「価値と自由の連帯を基礎にする」という基本を否定するもので、中国側へ身を寄せた方が利益になるという判断であろう。韓国の唱える日韓友好論などは、この程度のものだ。こうした転換の裏には、米国から原潜保有を認められることが韓国を強気にしているのであろう。米国には、次のような思惑がある。
『ブルームバーグ』(11月17日付)は、「米海軍作戦部長、韓国原潜に中国海軍の抑止期待-地球規模の展開望む」と題する記事を掲載した。
コードル米海軍作戦部長(海軍大将)は、米政府の承認を得て、韓国が新たに建造する原子力潜水艦について、主要同盟国の責任として、中国海軍力の急速な増強に対抗する目的で配備されることに期待を表明した。
(1)「コードル海軍作戦部長は14日ソウルで、「潜水艦を中国の抑止に用いることは、その種の能力を巡る自然な期待と考える」と語った。原潜建造への米政府の同意を文書化したファクトシートがその数時間前に公表された。コードル氏は、「韓国にはそれらの潜水艦を世界規模で展開し、地域海軍から地球規模で活動する海軍に脱皮する責任が生じると私は思う」と述べた。原潜導入を長年目指してきた韓国にとって、米国による承認は大きな成果だが、コードル海軍大将の発言は、両国の立場の違いを浮き彫りにした。韓国側は原潜の目的は北朝鮮の抑止としている。事情に詳しい関係者によると、両国の間では潜水艦の建造場所や艦種、取引の一環として米国が無償で艦艇を受け取るかどうかを巡り意見が分かれているもようという」
韓国は、日本海と黄海でのみ原潜を運用するとしているが、米海軍は「地球規模で活動する海軍に脱皮する責任が生じる」とダメ押しをしている。これは、韓国が原潜を持てば米海軍と行動を共にするという意味だ。韓国の思惑は100%崩れる。韓国は、中国へ身を寄せようとしていても、原潜を持つことで結果として、中国へ弓を引く形になろう。大変な思惑違いになってきた。
『朝鮮日報』(11月17日付)は、「尹政権時代が使用した『韓日中』表記、李在明政権は『韓中日』で統一…中国に配慮か」と題する記事を掲載した。
北東アジア3カ国の表記順序を「韓中日(韓国・中国・日本)」に統一することを李在明政権が決めた。尹錫悦前政権では「韓日中」と「韓中日」が混用されていた。
(2)「韓国大統領室関係者は16日、「北東アジア3カ国の表記順序を韓中日に正式に統一する」とした上で「以前から韓中日だったので無用な混乱をなくすためだ」と説明した。尹錫悦前政権は発足直後「韓中日」としていたが、2023年9月のASEAN(東南アジア諸国連合)サミットから「韓日中」に変更した。その背景について尹錫悦前政権の関係者は当時「韓米日協力が進展しているため、自由民主主義の価値を共有する日本を前にする」と説明していた」
韓中日は、明らかに韓国が共産主義国家を民主主義国の日本よりも重視するという意味であろう。あえて、前政権の呼称を変えたのは、中国重視という外交路線を示している。
(3)「李在明政権による「韓中日」への統一は中国に配慮するためとみられる。特に14日に発表された米国との関税・安全保障に関するファクトシートに「台湾海峡の平和と安定の維持」など中国けん制と受け取られかねない文言が記載されたことも影響したようだ。中国は、日本の高市早苗首相によるいわゆる「有事に台湾海峡介入」という趣旨の発言に強く反発している」
韓国が,原潜を持つこと自体が米国の中国包囲網へ加わるという意味である。それを頑ななに否定しているのは、韓国の真意がどこにあるか疑わしい。明らかなことは、最終的に日本へ対抗するという意思表示であろう。韓国が、中国包囲網に参加しないのは、原潜を持って日本へ対抗しようという狙いがあるからだ。


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