中国政府が、あの手この手で訪日旅行を妨害している。中国航空会社の日本便を、減らしており、日本を経済的に圧迫しようと必死である。すでに、その影響は出ているが、現在の「ブーム」は過度の円安がもたらしたものでもある。いずれ、円高へ向えば「消える波」である。円高になって、国内物価が落ち着く方がはるかにプラスである。こういう損得を考えれば、中国の「虐め」による中国人観光客減少は、日本へ次の対策を考えさせる好機となろう。皮肉でなく、「習近平さん、ありがとう」という時期が来るはずだ。
代替策は、「ワーケーション」である。これは、「ワーク(労働)+バケーション(休暇)」の造語である。観光地やリゾート地など、普段の職場とは異なる場所で仕事をしながら休暇も楽しむという新しい働き方を指している。テレワークは、「自宅などで働く」ことが中心だが、ワーケーションは「旅先で働く+休む」ことが目的に含まれる。すでに、米国ハワイ州が取り入れている。日本も観光庁が、「新たな旅のスタイル」として、外国人を含む多様な働き手を対象に、受け入れ地域の整備やプロモーションを支援している。
外国人に適したワーケーション職種は、場所に縛られずに働けるリモートワーク可能な業種が中心だ。たとえば、以下の職種が挙げられる。
1)IT・ソフトウェア開発(エンジニア、デザイナー)
2)マーケティング・広報(特にデジタルマーケティング)
3)ライター・翻訳者・編集者
4)オンライン教育・語学教師
『日本経済新聞 電子版』(10月31日付)は、「中国の訪日自粛に慌てず観光政策見直せ」と題する社説を掲載した。
中国政府が、自国民に訪日自粛を呼びかけ、インバウンド(訪日外国人)ビジネスへの影響が懸念されている。特定の国・地域に依存する観光事業は危うい。誘致先の分散化などを通じ、強く安定した観光産業づくりの契機にしたい。
(1)「日本の旅行市場34兆円(2024年)の76%は日本人が支える。中国人比率は約5%で「爆買い」が流行語になった新型コロナウイルス禍前に比べて低下した。防衛問題で中国と韓国が対立した17年に訪韓中国人は半減したが、同様に減少しても影響は限定的だ。冷静な対処が求められる。中国人観光客には、昔の国内団体旅行の経験が応用しやすく、企業や観光地には中国頼みの姿勢も目立った。今後は東南アジアや欧米などへの分散を一段と進めつつ、国内旅行者にも目配りしリスクに備えるべきだ。リピーターを大事にすれば目的地分散にも役立つ」
訪日観光客のうち、中国人が占める比率は5%である。これが、最大限どこまで減るかだ。冷静に考えれば、日本がひっくり返るほどの影響はない。
(2)「訪日観光推進の目的は国としての収入増と地域の消費振興だ。国連世界観光機関の集計では昨年の日本のインバウンドの人数は世界9位。22位だった10年前に比べて2.8倍に増え、トップ10入りを果たした。だが、ドルベースの消費額増は2.9倍にとどまり、順位はコロナ禍前より下がった。これは、訪日政策や観光業が円安や集客数に頼り、付加価値を高められていないことを示す。観光客は、受け入れ地域のインフラや生活環境に負荷を与える。マイナス面ばかりが目立てば拒否感を呼び、観光立国の足かせになる。民泊の住宅市場への影響や、違法タクシーの疑いがある車両などの問題もあり、一般の人々がインバウンドや関連産業に向ける目は厳しさが増す。観光庁の宿泊統計が民泊施設をカバーしていないなど基本データの不備も目立つ」
中国人観光客の減少は、オーバーツーリズムの解消に役立つ。願ったり叶ったりという側面もあるだけに、冷静名判断が求められる。中国人の不動産漁りも減るだろう。プラス面もあるのだ。
(3)「政府のオーバーツーリズム対策は、個々の地域任せで、横断的なノウハウ共有につながっていない。有名観光地の混乱を見れば、他の地域は訪日客の受け入れ拡大に二の足を踏む。現状の把握と対策の確立に真剣に取り組むべきだ。訪日観光の経済効果や、買い物などを通じ地域文化の維持に役立つ面をもっとわかりやすく示す手もある。欧州諸国や米ハワイ州では、コロナ禍で観光需要が激減した機をとらえ、PRすべきイメージの転換や受け入れ体制の再整備に取り組んだ。日本も今回の対中関係悪化に慌てることなく、観光の体制を整え直したい」
ワーケーションは、日本人にも適用できる。旅を楽しみながら仕事をする。これまで想像もできなかったことが、通信の革命的進歩で可能になってきた。こういう好機を生かしてバランスの取れた生活スタイルが確立可能になった。ピンチをチャンスへ変える決断が必要だ。


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