中国最大級の民間不動産データ提供会社である中国房産信息集団(CRIC=克而瑞)と中国指数研究院(チャイナ・インデックス・アカデミー)は、毎月末に通常公表する上位100社の11月の合計販売額を同月30日に発表しなかった。両社は、いずれも理由を示していない。これまで業界内で健全とみられてきた万科が、先週初めて本土債の返済延期を求めた。中国恒大集団や碧桂園などが巨額のデフォルト(債務不履行)を起こし、販売不振も長期化する中で、万科の予想外の動きは業界の苦境を一段と強めている。
『ブルームバーグ』(12月1日付)は、「中国不動産大手の万科、社債の元利支払いを1年待つよう要請-関係者」と題する記事を掲載した。
中国の不動産大手、万科は人民元建て社債の元利支払いを1年待つよう債券保有者に要請した。同社は先週、償還延期を突然提案して市場を驚かせたが、期間は明らかにしていなかった。
(1)「事情に詳しい関係者によると、万科は12月1日、15日に満期を迎えるはずだった20億元(約440億円)の社債について保有者に対し、1年間の支払い遅延を求める意向を伝えた。これが認められる場合にも、3%の表面利率は変わらないという。関係者は非公表の問題を話しているとして匿名を要請した」
万科は12月に期限を迎える計57億元(約1260億円)相当の社債2本の償還に向けて、融資の確保に関して銀行側と交渉していた。この協議は、万科が2本のうち1本の社債について償還延期の債権者同意を求めると26日夜に公表する前に行われていた。関係者によれば、銀行のうち1行は万科が社債償還延期を求める前に融資を拒み、もう1行も27日に拒否した。別の関係者によると、他の2行も前向きではなかったという。
こうした反応は、中国の数年にわたる不動産危機を生き延びてきた万科への支援が縮小していることを示している。不動産セクターの下支えに向けた中国当局の意欲を見極める上で、万科は重要な指標となっていた。万科は12月1日、15日に満期を迎えるはずだった20億元(約440億円)の社債について保有者に対し、1年間の支払い遅延を求める意向を伝えたが、大株主の深セン市も見限った状態だ。
(2)「深圳を拠点とする万科は、かつて売上高で中国最大の不動産開発会社だったが、いまや資金繰りに窮し、政府の支援は細っている。同社は今回の社債を含め、来年半ばまでに総額134億元の償還を控えている。こうした動きを受け、万科の社債のいくつかは過去最安値に下落。国内最大級の不動産会社に対してすら中国政府は支援を控えるのか、全般的な懸念が広がっている」
習近平国家主席は、不動産企業の救済に対して無関心である。それよりも、「新質生産力」にAI(人工知能)やロボットの育成に関心が向いている。不動産バブル崩壊が、どういう悪影響を中国経済に与えるかという視点を欠いているからだ。中国の不動産不況の後遺症が、日本以上に長引くことは確実である。これによって、中国は体力を消耗し「新質生産力」の効果も奪い去るはずだ。
(3)「中国の不動産危機は長期化し、同業界では中国恒大集団や碧桂園など大手を含む記録的な数のデフォルト(債務不履行)や清算、再編が発生。大手のうちこれまでデフォルトを回避できていた数少ない1社だが、昨年後半以降に深刻な流動性不足に陥っている万科は、不動産業界に対して政府がどれだけ支援するのかを見極めるバロメーターと見なされている。S&Pグローバル・レーティングは11月28日、万科の乏しい流動性を踏まえれば債務の支払いは「持続不可能」だと指摘し、今後半年以内に債務再編を強いられるリスクが上昇していると警告した」
万科は不動産大手で唯一、生き残った企業だが、深刻な流動性不足に陥っている。今後、半年以内に「債務再編を強いられる」(デフォルト)などの事態に直面するとみられる状態だ。


コメント
1~9月経済成長率5.2%
凄い!
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