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中国外相は、日本軍国主義反対の旗を掲げて駆けずり回っている。これに水を差す動きがトランプ米大統領によって2日に行われた。トランプ氏が、米国と台湾の公的な交流に関する指針を定期的に見直し、更新することを義務付ける「台湾保証実施法案」に署名したのだ。これは、明らかに中国の日本批判への間接的な意思表示である。中国は、大きなショックを受けて抗議の発言をした。

 

先の米中首脳電話で、習氏が高市発言への苦情を言い立て、トランプ氏は外交用語で「理解した」と答えた。これが、誤り伝えられ「賛成した」となり、トランプ氏が習氏の肩を持って、高市氏へさりげなく「日中対立激化」に反対というように話の筋が曲げられて報道される騒ぎになっている。今回の台湾保証実施法案署名は、米台関係の強化である。習氏は、メンツを損なう事態になった。マスコミ誤報が招いた一件である。

 

『ブルームバーグ』(12月3日付)は、「トランプ大統領、米台関係深化に向けた法案に署名」と題する記事を掲載した。

 

中国が台湾に対して行動を起こす可能性への懸念が高まる状況にあって、トランプ米大統領は2日、米国の対台関与に関するガイドラインの見直しを国務省に義務づける法案に署名し、成立させた。ホワイトハウスが発表した。

 

(1)「法律では、このガイドラインの下で米台関係がいかに深化しているかを説明するため、定期的な見直しを国務省に求めている。少なくとも5年に1度の評価では、米台関与に関する米国側の自主的制限を緩和する機会を特定し、詳細に示すことも義務づけている。法案を提出したワグナー下院議員(共和)は同法について、「中国共産党による地域支配という危険な試みに対し、われわれが断固として立ち向かうというメッセージを送るものだ」と表明した」

 

米国は、中国の感情を逆なでする法案を成立させた。米台関係を深めるように米国が努力するという内容である。米国が、なし崩し的に台湾と関係を強化するというのである。高市発言どころの話でない。はるかに高度の内容である。

 

(2)「高市早苗首相が11月、中国が台湾に侵攻した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得ると答弁したことで中国側が反発。中国の習近平国家主席はトランプ氏との先月の電話会談で、台湾を自国領とみなす中国にとって統一が極めて重要な問題だと、あらためて強調していた。台湾紙の自由時報は、トランプ氏の署名でこの法律が成立したことを受け、台湾当局者は米連邦政府機関を公務で訪問したり、代表事務所で米側と交流したりできるようになると、林佳竜外交部長(外相)を引用して報じた。同紙によれば、米台関係の正常化に向けたこのさらなる一歩を台湾外交部は歓迎している」

 

これまで、台湾高官は米連邦政府機関を公務で訪問できなかった。それが、公式に行えるというのだ。台湾の林佳龍外交部長(外相)は記者団に、指針の見直しが頻繁になれば、台湾当局者が米連邦機関を訪問して会議を行うことなどが可能になるとの見方を示した。ただ、同法ではその点に明確な言及はない。

 

一方、中国外務省の報道官は、米国と「中国の台湾地域」の間のいかなる公的な接触にも断固として反対すると表明。「台湾問題は中国の核心的利益の中核であり、米中関係で越えてはならない第1のレッドラインだ」と述べた。中国の「定義」では、米国は「侵略者」になる。国連へ通告しなければ格好がつかないであろう。どうするか。日本だけ非難して米国には黙認する。なんとも格好がつかない事態になった。

 

(3)「米国の指導者は伝統的に、台湾問題で「戦略的曖昧さ」のアプローチを維持してきた。このアプローチの下では、米国は武力行使の権利を留保しつつ、中国が台湾を攻撃した場合に介入するかどうかを明確にはしていない」

 

「一つの中国論」は、建前になっている。西側諸国は、一つの中国論を「理解」するが「賛成」はしていないのだ。日本も同じスタンスである。一つの中国論を金科玉条とする中国にとって、風向きが悪くなってきた。これからも、「日本軍国主義」を言い募って歩くのか。米国は、今回の法案署名で間接的に否定しているのだ。