中国は、東南アジアでの覇権意識をギラつかせて周辺国を威圧している。これが、裏目に出ており信頼度が低下している。シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所がまとめた25年東南アジア情勢調査で明らかになった。逆に、日本は7年連続で「最も信頼される国」の座を維持している。中国には、反省の機会となろう。次に、信頼度のデータを示す。
24年 25年
中国 38.9%
36.6%
日本 58.9% 66.8%
このデータは、中国の強硬な外交姿勢や南シナ海での行動が、ASEAN諸国の警戒感を高めていることを示唆している。 一方で日本は、制度的信頼・国際法の尊重・経済協力の安定性といった点が、評価を高めている。
『ブルームバーグ』(12月5日付)は、「日本の信頼アップ、東南アジアで中国の言動裏目」と題する記事を掲載した。
アジアの安全保障地図を塗り替えようとしている中国だが、新しい地図は意図した形にはならないもようだ。南シナ海での放水銃による威嚇から台湾を巡る強硬な言動といった中国の振る舞いが、かつては想像できなかった安全保障環境を生み出している。アジアの周辺国が歓迎しているのは、地域の安定に寄与する役割を高めつつある日本だ。
(1)「中国の経済的影響力が強まってきた地域で、しかも中国が自国の「勢力圏」と見なす国々で、微妙ながらも大きな意味を持つ変化が進んでいる。東南アジアは、歴史的なライバルである日中が競い合う新たな舞台になりつつある。中国のネットユーザーやコメンテーターから最近、シンガポールのローレンス・ウォン首相に対し、日本の側に立ったと非難する声がオンライン上に広がった。ウォン氏は、多くのシンガポール人と同じく中国系だが、同氏を批判する勢力には、香港メディアや上海拠点の極端なナショナリスト系サイトも加わった」
シンガポールのローレンス・ウォン首相は中国系だが、日本の過去の過ちよりも現在の誠実な姿勢を高く評価する発言をした。これが、中国系の人たちから不評を買っている。
(2)「ウォン氏に対する反発のきっかけは、11月19日の「ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラム」での何の問題もないような発言だった。台湾を巡る日中間の緊張について問われたウォン氏は、両国が対立を解消する道を見いだすことを望むとした上で、「歴史は脇に置いた。われわれは前に進んでいる」と述べた。同氏の言う歴史とは、1941~45年にかけての旧日本軍による広範な東南アジア占領で、苛烈な残虐行為があった時代だ。ウォン氏の発言は、日本と東南アジアの変化の大きさを映し出している。同氏は安定を担保する存在である日本がより大きな役割を果たすことを、シンガポールを含む東南アジア諸国が支持すべきだと語った」
ウォン氏は、日本が安定を担保する存在あることに対して、シンガポールを含む東南アジア諸国が支持すべきだと語った。この発言が、中国系から批判されている。
(3)「この一件から分かるのは、台湾有事を巡る高市早苗首相の発言への激しい批判といった中国の強硬姿勢は、裏目に出ているということだ。中国とは対照的に、日本政府は冷静を保つよう促し、落ち着いた外交を展開している。米国が国内対応や欧州・中東の危機で手一杯となる中、日本は政府安全保障能力強化支援(0SA)を通じて「同志国」を支援する形で自らの役割を強めている。2023年には東南アジア諸国連合(ASEAN)と海洋安全保障でより緊密に協力すると約束したが、これは南シナ海の領有権問題を巡り中国との緊張が高まる中での対策だと、広く受け止められている」
中国は、高市発言に対して強硬姿勢であるが、日本は落ち着いた外交を展開している。これが、東南アジアで評価さらに高める要因になっているという。日本外交は、売り言葉に買い言葉でないことが信頼度を高めている。
(4)「戦争は忘れられたわけではない。だが、人々はウォン氏の言う通り前に進んでいる。第2次世界大戦で敗戦国となった日本は、専守防衛を除き武力行使を禁じる平和憲法を採用した。15年の安全保障法制整備で防衛の枠組みが広がり、密接な関係にある国やその国民の安全を守るため日本が支援に動くことが可能になった。現在、日本は東南アジアで最も信頼される大国として一貫して上位に位置している」
過去を背負った日本が現在、東南アジアで最も信頼される大国として一貫して上位に位置している。痛切な反省に基づく行為である。
(5)「日本は、長年にわたる安定した開発支援と予測可能な外交が奏功し、中国経済台頭のはるか以前から信頼できるパートナーだった。中国は、2010年に日本を抜いて世界2位の経済大国になってより複雑な感情が向けられている。同調査では、中国に不信感を抱くとの回答が41.2%に上った。経済力や軍事力を用いて、回答者が住む国の主権を脅かしかねないとの懸念が多く挙げられた」
中国に不信感を抱くとの回答が41.2%にも上った。信頼度を上回る。中国の大国的振舞が、東南アジアで批判の対象になっているのだ。


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